新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

くどいようですが

2021-05-20 14:13:13 | コラム
カタカナ語のローマ字読みの問題点:

しつこいと言われそうだが、問題点を見逃すことは出来ないのだ。それがローマ字読みだ。

今回は、アメリカの下院議長でバイデン大統領の民主党の重鎮であるMs. Nancy P. D. Pelosiの名字の表記について。Pelosiと言ってもピンとこないかも知れないが、昨日辺り報道された「北京で開催される冬のオリンピックを外交的にボイコットを」と提案された方である。その提案が通るか通らないかは別として、私が気に入らないのがPelosiを「ペロシ」とペロッとして報道する我が国のマスメディアの無神経振りだ。他人様の、しかもアメリカの下院議長の名字の表記を間違えて良いのかと言うこと。あの方は「ペローシさん」なのだ。

まさか、そうとは知らない罪なき我が国の同胞がアメリカに行かれて、ワシントンDCを訪れて、国会議事堂でPelosi議長に拝謁して「ハロー、ペロシさん」と呼びかけるとは思わないが、この「ペロシ」という表記には、怒る前に情けなくなった。報道機関はワシントンDCに駐在を置いているだろうが、これくらいのことが解らないのかと言いたい。

こういうローマ字読みのおかしな表記に、スイスの時計のRolexを「ロレックス」としている例がある。これなどはブランド名であるから未だ罪がないが、あれは断固「ローレックス」である。ロレックスは明らかなローマ字読みだ。余計なことだが、住宅会社でPOLUSとの社名があるが、これは「ポーラス」と読むべきで「ポラス」はあり得ないのだ。

ここまでで気が付いた方がおられれば結構なことなのだが、英語にはイタリア語にも似たアクセントの置き方の規則のようなものがある。断るまでもないことだが、英語という言語にはある程度「規則」があるが、現実には「不規則の方が規則よりも圧倒的に多い動詞」のような例があると、予め予防線を張っておこう。ここでは「アクセントの置き方の規則」である。それは「一つの単語に複数の母音(音節でも良いか)がある場合に、アクセントが来るのは終わりから二つ目の母音である」という事。

これに照らしてみれば、「ペロシ」も「ロレックス」も「ポラス」もあり得ないとなるのだ。しかし、予め伏線を張って置いたように、例外が数多くあるのが英語だから、何でも複音節の単語に出会われたらならば、直ちに辞書を引いて頂きたい。私は永年英語の世界にいたので、アクセントを何処に置くかなどと迷ってはいられなかったので、経験で鍛えて「勘」に頼るようにしていたが、それが上手く当たるようになって行ったのだった。部内では、私が只一人だけnative speakerではなかったので、誤りがあれば誰かが直してくれるという利点もあった。

ローマ字読みの件だった。あらためて強調しておきたいことは「それが貴方様にとってどれだけ役に立つことかどうか知らないが、違和感を覚えるカタカナ表記に出会ったか、どうしても英単語をカタカナ表記にしたい場合には、一呼吸置いてから英和辞典を引いて発音記号を確認されること」だ。これなどはそれほど「インポッシブル」な作業ではないと思う次第だ。アメリカにも英連邦王国にも「ハラデイー」はあっても「ホリデー」はないと解るはずだから。