新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ぼったくり男爵

2021-05-08 08:47:33 | コラム
ワシントンポスト紙のお陰で英語の勉強をした:

ワシントンポスト紙がIOC会長のトーマス・バッハ氏を「ぼったくり男爵」と呼んだとの報道を見て、予てからバッハ氏を批判してきた者としては「よくぞ言って下さいました」とすら言いたい気分になっていた。因みに、広辞苑には「ぼったくり」は“法外な料金をむさぼり取ること。ぶったくり、「やらずぼったくり」”とある。

当方のバッハ氏批判をここに再録するまでもあるまいと思うが、私は「彼は王様気取りであり、専横であり、自分(IOC?)ファーストであり、それほど高貴な方だとは見ていない」のである。言うなれば、先頃採り上げた新手のカタカナ語である「マウンテイング」の極端な例であるお方なのかも知れないのだ。

そこで英語の勉強だが、私には「ぼったくり」を何というのか思い当たらなかったのは情けないと思っていたところに、テレビのニュースで原文が少しだけ引用され、“ripper-off”だったと知り得た。その時点では「??」だったので、あらためて検索した。原文は“Von Baron Ripper-off, a.k.a. IOC President Thomas Bach, (以下略)”となっていた。「ぼったくり屋として知られているIOCの会長トーマス・バッハ男爵」という意味になるようだった。

これで「なるほどそうだったかと」と解ったのが“rip-off”だったと言う事。これならば知らない事はなかった。例えば“Hey, that’s a rip-off.”は聞いたことがあったので「暴利だ」とか「泥棒だ」という意味になったと思う。ワシントンポスト紙はそれを“ripper”として「ぼったくる人」にしていたのだった。それにしても、これを誰が訳したのか知らないが、少し大袈裟な表現かなとは感じていた。同時に、このアメリカの有力なワシントンDCの地方紙が、バッハ氏をこのように見ていたのにも感心させられていた。

ところで、“a.k.a.”もお恥ずかしながら初耳ではなかった初見だったのだった。これは“also known as”であり「別名は」のことだそうだった。かなり強烈な皮肉に聞こえた。であれば、かなり普及している“a.s.a.p.”の”as soon as possible“と同じ手法だという事。お仕舞いに、私の語彙の豊富さをお見せしておこうと思う。それは”highway robbery“(高速道路上の強盗)も「ぼったくり」の意味で使われているという事。このニュースが流されたときは、てっきりこれだと思ったのだが、外れだった。未だ未だ勉強不足だったと反省。