たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(続)日光・太郎山

2021年02月23日 | 心に残る思い出の山

続き

 

岩稜帯を越える

小太郎山を振り返る、右に日光白根山が見えていた

岩稜帯を抜け下り気味に樹林帯に入る途中、右手下方にグランド状の旧火口が見えた。良く見ると鹿の足跡が縦横に走る中、円形の輪が幾つも見られたがあれは一体何なのか。

山頂直下で私達が出発する少し前に入山したご夫婦が早くも下って来た。「帰りはガレ場を下るのですか?」と聞くと「怖くて怖くてとても下る気にはなれないので山王峠に下ります。山頂にはあのコースを登って来た人がたくさん居て皆、帰りのコースをどうしようか悩んでいました」と言っていた。 私達も帰るルートを真剣に考えなくてはいけないかもしれない。

 

山頂は志津峠からの登山者と合わせて結構な人数だった。皆、程良い場所を選んで眼前の広大な景観に見入っている。私達が選んだ場所は3面が岩に囲まれた砂の上で男体山方面の眺めが素晴らしい。何故ここが空いていたのだろうと思うほど絶好の休憩地だった。

例の如く雄さんはビール、私はウメチビで乾杯。男体山に登った時、湧き上がるガスを通して正面に見えた太郎山、今その頂にいる・・・何だか嬉しくて嬉しくて仕方が無かった。

南体山と中禅寺湖

左から帝釈天、女峰山、小真名子山、大真名子山

男体山の息子、太郎さんは中々男前、孫の小太郎さんも筋がいい。娘の女峰さんが気になるところだ。何れお目に掛かる事にして今日は太郎さんと仲良く遊んで行く事にしよう・・・なんて戯言を言いながら熱い程の日差しと心地よい風を受けている内、何時の間にかウトウトしてしまった。40分ほど寝ていただろうか。お尻から発する音で目が覚めた。周りの人はまさか私が発したとは思いはしないだろう(^_-)-☆

ムシカリ

意外な展開で山王帽子山を登ることになってしまったが一山、加わるとなればそれも嬉しい事だ。シャクナゲ咲く分岐に戻り急坂を下ると初めは両側にシャクナゲが見事だったが、それは初めの内だけで次第に笹が目立つようになった。

明るく開けた笹原まで勿体ないほど下っていよいよ登りにかかる。見た目には穏やかそうな笹の斜面だが笹が煩く纏いつき歩きずらい上に傾斜がきつい。私達の前には年配の登山者が7名、皆 顔に余裕が無い。

35分間の悪戦苦闘の末、フッと出た所が山頂。山名板が有るだけで腰を落ち着ける場所も無く立ったまま小太郎と太郎を眺め山王峠に向かった。相変わらず笹の煩い下りだったがダケカンバやカラマツの緑が美しい明るい道だった。しかし幾ら環境が良くても30分の急坂の下りは嫌気がさす。山王林道を通るオートバイの勢い良い音が虚しく聞こえる下りだった。

山王峠には登山者の車がたくさん停まっていた。私達はこれから道程も読めないまま車まで戻らなければならない。疲れた身にアスファルトの林道歩きは苦痛だった。道の両側に咲く白とピンクのズミが、どんなに気分の低下を救ってくれた事か。

小太郎山が望める山王林道

山王帽子で一緒だった登山者が車で通り過ぎて行く。羨ましいが仕方がない。九十九折りの道をショートカットしながら結局1時間かかっての到着だった。サンダルに履き替やっと人心地がついたが登山よりも、むしろこの歩きでかなり足がガクガクしてしまった。

明日はNさん、Tさんと三人で八ヶ岳の茶臼が約束して有る。大丈夫なのだろうか、心配になってきた。

身体の疲れは湯元温泉の温泉寺で流す事になった。3人で満員と言う浴室は滑り込みセーフで入れたが洗い場の湯は殆ど水。それでも我慢で髪を洗った。だが白濁した湯が溢れる浴槽に体を沈めていると今日の疲れが全部とれそうな気持ち良い温泉だった。効能をみると胃腸病や神経痛等々。 3月神経の炎症で(頸椎症)苦しんだ私は何時もよりゆっくり湯に浸かった。まさに極楽極楽だった。

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日光・太郎山(2328m) ハガタテ薙を通る裏ルート

2021年02月22日 | 心に残る思い出の山

H11・6月

 

 

今年は空梅雨なのか連日真夏日が続いている。今日も気温の高い一日になりそうだ。戦場ヶ原に差し掛かると丁度ズミの開花期で、その量の多さたるや半端じゃない。

入山口を探していた雄さんが「入山禁止だそうだ」と言って戻ってきた。   1台、車が停まっているところを見ると警告を無視した様だ。朝食をとっていると夫婦連れも入山者カードを見たりしながら暫く躊躇っていたがロープを潜って入山して行った。身支度をし私達も6時45分出発

矢島市郎氏の句碑「白樺は月が夜来てさらすらし」

初めはカラマツ林の中、宙を舞うシロバンバやズミの花を愛でながらの緩やかな登りだった。やがて荒れた沢を紅いペンキ印に導かれて進んで行くと、いよいよ危険地帯ハガタテ薙のガレ場となる。

左斜面を見上げると、辛うじて落石を免れたが落ちるのも時間の問題と思える大石が幾つか目に留まり鳥肌が立ち緊張が走る。私達はV字谷をなるべく右寄りに沿って歩いた。それが終わると今度は砂礫の混じった斜面。これも崩落の置き土産なのだろう。

振り返ると登って来た谷が遥か下方に沈み戦場ヶ原の広がりのその上に日光白根山が覗いている。

実は今日、青ちゃんに丸山スキー場から日光白根山へ行くルートが開設されたので行かないかと誘いを受けていたのだが、あまり気乗りせず返事もしないまま今日、太郎山に来てしまったのだ。彼らは今どの辺りを歩いているのだろう。今、私達は踏ん張りのきかないザレた傾斜地と格闘中でーす。

