ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

有機ELは車載ディスプレイに向くのではないか

2018年01月30日 | モバイル・ウエアラブル
iPhoneXが想定より売れてないらしい。価格が高すぎるというのがもっとも一般的な分析のようだが、商品に本当に魅力があれば高くても売れる。それこそがApple製品だったはずで、やはりアンドロイドのハイエンド機と比べて圧倒的な商品力がないこと、デザイン的にAppleらしい強烈なインパクトがないことが原因だろう。
そんな中、iPhoneXはディスプレイに有機ELを採用したがそれが消費者に評価されなかった、という論調の記事を見たが、それは違うと思う。
そもそも一般ユーザーは液晶と有機ELの違いをよく分かっていないし、iPhoneXのディスプレイにしても有機ELだからこそ実現できたというようなデザインにはなっていない。

前述の記事は、「消費者は有機ELに付加価値を認めていない、よって液晶はまだまだ商機がある」というような結論になっていたが、本当にそうなのだろうか?

有機ELの特徴は画質(特に黒の表現)、視野角、薄くできる、ディスプレイを曲げることができる、省電力といったところだ。
画質のよさを売り物にした家庭用TVも登場しているが、かなり価格が高くこれはまだ趣味的なものだろう。
私は家庭用テレビの画質は2Kで十分だと思っている。TVは離れてみるものなので人間の目の性能が追い付かない。

視野角や省電力といったメリットも、液晶に対してさして大きなアドバンテージではないだろう。

私はポイントは造形の自由度だと思う。

iPhoneXにしてもGalaxyエッジのような(あれが実際良いかどうかは別として)有機ELならではの驚きのあるデザインにしていれば結果は違ったと思う。

そこで私が有機ELの可能性を感じるのが、車載ディスプレイだ。

センターディスプレイに大型17インチ液晶を採用したのはテスラが最初だと思う。これを見た時には正直違和感しかなかった。デザイン的に完全に破綻している。
最近ではプリウスのPHVが縦長大型液晶を搭載している。周辺パネルのデザインを工夫してはいるものの、これもやはり違和感がある。
現代の車のインテリアは微妙な三次曲面でデザインされていて、その中に巨大な平板をレイアウトすること自体デザイン的に無理なのだ。

しかし、有機ELなら違和感のないデザインが可能になる。
多分カーメーカーのデザイナーもそれは十分わかっていて、コストや耐久性などの問題がクリアできていないのだろう。

私はいずれ車載ディスプレイは車両デザインに調和する有機ELになると思うし、場合によってはこれが最大の需要先になるかもしれない。