たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

狐の嫁入り

2013年10月10日 | 日記

「今日はやけに蒸すなぁ」

山仕事を終え家路を急いでいた男は首に巻いた手拭いを手に取り額に滲む汗を拭いた

と、その時 林の中でカサカサカサカサカサカサ・・・・・

「はて、風も無いのに不思議なことよ」と林に目をやると

薄ボンヤリと灯りの様なものが一つ二つ・・・

「こんな時刻に、もしや道迷いした旅人だんべか」

男が声を掛けようとしたそのとき灯りはフッと消えてしまった

気のせいだったかと思い再び林道を歩きだすとカサカサカサカサカサカサ・・・・・

「いや待てよ、熊ではあるまいな」

背筋に寒気を感じながらも男は勇気を出し振り向いた

「あ・あ・あかりが10個に増えている、一体こ・これは何なんだ」

目を凝らしジッと見つめると行列の中ほどに白無垢の花嫁衣装に身を固めた狐が静々と歩いているではないか


男は子供の頃、祖母に聞いた「狐の嫁入り」の話を思い出すと

急に背筋がゾクゾクしてくるのを感じ担いでいた斧を落としてしまった

その時だ

一斉に光る目が男に向いた

ヒャー」

男は落とした斧も拾わず足元も覚束なくなった道を一目散に駈け出した

翌朝、東の空が白むのを待ちわびて斧を拾いに行くと

斧は無くその後に花嫁の髪かんざしがポツンと落ちていたんだとさ

お粗末

と言う事で今年も箕輪の山里に狐が嫁入りした

昨年に引き続き今年も遠路、四国からマイミクの旅人さんご夫妻がはるばる狐の嫁入りを見にやってきて下さった

先ずはコーヒーで喉を潤し11時から始まる「子供狐の嫁入り行列」の見物だ


















今年は馬鹿にカメラマンが多いと思っていたらバス3台120人余り

東京方面からツアーを組んでやって来たのだとか

箕輪の狐の嫁入りもイヨイヨ全国区になってきたんですね

行列の中には知り合いも多くカメラを向けると「コン」とポーズを取ってくれる方も








おや?この可愛子ちゃん、確か昨年もモデルになってくれたのよね


持参の昼食と名物の焼き饅頭を広場で食べたら夕方の嫁入りまで一端、家に戻る事にしましょう

一年振りの再開だ

で喉を潤しながら話は尽きない

アッと言う間に夜の部になってしまった

再び会場に行きその時を待ちます

アッ、川の対岸にキツネが勢揃いしましたよ


そして辺りが薄暮に包まれるころ提灯に灯をともした行列が動き出した










いよいよ第3部

(嫁入りを祝っての狐の舞や長野氏と武田軍の戦闘シーン、いがみ合う家老同士の息子と娘の恋物語等)

『欲を言えば数年前の八坂神社から出発した時の様に花嫁衣装は留袖の方が情緒が有った気がするし

狐の舞の際の後ろの出演者勢揃いは写真にした時に迫力が半減してしまうので単独で踊って欲しかったな』















最後は恒例の油揚げの振舞い

楽しい一日は過ぎるのが早い

旅人さんがお土産に持ってきて下さった地酒の美味しかった事

今度お会い出来るのは何時になるだろうか?


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