新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月6日 その2 「失せやがれ」

2021-05-06 15:27:29 | コラム
“Get the hell out of here!”:

フィリピンの外務大臣が、中国海軍のフィリピンの領海に侵入する行為に対して「失せやがれ」と罵ったと伝えられ、中国の外務省報道官ががそれに対して「礼節を重んじよ」とやり返したとの報道があった。その外相が中国に対して、そうまで言いたい感情に駆られた事は理解出来る気がするほど、中国の行動は何事でも露骨であって、本当に嫌らしくも脅威でもあると思う。

中国の外務省の報道官が何処まで英語のこの種の程度が宜しくない表現に精通しているのか知らないが、私が興味を持ったのは、その「失せやがれ」が英語ではどのような表現になっていたのかだった。即ち、私も承知している事で、ある階層以下では、かなり広く使われている“swearword”入りの表現かと思って検索してみた。だが、私の力では遂に発見出来なかった。

その表現は見出しの“get the hell out of here”だろうと思っている。この前に“Let’s”を付けると「早いとこずらかろうぜ」とでも訳せば良いだろうといったような意味になる。言うまでもなく“hell“が最も広く普及しているswearwordの一つである。

フィリピン人たちは英語も公用語であるので非常に上手いのだから、これくらいの悪態をつくのは朝飯前だろう。私はフィリピンには一度だけしか行った事がないが、スペインの植民地だった時期もあったので、スペイン語訛りも入ってくる場合が多いと承知している。何れにせよ、大臣が公式な場で使う事など考えられない言葉遣いだ。

念の為に付記しておくと、Weblioでは“get the hell outta”という綴りになっていた。なるほど、アメリカ人たちの発音では「ゲッタヘルアウタヒア」のように聞こえる。余り芳しくない話題だったので、この辺で“I’ll get the hell out of here.”とさせて頂く事にしよう。


ヘイトクライム

2021-05-06 08:30:43 | コラム
アジア系の人たちの災難に思う:

昨5日から、ニューヨーク市の街頭で台湾系と報道された女性2人が、スパナを持ったアメリカ人の女性に殴りかけられている場面が繰り返して放映されていた。最終的にはテレ朝だったかで、殴りかかった女性がアフリカ系アフリカ人だったと報じたが、それは画面を見ていれば私にも解っていた。その被害者の一人は額を7針も縫う傷を負ったそうだ。

ここ最近ではアメリカでこのようなアジア系と報道される人たちがヘイトクライムの被害に遭ったとの報道が多い。だが、先ず「クライムの標的がチャイニーズアメリカン」という表現はしない。アメリカの何でもハッキリと表現する傾向が見えるアメリカのマスメデイアでも、微妙な配慮をしているのかと思って見ている。

永年、彼等の中で過ごしてきた私に言わせて貰えば、上下左右の階層を問わず、彼等アメリカ人たちが、我々アジア系の者たちの顔を見ただけで日本人か、中国人か、韓国人か、台湾人か、インドネシア人か等々の区別は先ず出来ないと思う。現に、これまでに何度も述べてきた事で、私などなは1970年に台湾で「貴方の顔付きは世界中何処に行っても外省人と見られるだろう」と保証?されたように、何度も中国人かチャイニーズアメリカンであると見間違えられたものだった。

また、カナダのヴァンクーヴァーでは、裏通りの小さなレストランの会計係の日系人の女性には、いきなり英語で「中国人?」と尋ねられ、次が「韓国人?」と来て、最後に日本語で「へー、日本人だったの」とやられた事すらあった。ヘイトクライムを犯す者たちが「無差別攻撃」を仕掛けるのも、語弊があるかも知れないが、無理はないと言いたくなってしまう。

私は彼らと共に過ごした経験からして、白人たちの中でも何も話をしなくても、アメリカ人は顔付きや着ている物で見分けられる。だが、その確率は精々50%を超える程度かも知れない。そのくらいの事だから、国内にいる中国人、韓国人を見分けられる自信などは皆無だ。テレビには、これらの国から来ておられる大学教授等々が出演されるが、アナウンサーにでも紹介されない限り、異国の人とは判断出来ないほど彼らは我々と似通っている。

アメリカでヘイトクライムを犯す者たちが後を絶たないのは、何も今に始まった事ではないと思う。私にはその傾向が著しくなったのは、過去4~5年の事のように思える。それほど現代の国際情勢は、関西風の表現を借りれば「ややこしく」なってきたのかと思わずにはいられない。昔の上司や同僚たちに「どう思っているか」と尋ねてみたい衝動に駆られるのだが。