佐々木朗希君と奥川恭伸君:
この高校の頃からマスコミが大騒ぎして持ち上げてきた2人のプロ2年目の投手が、昨日の交流戦でそれぞれ曲がりなりにも勝利投手になれていたのは、一応は結構なことだと思っている。「何とかそこまで来られたのか」という意味だ。私は奥川君は甲子園で決勝戦で大阪の履正社高校に負けるまでかなり何度も見ていたので、その長所も欠陥も多少は把握していた。だが、佐々木君は言わば監督さんが甲子園出場を拒否したような使い方をしたので、その素材としての将来性は先頃の初登板で一寸見ただけだったが、昨日はタイガース相手でも勝利投手になれていたようだった。
そこで、この高校野球を代表したかのようなマスコミの持て囃し方で2年目を迎えた両投手を、冷静な評論家の目で診断しようという、大それた事をやってみようと思う。勿論、彼らだろうと誰だろうと、現場で見た訳ではなく、テレビで観ただけの印象しかないと、予め予防線を張っておこう。
先ず、佐々木朗企君から。一度目の登板は幸いにもテレビの中継で見ることが出来た。解りやすく結論から言えば「素材としては評価できるが、未だプロの投手の体格になっておらず、高校の時に163 kmだったかの速球を投げたと喧伝されていたが、プロの投手としては未だ150 km台の速さでも十分に制球力が備わっていないし、球威で打者を圧倒できる次元には至っておらず、かと言って制球力で打者の欠点を突くまでの域にはほど遠い」としか見えなかった。高校で163 kmまで出たという事は「可能性」として残っているだろうが、今後の精進如何に懸かっていると見た。
次は奥川恭伸君だ。甲子園の頃から「球は速いし良い素材だとは評価するが、甲子園で勝ちたいが為に指導者が小さく纏めようとしているのではないか。高校生でありながらプロの投手のようにあらゆる球種をものにして小宇宙を形成している。私の持論である「甲子園野球の為」という望ましくない小成の例の一人だと見ていた。問題点だと思うのは「上体が突っ立って手投げの感がある投球で、その為に疲れてくると球威が落ちて、履正社に決勝戦でやられてしまったのだ」という評価。
昨日の画はテレビのニュースで少しだけ観たが、上体が立ったままのフォームは変わっていなかった。この点は最近不信に陥っているジャイアンツの菅野投手のフォームに似ているのが気になった。ヤクルトには投手出身の高津監督や伊藤智仁や石井弘寿という投手コーチがいるが、何処まであのフォームをいじるのかに奥川君の将来が懸かっているように思える。
だが、プロの水準が上がってきて、高校出身の選手たちが一本目になれるまでに時間がかかるようになってきた。西武では甲子園優勝投手の高橋光成が漸くものになってきたが7年目だし、同じ優勝投手だった今井達也だって5年目で未だあの様だ。
奥川と佐々木亮君の2人は素材として評価できるが、育てる方も彼ら自身も焦りは禁物だろう。
この高校の頃からマスコミが大騒ぎして持ち上げてきた2人のプロ2年目の投手が、昨日の交流戦でそれぞれ曲がりなりにも勝利投手になれていたのは、一応は結構なことだと思っている。「何とかそこまで来られたのか」という意味だ。私は奥川君は甲子園で決勝戦で大阪の履正社高校に負けるまでかなり何度も見ていたので、その長所も欠陥も多少は把握していた。だが、佐々木君は言わば監督さんが甲子園出場を拒否したような使い方をしたので、その素材としての将来性は先頃の初登板で一寸見ただけだったが、昨日はタイガース相手でも勝利投手になれていたようだった。
そこで、この高校野球を代表したかのようなマスコミの持て囃し方で2年目を迎えた両投手を、冷静な評論家の目で診断しようという、大それた事をやってみようと思う。勿論、彼らだろうと誰だろうと、現場で見た訳ではなく、テレビで観ただけの印象しかないと、予め予防線を張っておこう。
先ず、佐々木朗企君から。一度目の登板は幸いにもテレビの中継で見ることが出来た。解りやすく結論から言えば「素材としては評価できるが、未だプロの投手の体格になっておらず、高校の時に163 kmだったかの速球を投げたと喧伝されていたが、プロの投手としては未だ150 km台の速さでも十分に制球力が備わっていないし、球威で打者を圧倒できる次元には至っておらず、かと言って制球力で打者の欠点を突くまでの域にはほど遠い」としか見えなかった。高校で163 kmまで出たという事は「可能性」として残っているだろうが、今後の精進如何に懸かっていると見た。
次は奥川恭伸君だ。甲子園の頃から「球は速いし良い素材だとは評価するが、甲子園で勝ちたいが為に指導者が小さく纏めようとしているのではないか。高校生でありながらプロの投手のようにあらゆる球種をものにして小宇宙を形成している。私の持論である「甲子園野球の為」という望ましくない小成の例の一人だと見ていた。問題点だと思うのは「上体が突っ立って手投げの感がある投球で、その為に疲れてくると球威が落ちて、履正社に決勝戦でやられてしまったのだ」という評価。
昨日の画はテレビのニュースで少しだけ観たが、上体が立ったままのフォームは変わっていなかった。この点は最近不信に陥っているジャイアンツの菅野投手のフォームに似ているのが気になった。ヤクルトには投手出身の高津監督や伊藤智仁や石井弘寿という投手コーチがいるが、何処まであのフォームをいじるのかに奥川君の将来が懸かっているように思える。
だが、プロの水準が上がってきて、高校出身の選手たちが一本目になれるまでに時間がかかるようになってきた。西武では甲子園優勝投手の高橋光成が漸くものになってきたが7年目だし、同じ優勝投手だった今井達也だって5年目で未だあの様だ。
奥川と佐々木亮君の2人は素材として評価できるが、育てる方も彼ら自身も焦りは禁物だろう。