ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

FBのプロフ写真をトリコロールにすること

2015年11月17日 | 雑記
パリのテロ直後から、FBのプロフ写真にフランス三色旗を重ねる人がたくさん現れておどろいた。FBの設定で簡単にできるようになっていた、ということは後で知ったが、私はしようとは思わない。
私のFBのプロフ写真をそうしたからと言って世の中は何も変わらない。犠牲者への哀悼とか反テロなんてほとんど共通認識だからわざわざ表明して世論を喚起するという意味もない。まあ、これは自己満足の世界であって、そもそもFB自体がそういうものだから仕方がない。
もちろんそれをされる方を批判するつもりは全くない。個人の自由だし、自分の気持ちをそうやって表明したいということは決して悪いことではない。単なる好みの問題だと思う。

しかし、直後にはそれを批判する人が出てきた。
批判のポイントは、「テロでの犠牲者はパリだけではない」ということのようだ。
まあそれももっともなのだが、さらに、フランス側へ「安全と平和を願う」という論理が欧米側に立った主張だ、と言っているところにちょっと引っかかる。多分、三色旗を掲げた人は西欧側に立っている意識はないだろう。しかし、多分その筆者の言いたいことなのかもしれないが、イスラム世界でテロの脅威にさらさせている人々からはそう見えるかもしれない。

そもそもこれは西欧対イスラムではない。全人類対テロリストの戦いなのだ。

確かに、イスラム世界内でのテロ行為、(この被害者のほうが圧倒的に多い)に対して西欧社会でこうした大がかりな哀悼行為がされたことはない。しかしそれは個人のせいではなく、メディアの扱いが違うからだろう。
おそらくロシアの航空機墜落についてテロ認定が近々なされる。パリ以上の数の市民がなくなっている。これについても改めてメディアはパリ並みの報道をし、FBはロシア国旗を掲げるだろうか?
もっと極論をすれば、中国における新疆ウイグル過激派によるテロに対する報道からは、犠牲者に対する哀悼は感じられない。むしろそうした報道では中国の同地区への圧政がセットで話題に上る。

しかし、テロの犠牲になる市民の立場でいえば大義なんて全く関係ない。

テロは憎むべき犯罪だ。多分、みなそれには同意するだろう。でもその陰に大義がある(とその人が感じる)テロに関しては明らかに態度が違う人々がいるということには残念だ。
日本の左派には、アメリカによる中東戦争がすべての元凶と主張し、はっきりと言わないまでもISに対してシンパシーのあるような言い方をする者もいる。

テロに大義はない。目的は手段を浄化しないということを本気で考えたい。