下を見ると谷底はかなり下方に沈んだが上を眺めても稜線は姿を見せず体力的にも少しずつ余裕がなくなってきている。帰りに辿る山王帽子山の斜面には白骨の様なコメツガの樹木が飄々と侘しい。 “一歩一歩、足を前に出していればその内、着くさ”

シャクナゲが咲いてる!」思わず声を張り上げた。まるで「お疲れ様!」と言っている様に・・・そこは太郎山と山王帽子山の分岐点だった。分岐を右に取り先ずは小太郎山を目指す。見事な巨木が立ち並ぶ静寂な風景が広がる中、ミヤマカタバミの白い五弁が浮き立っていた。

背後に人の声がする。雄さんがあまり派手で無い山桜にカメラを向けていると、それから間もなくして60歳は越えていると見える男性が一人、追いつき入山ルートを聞かれたので応えると「いけない人!」と優しく言って通り過ぎた。きっと山王帽子山を経てやって来たのだろう。・・・独り言を言いながら登って来た小父さんこそ変な人(笑)

分岐から45分、体力を駆使して樹林帯を抜けると広角の展望が広がる小太郎山に着いた。先ず目を奪われたのは、やはり大きく動じない男体山だ。一度登った山なので親しみを持って眺められる。

     ↑(男体山、その奥に中禅寺湖

その右下に目を凝らすと鉛色の中禅寺湖も確認できる。一息入れ改めて遮るもののない展望に目を凝らすと一つ一つ同定してみると、その中には百名山が5山。展望のみならず標高2328mのこの山が300名山の一つと言う事はちょっと寂しい。私だったら絶対、太郎山を百名山に加えたい。

うっかり見逃すところだったが峰の脇に咲くミヤマキンバイの美しさに近づいてみると陽光いっぱいの南側斜面はミヤマキンバイは勿論、タテヤマリンドウコイワカガミが、それこそあっちにこっちに。 ついつい興奮してしまった私はカメラを持って斜面をウロウロ。

気が付くと25分も時間がたってしまっていた。大展望と花を満喫した私達は大満足でザックを背負い太郎山へと歩をすすめた。(左奥に座っている人が先ほどの変な小父さん)  続きます(コメント欄はお休み)

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ヒドリガモの舞い

2021年02月21日 | 野鳥や動物

緞帳が上がって颯爽と現れしヒドリガモ

オットットット

すかさずやって来た黒子に支えられて事なきを かった~

優雅に舞って

決めのポーズ 

(ヒドリガモで良かったかな???)

本日はコメント欄を閉じます

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(続)雲門寺の花巡り

2021年02月20日 | 

続き

 

訪れたのが金曜日、と言う事は・・・・逡巡しておりますと庭に出ていた奥様が「折角お出でになられたのですから」と何とお優しい、結界を解いて下さったのです。

目の前には福寿草が咲き乱れ、お判りでしょうか!その奥に白い小花の節分草が群生しております。

 

 

金杯の様に輝いてますねぇ

福寿草ですが増やすには株分けしか無さそうで、それを怠ると小さくなってその内、消えてしまうのだそうです。株分けは9~10月との事なので忘れない様にしないといけません。

    

 

今回の目的の花節分草です。5~10㎝ほどの極々小さな花ですが「微笑み」と言う花言葉が示す様に覗きこむと思わず笑みがこぼれてしまう愛らしい春告げ花でした。

 

「芽が出て花が咲くまで6年、この一角(2枚目の写真参照)だけでも30年かかりました」と仰っておりましたから気の長い話ですね。

しかし、この愛らしさ 節分のころ咲くから節分草と言うよりも花がお雛様そのものですよね~

 

「茶席を飾る花として用いられるのがこのあけぼの椿なのですよ」と言って奥様が手折って下さった曙椿(ピンク)と侘助(赤)です。家に戻ってから調べてみますと結び柳に曙椿の蕾を生けるのが初釜での習わしとの事。逆に侘助は花が開いた物を使う様です。

椿はさっそく仏壇に供えましたが今、曙の方は8分ほど花が開き侘助も僅かに開き始めました。

風情のある石塀

ここも寺の一角ですが出口に近い場所に広大な石庭が有りました。結界があり今日のところは中を歩く事は出来ませんでしたが、妙義の白雲山が覗く、ゆったりと時が過ごせそうな広場でした。

4月になると色んな花が咲き6月には紫陽花も咲くらしい。その頃また訪れたいと思います。

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松井田・雲門寺にて花巡り

2021年02月19日 | 

 

動物くらいしか住んでいない山の中を走る北陸新幹線に造られた安中榛名駅は、当時「もののけ駅」と言われ世に知れ渡ったものです。それなりに団地が造られはしたものの安中、松井田の街には遠く未だコンビニさえ無い、ひっそりとした「もののけ」そのものと言った感じです。その駅の南の斜面を紅梅が飾っておりました。

 

 

 

曹洞宗・雲門寺山門前の駐車場にマンサクと蝋梅が咲いておりました

鐘楼門

 

手入れの行き届いた庭に踏み入りますと足元でいきなりケタタマシイ鳥の鳴き声、これは猪や猿除けの為だそうで近くを通るとセンサーが働き飛び上がる様な鳴き声を発する仕組みになっていました。

奥様の説明によりますと創建は1597年との事

綺麗に手入れされた白梅です。火灯窓にマッチして何とも言えない風情です。今日、此処を訪れたのはセツブンソウの観賞の為です。この花は次回に回しますのでコメント欄はお休みに致しました。

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