ITSを疑う

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出国税(国際観光旅客税)で思うこと

2018年12月11日 | 雑記
来年の1月7日から通称「出国税」、正式名「国際観光旅客税」の徴収が始まる。日本出国時に一人1000円。2歳未満の赤ちゃんと24時間以内のトランジット客以外はすべて該当する。
来日観光客に対する観光基盤の拡充・強化を図るのが目的ということだが、日本人も納税しなくてはならない。これは国籍によって課税差別をしてはならないという租税条約によるもので、仕方がない。

納税方法は空港使用料と同じで航空チケット代金に上乗せされる。近距離格安チケットでも3万円程度はするし、時期による振れ幅が大きいので1000円増加はほとんど気が付かないレベルだろう。
(余談だが、ある旅行系WEBサイトでアンケート調査をしたら、13%の人が出国税により旅行をやめる、減らすと回答している。1000円負担が増えたからやめる人って本当にいるのだろうか?)

航空チケットに巻き込む方式は支払っている実感がないので徴税感がなく、また外国人観光客からは文句の出ようもなく、さらに他国(オーストラリア等)が導入済みという言い訳もできるため、国的には「非常に取りやすい」税金だと言える。
そうはいっても実際にその税金が来日観光客の利便を向上し、日本の観光資源をより魅力的にするために使われるなら、それは良しとしよう。

では、その具体的な使途はどうなっているのか?

財務省HPからの抜粋では
「基本方針では、(1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、(2)我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、(3)地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上、の3分野に税収を充当することとされました。」
と書かれている。
これ以上の具体的な記載はないが、tabizineによれば「具体的には、Wi-Fi環境の改善や多言語表記、海外に向けた宣伝活動、空港整備など」だそうだ。

このtabizineの記載が事実かどうかはわからないが、こんなことだけに使われるのなら出国税はやめたほうが良い。

1.フリーwifiって、そんなに便利なものか? その場所その場所でいちいち設定しなくてはならず、場合によっては登録やらパスワードやらあり面倒くさい。どこでもつながる通信SIMのほうが圧倒的に便利。日本には基本的にSIMフリー携帯がないため日本人にはピンとこないのかもしれないが、海外からの観光客の多くは日本対応の通信SIMを刺したり格安ローミングで自分のスマホを使っているのでフリーwifiはいまさら、という気がする。むしろトラベルSIMを空港など入国時やコンビニなどで気軽に購入できるようにするべきだと思う。

2.多言語表記は本当にいるのか?ピクトサイン、日本漢字、英語(ローマ字)だけでほとんど事足りるのではないか?カタカナと畑等、特殊な日本独特の漢字以外は中華圏旅行者は理解できる。
当ブログ関係記事「観光客向けハングル、中国語表記について考える
誰でもわかるトイレのピクトサインの下に日本語、簡体、繁体、ハングル、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の表示をつける、といかいうお馬鹿なことに無駄使いされたらかなわない。
むしろ、上記ブログでも指摘している通り、本当に外国語表記がないとわからないものについて補足記載をするべきだろう。これは自身が日本語読めない旅行者になったつもりで総点検してほしい。

3.海外に向けた宣伝活動っていうけど、「この商品の良さを知らない人にもっと宣伝しようと思います。ついては購入いただいてる皆さんにその費用を負担してもらいます」といって納得する消費者はいないだろう。実際に企業はそうして広告費を捻出しているわけだけど、それは表立っていうことではない。

4.空港整備って、じゃあいま徴収している空港使用料は何に使っているのか?

以上のように簡単に疑問符がつくことばかり。この税金、結局のところ実効ある使われ方がされないのではないかと非常に危惧する。
私が思うには、主要観光地には公的、かつサービス内容を国が規定した「ビジターセンター」を設置し少なくとも英語ができる係員を配置する、等の施策が良いのではないかと思う。



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