高野連会長の脇村君には就任直後にその旨を書いた手紙を直接渡して驚かせた。
排斥する理由は簡単である。あのトーナメント形式では「あのレヴェルで勝つための技巧・小技を教え込むことが優先され、大学からプロへと進んで大成するような基礎体力をつけて、基本技を徹底的に教え込むことが等閑にされる嫌いがあるから」である。しかも、そこに郷党の誉れや母校の名誉(未だ卒業していないのに何で母校かマスコミ諸君!?)がかかってくるので、それのみが目的になってしまう。甲子園で優勝した投手はそれだけで燃焼し尽くしてしまう。
松坂がいるではないかという向きもあるだろうが、私に言わせれば彼が完成品か?彼は粗雑な未完成品の状態である。発展途上国である。これから伸びる余地を残している珍しい例である。
サッカーでも同じことで、テレビ局ご贔屓の国見や帝京高校から何人バリバリのA代表のメンバーが出ているか?皆小さく纏まっている憾みがある。
国内でのトーナメントでの成功と、マスコミ好みの「世界での活躍」と何れを採るのか?マスコミ自体がよく解っていないようだ。小成に甘んじるのか、世界での活躍か、どちらを採るかを決めるのは当人であるべきだ。それを高校の指導者が恣意的に決めて良いのか?
それに、甲子園野球は戦後の物がなかった時代の国民的意識向上のための娯楽であり、全国に4千を超える高校が高野連に加盟している現代に、勝ち抜き試合は将来ある素材を浪費している結果となる。
別にアメリカを礼賛しないが、全国大会などはない。精々州単位だ。
それ以外の罪悪(は言い過ぎか?)は解説者とアナウンサーが妙な和製英語で中継放送をすることにある。英語では"fast ball"なのに「ストレート」、「小さい振り幅で打つ」と言えばよいのに「コンパクトなスイング」などと訳が解らないことを言う。"compact"の何処にそんな意味があるか?英和辞典を見たことがないのか?
他にも野球用語には傑作が多い。「ネクスト・バッターズ・サークル」などは笑う以外にない。メジャー・リーグ、"Major League"をどうやったら「メジャー・リーグ」と読めるのか?
"measure"なら「メジャー」だが、あれは「メージャー」だろうよ。MLBの中継を副音声で聞いて見ろ。彼らは精々"Ichiro is on the deck."くらいしか言わないだろう。
でも良いか、あの野球用語は最早日本語になってしまったのだから。松井秀喜が渡米する前に、こういう用語を解説した本を何冊か贈った人がいたと聞いた。野球界にも自覚症状があるようだ。