今日はこれを見てきました。
映画『沈黙-サイレンス-』本予告
原作は遠藤周作、監督がマーティン・スコセッシ。
原作は未読です。
聞きかじった話だと、江戸時代のキリシタン弾圧の話で、スコセッシが監督・・・
こりゃ、熱心なカソリックらしいスコセッシが作るんだから、きっと弾圧されても信仰を捨てない教徒たちの信念を描くんだろう?と、勝手に思ってたらそんなに単純な話ではなかったよ。
重いし、残酷なシーンはあるんだけど、とてもすごい映画だったよ!
なんつうか、この時代からクール・ジャパン!!!って感じの映画(苦笑)
今の時代に相応しい映画になってました、特に欧米人に対しての。
ムスリムに対する差別、とかが多くなってる欧米社会に対する意思表示とも取れるかもな?って思ったりして。
海外の人が、日本人の宗教観をとても興味深く思うっていうのは、日本人って正月神社に行って=神道、お葬式はお寺=仏教、でキリスト教徒でもないのに教会で結婚式を挙げたがり、クリスマスやハロウィンやイースターとか本来は宗教的な意味の強い事柄を単に「楽しいイベント」としてすぐ取り入れる、節操無いって言えばそうだけど、ひっくり返せばこだわりなく、実は結構宗教的なことも日常に普通に取り入れて楽しんでしまう、というまさしく全ての他を飲み込む「沼地」それが、クールジャパンなのだっ!!!って感じ。
そして、日本人の道徳心が高いって向こうの人は感じるらしいけど、それは特定の神や宗教を信じるのではなく、日常の全てに神を感じる、というか神というよりも他を思いやって行動するその姿に宗教的なことを感じるらしいんですが、この映画もそういう面があったねぇ。
世界中のそれぞれの国にそれぞれの文化があり、生活があり、なんだけど、日本ってなんか「特殊」らしいんだけどその一端がそーいう面であり、そーいうところに惹かれる外国人も多いのかもねぇ、と改めて思ったりして。
しかし、すげーな日本人!
私よりっていうのはもちろんだけど、多分今の一般日本人よりも英語ペラペラだ(爆)
いや、英語じゃなくて本当はポルトガル語なんだろうけどね、設定的には。
さらに、荒れ果てた村にたどり着いた主人公が目にしたそこは・・・
まるで愛媛の青島=猫島状態であったっ!!!!!
もふもふ状態で、これぞまさしくクールジャパンっ!!!
シリアスなシーンなのに大笑いこらえるのが必死な私であった^_^;;
いや、普通ネコって人がいないところにはいつかないから、人気の消えた廃村にあんなに大量にいないって^_^;
野良犬というか野犬が少し、っていう方がリアルな感じだけど、そこはクールジャパン!!
っていうか、スコセッシ狙ってるのかっ!?って思いました~っ。
キリスト教は、まぁ実際布教していた人々はともかく、それを援助しているスポンサーたちはキリスト教徒以外は蛮民で、彼らをキリスト教に改修させるのが神の道であり、それで蛮民が人になる、っていう上から目線だったし、さらにどっちかといえば宗教よりもそれでその国への足がかりを作って貿易とかで美味い汁を吸おうっていう魂胆が大きかったので、当時の日本のお偉いさんたちの姿勢も判る。
遠藤周作が書いてるだけあって、単に「悪代官」になってないところが良かったですね~。
遠藤周作原作、日本人俳優も沢山出演してるし、アカデミー賞監督作品、のわりにはあまり人気無い感じのこの作品でございますが、拷問とか死刑シーンに引いちゃうかもしれんが、それだけじゃないから今のうちに見ておくべき映画であると思います。
まさしく、今の世界情勢下で見るべき1本だったかな?という気がしました~。