新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月16日 その4 大谷翔平とアメリカの三大スポーツの動静

2023-12-16 16:27:30 | コラム
アメリカンリーグのMVP・大谷翔平のアメリカでの人気は:

最新の週刊新潮で中川淳一郎氏が連載しているコラムで、アメリカに住んでいる野沢直子さんは「大谷翔平の人気はアメリカ全土では野球は人気の面ではフットボールやバスケットボールに劣っているので、大谷翔平もマスコミ報道ほどの大人気を得ていないのではと述べた」とあった。そこで「本当なのか」と、念のために大の野球ファンであるIntelのマネージャーに「そういう状況か」と尋ねてみた。直ぐに折り返し返事が来たので紹介しようと思う。

>引用開始
もしかすると、私の見方は偏っているかも知れないが、翔平のあの大型契約はこちらではビッグニュースだった。今では言うなれば、殆ど全てのアメリカ人が「大谷はDodgersがWシリーズに勝つためには、私利も私欲もなくティームに貢献しようとしている選手である」と語り合っている状態だ。

年俸を低額に抑えて、ティームに貢献することを優先しようという点では、大谷はフットボール界の有名なQBトム・ブレイデイーと並ぶ存在だろうと認められている。ブレイディーのティームではオフェンス・ラインの選手たちは、懸命にそうしてまでもティームの勝利を優先するブレイディーがプレーしやすいようにとより一層の努力したのだった。

そこで、野沢直子さんの見解である。彼女の見方が正しくないとは言わないが、大谷はアメリカンリーグで2度もMVPに選ばれた選手であり、アメリカ全土に彼のファンがいて、現在では大多数のファンを最もワクワクさせてくれる選手であるのは間違いないところ。特に投手とDHの両面で貢献したという点では、歴史始まって以来最高の選手であることは疑うべくもない。

私は来年にMVPの大谷がDodgersで投手としてはプレーしない場合に、打撃面でどれ程の活躍をするかに大いなる興味があり、関心を持っている。

アメリカの三大スポーツの中ではフットボール(NFL)に最大・最高の人気があるのは疑う余地もない事実である。テレビの収入面で見て見れば、NFLが年間に70億ドル(約10兆円)を稼ぎ出しているのに対して、野球(MLB)では16億8千万ドル(約2兆4千万円)ほどである。バスケットボール(NBA)は野球よりも少し多くて、2兆7千8百万ドル(約4兆円)ほど。($1=¥142で換算)

敢えて言うが、私は「野球は若年層には40歳超の高齢者たちよりも人気が高いので、この世代間の人気の相違を、来年から先には大谷が加わったDodgersなどが野球のファン層に変化をもたらすような活躍をして、変えていくかも知れない」と予想しているのだ。
<引用終わる

私は偏見になってしまうかも知れないが、ハーバードのMBAという知性派である彼の見方を取ろうと思う。

12月16日 大谷翔平に思う事

2023-12-16 08:46:16 | コラム
「Dodgersへの移籍万歳」だけで良いのかな:

昨15日の朝8時から、大谷翔平のDodgers移籍を祝福する報道一色である。私も「一件落着して良かったな」とは思うし、アメリカで(野球界とそのファンとマスメディアに)あそこまで褒め称えられるだけの存在になって見せた彼は非常に偉いと思う。だが、アメリカを(普通の方々よりもと自負する)良く知ってしまった悲観論者の私に言わせれば「それで良かったのかな」という心配な点はあるのだ。それらの点を取り上げていこうと思う。

*肘の手術後:
日本時間の昨日、大谷は「順調に回復しつつあり、既に素振りの練習まで出てきている」と語っていた。さらに「来年の9月頃には実戦的バッテイングの練習では投球も出来そうだ」とも報じられた。簡単に心配な点を言えば「『急いては事をし損じる』にならねば良いが」と懸念しているのだ。

何しろ「史上最高」の契約金で非常なる期待感で入団するからと言って「金額に見合うだけの成績を上げないという思いで自分を駆り立ててはならないのでは」なのだ。アメリカの社会通念では「年俸に見合うだけの成績を挙げないと、アッサリと大幅減俸や鶴首が待っているし、それに抵抗する者など先ずない」のである。大谷翔平が無事に1015億円(昨日は$1=¥142で992億円になったが)に見合う活躍が出来るようにと祈るだけだ。

