新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月7日 その2 アメリカの現状を考えると

2017-06-07 15:31:37 | コラム
誰をアメリカの指導者に選べば良いのか:

私の元同僚のトランプ大統領批判は遺憾ながら私のメル友の諸兄には受けなかった。私の理解と認識と、アメリカの友人・知人から聞いている限りでは、トランプ大統領を支持し、今でも断固として支持し続けている「プーアホワイトとそれ以下」というか、それら以外の少数民族(英語ではminoritiesと複数になっている、ヒスパニック、アフリカ系、中国・韓国等のアジア系等々)のトランプ支持率は30数パーセントはあるようだ。底堅いのだ。

その連中が増え続けてアメリカの人口を2億6千万から3億2千万に押し上げたのであり、彼らは如何にトランプ大統領が批判を浴びることがあっても、トランプ支持を続けるだろう。トランプ大統領は明らかにその点を意識しており、彼らに向かって語る時の言葉遣いは、彼らに解りやすいような俗語を多く使い、私が推薦しない知識階級では非難される語法を用いている。これではは知識階級には受けないのは当然だろう。

この辺りには、最早パスポートを一昨年の9月で失効させた健康問題を抱える私が現地に行くことがなくなったので、実感がないのである。だが、問題視されているアメリカの分裂というか二極分化現象の表れであると見える。即ち、二極の下の層に受けるようなことを言わないことには、選挙に勝てなくなったのがアメリカの実態だろうかと思えるのだ。

ではあっても、もしかしてトランプ大統領を支えていたのかも知れないイスラム教徒及び不法移民を閉め出す方向を選んだのがトランプ政権だというのも、私には一寸理解しにくいことのようにも思えるのだ。アメリカの多くの有識者たちは「遅かれ早かれ少数民族が少数ではなくなる」との危機感を示している。その層の支持を得ないことには、大統領になれない日が来るのかも知れないと言えば考え過ぎか。

私にはこれまでに合法・違法を問わずに移民を懐広く受け入れてきたアメリカが、増え過ぎた移民に悩まされると言うか何れは支配されるかも知れないというのは、気の毒に過ぎると思っている。カリフォルニア州にでも言ってご覧なさい、ここはアジアか韓国の一部かと思えるほどアジア人ばかりだ。2010年1月に短い時間散歩したUCLAの構内では遂に白人には会えなかったのだった。

だが、どんなに増えてもアメリカ生まれではないアジア人一世からは大統領は選ばれない。これから先にはどのような英雄が現れてアメリカを再び偉大にするのだろうか。私はトランプ大統領が「再び偉大にしよう」と言ったのは、「現在はそうではないのだ」と認めたことだと既に指摘したが、トランプ様は何時までに「アメリカを再び偉大」に出来るのだろうか。

彼は山積する難問、中には彼自身が招いた案件もあるが、を如何にして速やかに裁いて、世界に新たな秩序とパラダイムをもたらして、大改革をしてくれるのだろうか。トランプ批判派は誰ならば良かったと言うのだろうか。


元の同僚が見るトランプ大統領下のアメリカ

2017-06-07 08:07:27 | コラム
トランプ大統領批判の便りが来た:

今月4日にW社の同僚宛に送っておいた、我が国におけるトランプ大統領の評判に対して下、記のような返信があったので、紹介する次第だ。かなり手厳しいが悲観的とも読める。因みに、彼からは「益々制御不能に陥ったトランプ大統領の日本における評判を聞かせてほしい」と言ってきていた。

>引用開始
私は我が国の大統領を形容する際にとても「高邁な」などという言葉を使えないが、こちらではそれ以外の多くの単語を頻繁の見たり聞いたりさせられているので紹介しおこう。selfish=自分本位、spoiled=増長した、egomaniac=自己中心的な、insensitive=感受性が鈍い、boorish=厚顔無恥な、embarrassing=戸惑わせるような、prejudiced=偏見を持った等々で、未だ続けろと言われればいくらでも続けられる。

我々は大統領がパリ協定からの離脱を表明したことを、何はさておいても憂慮している。この協定は多くの国が懸命に努力して成立させたものであり、我が国の離脱はその努力を無にしてしまうものである。日本ではこのトランプ大統領の決定がどのように受け止められたか知らないが、我が国では圧倒的な科学的根拠を示して、この決定が誤りであるとの声が上がっている。

大統領の弾劾だが、私はロシア関連の問題で彼が弾劾されるまでには至らないと見ている。それは現在の議会において共和党が多数を占めている以上、もし確固たる証拠が挙がっても成り立たないだろうから。私はトランプ大統領の言動では我が国の国際的影響力を恒久的に低下して、ロシアと中国に一層の力を付けてしまうだけだと確信している。

私は更に言えば、トランプ大統領はアメリカ国内の非常に偏った分裂傾向を促進してしまったと見ている。私はこの好ましからぬ状態からは容易に立ち直れないのではと危惧する。何世代を要するかも知れない。私が住むアメリカ合衆国はより一層暗く重苦しい国になっていくような気がしてならない。私はこの国が取り返しが付かないほど悪化してしまうまで生きているとは思えないが、次の世代ではどうなっていることやら。

今後とも、君がトランプ大統領下のアメリカをどのように評価するかを知らせて欲しいので、宜しく頼む。
<引用終わる

と、予期した以上に悲観的だった。彼は確かにアメリカの知識階級の属する人物だし、反トランプのワシントン州の住人ではある。だが、これまでの批判的な調子から悲観的に変わったので、些か衝撃を受けた。

なお、「高邁な」としたのは先に彼に送ったEmailでは「トランプ大統領が世界に新たなパラダイムを導入し世界を改革しようとする云々」と日本語で書いたところを、英文では「こういう高邁な思想をお持ちだ」として「高邁」を”noble”としたので、彼が反発してきたようだった。