ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

オリンピックロゴ騒動について思うこと

2015年08月20日 | 雑記
佐野研二郎氏のオリンピックのロゴはわたしはオリジナルだと思う。
その理由は、まずあのベルギーの劇場のロゴをみたからといって真似しようと思わないでしょ。ほとんど何のインパクトもない。(ここが論点なんだけど)
次に、日の丸の○と東京のTを組み合わせて造形を考えると、あのデザインはそのうち出てくる。縦の棒を線にすれば円の接線を形成するTの横棒部分が気持ちよく丸くなるがそれでは縦の線に力がない。縦の線に太さをつけるとどうしてもあの造形になる。で、右上は赤い日の丸にし、大きな日の丸が後ろに隠れていることを強調するために左上のエレメントを右下にも持ってきた。美術の宿題を一生懸命やってきた優等生が作りそうなデザイン、という感じ。

それとあのデザインが良いかというのは別の話だ。学生の宿題ならよくできましたレベルだけど、オリンピックのロゴとしては私は躍動感がなくあまりに退屈だと思う。デザインの評価は好みの問題だが、私が選定者なら選ばない。色使いも甚だ疑問。縦の棒が黒いのは「すべての色が交わるとあらわれる黒を使うことで融和を」、みたいなことがコンセプトで語られてたけど、黒という色にそんなイメージ持つ人は一人もいない。

一方でサントリーのトートバックはどうしようもない。メディアはトレースと言っているけど、あれはフォトショップでコピーペーストしただけで、トレースほどの手間もかかっていない。
彼はアートディレクターであり素材さがしや実際のデザインはスタッフがやっているということは理解するが、彼が社長をしている会社が受け、かつ「佐野研二郎デザイン」と銘打って出したのだから、100%責任がある。それは謝罪してるわけだが、あまりにスタッフの教育ができていないということだろう。

コスタリカの博物館の件は偶然だと思う。ああしたメシベのような六角のデザインはよくあるし、だれが作ってもバランス的にもあの辺に落ち着く。太田市の図書館だかの直線と丸の造形について米国のデザイナーが訴えるとか言ってるらしいが、これは便乗だろう。細い直線と丸のデザインなんていくらでもある。

ということで、いったん問題が発覚すると徹底的にあら捜しされちゃうし、便乗で騒ぐ人も出てくる。探せば多かれ少なかれパクリやコピペなんて誰でもやってると思うんだよね。
妙な義憤にかられて大騒ぎする連中は昔からいるわけだが、それがインターネットのおかげで最前線に出てきてしまっている、という感じ。
正直、オリンピックのロゴは全くいいとは思わないが、ちょっとかわいそうな気もする。

あと、あのボランティアの制服。あれは絶対に許せない。スタジアムとロゴとあの制服デザインを見ると、すべてまったく違う方向を向いていて、しかもどれもよくない。どういう方法で選定しているのか知らないけど、総合ディレクターが必要なのではないか。