ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

SNSと陰謀論

2021年09月05日 | インチキ・疑似科学

陰謀論ってのははしかみたいなもんで、大体中学生のころにかかり大人になると治る。
この図式が過去から連綿と続いていることはムーという雑誌が時代を超えて生き残っていることからもよくわかる。

でも、SNSの登場でちょっと様相が変わってきているように思う。

一つには、はしかが治りにくくなっているということ。
ムーを欠かさず購入していた人でも、愛好者の集会に参加するまではなかなかいかなかっただろう。
でもSNSでは簡単に仲間と繋がることができる。極端論を展開するとフォロアーが千単位で集まる。
いったんそのレベルのフォロアーがついてしまうと、仮に目が覚めても「はしかだったね」と表明することはとても難しい。
フォロワーが減ってしまう、フォロワーを裏切る、ということもあるし、仲間から罵詈雑言を浴びる可能性も高い。

最近よく見るのは、反ワクチン、反自粛勢力の人がコロナ感染してしまったケースに対する反応。
ワクチンを打たなかった千葉真一氏や、反自粛反ワクチンを明言されていた落語家の三遊亭多歌介氏のコロナ死に対する反ワクチン勢力の発言がきわめて微妙であることからも見て取れる。
何も言わずにそっと去っていったひとも多いとは思うが(そうであってほしい)。

ある方は感染して味覚障害が残ったが、本垢では「辛い物が食べられるようになった」「やっぱりただの風邪」と書いているが、わざわざ裏垢を作って正直な気持ちを書いている。

コロナは自分や近親者が感染することで目覚めることができるが、厄介なのは極右、極左的陰謀論にはまってしまった場合だ。
自分や近親者の感染という絶対的に揺るがない事実がなく、都合が悪い事柄に対しては「隠ぺい」「マスコミ操作」的な反証がいくらでもできる。
絶対的な事実である三遊亭多歌介氏に関してすら、死因に関する陰謀論がでている。

 

もう一つは、中年になってはしかにかかってしまうケースが増えていること。
とくにネットに触れていなかった人が急に始めると、リンクをたどると「真実」が次々に出てきて「目が覚めて」しまう。
いうまでもなくそうしたサイトやSNS投稿のリンクはそうした陰謀論にしかつながっていないから当たり前のことなのだが。
SNSのなかった時代にも口コミでの伝播はあったが、その情報量やスピードはけた違いだ。

およそ陰謀論は「大企業や特権階級が自らの利益のためマスコミや政治家を囲い込み、庶民(特に子供)の命を犠牲にして儲けている」というストーリーが骨子になっている。
そして、その「教祖」的な人は間違いなくたくさん本を書いていて、有料メルマガとか有料セミナーとか会員制サロンを主催している。

彼らこそ、自らの利益のためにやっているということが「真実」に「目覚めてしまった」人たちにはみえないようだ。


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