小池都知事の批判派は言う:
本18日のテレ朝のテレビタックルで豊洲市場の移転の問題を採り上げていた。多くの論客たちは言外に小池都知事の延期の決断を非難はしていたようだったが、直接的には語っていなかったのが面白かった。この件では、私は既に有本香さんの近作“「小池劇場」が日本を滅ぼす”を採り上げてあったのだが、ここではあらためて小池都政をビジネスの視点から批判しておこう。
小池都知事が一向に豊洲か築地かを決めて見せないのは都議会議員選挙向けの対策であるとの批判的な声が高いし、更に決められない都政という非難の声も上がっている。それはそれで尤もだと思う。だが、私は飽くまでもビジネスマンだった経験から「6,000億円の巨額な資金の固定化、既に豊洲に投資してしまった業者への補償、完成している豊洲の管理費」等々の費用の発生させている神経は理解不能だ。
そこに生じている多額な金利負担その他の経費の発生を顧みないとしか思えないコスト意識の欠如、というか感覚には恐れ入るだけだ。住民税を負担している都民の一人としては到底許しがたい。しかも、既に50億円だったかの少額の予算を計上して、業者等に補償を開始しているというから、ここまでで来ればビジネスの世界を経験されなかった人に政治をやらせればこうなるという悪い例だと思う。
私は業者に豊洲は危険だということを刷り込んだのは、明らかにマスコミによる地下水の検査の結果の過剰報道による風評被害があると思っている。平田座長とやらが「豊洲の完全無害化は出来ない」といったのは暴言であるかの如くにいうが、完全無害など自然の条件や土を相手に如何にして達成するというのか。既に存在する築地や豊洲以外の多くの都営市場が完全無害なのかという問題もあるのではないのか。
私は「完全無害化論」は余りにも空疎であると思う。この世には何処に行ってもバクテリアは存在するし、乗り物の中で吊り輪に触れたってバクテリアの巣窟だろう。でも気にせずに掴まる人もいれば、忌避する人もいる。無害化熱望派に「あの地下水で魚を洗う訳がない」とどれほど説いて聞かせても無駄だろう。
私の主張は無害化論ではなく、小池都知事のコスト意識の欠如批判であり、本当に「都民ファーストの会」を選挙に勝たせるための決定の引き延ばしであれば、遺憾ながらとても承服できない得手勝手な政策である。私は基本的に速やかに決断して豊洲に移転すべきだと思っている一派だ。先ほどの「テレビタックル」でも有本さんは、桝添前都知事の「安全宣言」を数少ない功績と評価していた。
何処かの国の先が読みにくい大統領のように、前任者の遺産を否定し続けるのもこの辺で打ち止めにして貰いたい。でも、私が何となく小池都知事は豊洲移転を回避する確率が50%だという気がしてならないのは何故だろう。