ITSを疑う

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観光者向けハングル、中国語表記について考える

2018年07月16日 | 雑記
駅名などの表示を日、英、中、韓にしている交通機関などが増えてきている。
これについて、ツイッターなどで全く不要であるとする意見が提起されているが、ほとんどは嫌韓嫌中クラスタによる感情的なものに見える。
ここではそうした感情論を抜きに実際的に考えてみたい。

まず考慮するべきは、訪日観光客の半数は中国、台湾、香港の中華圏、25%は韓国であり、中韓で75%を占めているという事実。(3017年:ソース日本政府観光局)
なので、中韓に配慮するのは至極当たり前のことだ。
75%の人たちに利便を提供することは、インバウンドを取り込みたいのなら当然行われるべきであろう。

しかし、ならば全ての表示を4ヶ国語(もしくは簡体、繁体を分けて5カ国語)で表示するべきかというと、それは別の話だと思っている。

特に駅名表示は私は日本語と英語(ローマ字)だけでいいと思う。表示が煩雑になり見にくいというのもあるが、実際にあまり意味がないからだ。
その理由は、中華圏からくる観光客は当たり前のことだが、漢字が読めるということ。中華圏の人にとって日本漢字はほとんど読めるし、例外的に読めない字があっても駅名全体では理解できる。
また、韓国語は表音文字だからハングルがなくともローマ字があれば瞬間的にはわからないかもしれないが理解可能。また漢字も結構知っているから、漢字駅名もそのままハングル読みで認識する人も多い。
例を上げれば、品川は中華圏訪日観光客は「品川」(PinChuan)で覚える。「Shinagawa」表示は理解できないが、当然「品川」でまったく問題ない。韓国訪日観光客は「시나가와」(Sinagawa)で覚えるからローマ字で問題ない。
実際にまったくよめなくて問題となるのは全部カタカナの駅名だけ。これは英語がローマ字ではなく英語になるので全く読めない人も出てくるからそこだけ補足してあげればいい。

逆に筆者がソウルを旅行したときは漢字表記が非常に助かった。(ソウルの地下鉄は英、日、中表示)ハングルとローマ字ではほとんど理解できないが、漢字表示が出るとすぐわかる。

駅名表示以外はどうなのだろうか?
まずは中華圏。入口、出口など日中共通の言葉に二重表示は要らない。ともすると律儀に日本語、中国語簡体、中国語繁体ということで出口、出口、出口と微妙に違うフォントで書かれているケースがあるがこれは笑ってしまう。
(余談だが、簡体、繁体表示は気をつけたほうがいい。台湾、香港からの訪日客は中国大陸からの訪日客と思われることを好まないし、簡体字表示しかないとへそを曲げることがある。どちらか一つを選択するのであれば、大陸客も読める繁体字にするべきだ)
また、改札口、洗面所、自動販売機等など日中で言葉が違う場合でもほぼ想像できるし、一旦認識すれば次からは覚えることができるのであまり必要ない。切符、精算等まるで意味が通じない言葉は補足がいるかもしれない。カタカナは全くだめ。地下鉄を地鉄と表示する必要はないが、バスはわからないから公共汽車や巴士の表示は必要。
韓国に関してはハングル表示が親切だと思うが、英語と漢字でほぼ理解できるのではないか。これは実際に調査してみればいいと思う。

むしろ感じるのは、本当に説明がないとわからない表示に外国語表示がない、ということ。例えば新宿駅の自動販売機では1600円くらいまでの切符しか買えないが、それに関する多国語表示はなく新宿駅の自動販売機の地図で甲府が見つからず途方に暮れる、ということになる。

本当に訪日外国人にとって何が必要なのかをきちんと考えたほうがいい。


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