*Dodgers首脳陣とマスコミの大歓迎振り:
あの記者会見で見せた球団の首脳部の極めて丁重で丁寧な歓迎振りに誇張はないだろうとは思う。だが、長年彼らの中で過ごしてきて学んだことは「彼らの我が国の文化とは全く異なる社交性の高さと社交辞令の上手さ」である。言うなれば、催し事(カタカナ語では「イベント」だ)を豪華絢爛に演出する上手さと、解りやすく言えばお世辞の上手さは、我が国では考えられないほど優れているのだ。

何が言いたいのかと言えば、その演出に遭うと凡人は「ひょっとすると俺は自分で思っている以上に大物なのかなと思い上がってしまう危険性なきにしもあらず」なのである。だが、これまでの大谷翔平の振る舞い方を見ていると、そういう危険性はないと言って間違いないだろう。「彼も人の子だったか」と思うような事態が来ないと期待して良い人物だとみているが。

*リーグが変わって:
来年からは大谷一人を敬遠するか抑えていれば負けないような弱体のティームではない、DodgersのDHになるのだ。Angelsの頃とは違って相手も第一級の投手を当ててくるだろうし、大谷必ずしも手の内を承知している次元には未だない優れた投手たちと当たることになるのだ。大谷のことだから、充分に相手を研究するだろうし、球団のスカウトからも資料を供給されるだろう。

悲観論者が心配する点はといえば「大谷翔平はAngelsで確かにホームランも沢山打ったし打率も3割を残したが、彼はイチローや西川龍馬や大島洋平や近藤健介のような巧い打者ではなく、力と目にも止まらないスゥイングの速さで逆方向にも打っていける打者だ。打てない箇所もない穴が少ない希有の打者だ。

その辺りをナショナル・リーグ投手たちが何処まで研究して攻めてくるかに大いなる興味がある。彼はMLBに移った当初はインサイドに落ちる投球とアウトサイドへのストライクとボールになるスライダー系の投球の出し入れに悩まされていた。昨年辺りはそこに投げてくる投手が少なくなったし、ボール球でもホームランにしてしまう凄味が出ていた、故障上がりで何処までで出来るかが鍵になるのでは。でも期待しよう。

*もしも大谷翔平が高校からアメリカに行っていたら:
「仮定の話にはお答えできない」などと言えば、国会議員の逃げ口上のようになってしまう。マスコミは栗山英樹氏がアメリカ行きを食い止めて、ファイターズで二刀流に育てたと礼賛する。だが、高校から直接にアメリカに行きMLBに合理的且つ科学的な練習法で育てていれば、史上希なtwo-wayの大谷翔平が6年前に出現していたかも知れないと、私は考えるときがある。要するにファイターズの5年間を惜しんでいるのだが・・・。

そう言う根拠は「錦織圭の体格と身体能力をIMGアカデミーでは世界のランキングの上位に入るテニスプレイヤーに育て上げて見せた」例がある。それだけではなく、フットボール界でもIMGの優れた手法で育てられた高校生もいた。大谷がAngelsでどのようなトレーニングで育てられ鍛え上げられたか知る由もないが、あれほどの体格の選手に育てて成績を上げるまでになったような訓練が、我が国でも出来たのかと思うのだ。

仮定の話ではあるが、アメリカ式に早くから育ててあれば、二度も肘の手術をしないでも済んだのではなかったのかなどと、一人で勝手に考えている。「Dodgersのトレーナーとコーチが、大谷翔平の更なる可能性を引き出してくれれば素晴らしいのだ」と期待しよう。

日本大学アメリカンフットボール部を廃部と決定

2023-12-16 07:16:28 | コラム
何とも言いようがないほど非常に残念な決定だった:

昨15日に開催された日本大学の臨時理事会では11対9で「廃部」が決められたと、各テレビ局が報道し、当方はYahooニュースから知り得たのだった。何処の局だか何時ものように記憶がないが「廃部とは決めたが、在籍する学生と来年の入学希望者のために来年早々に新たな組織を設けることが前提」とも報じていた。

長年のPhoenixファンとしては「それなら何も『廃部』のような極端な決定を断腸の思いでせずに、存続させるが全面的な改革と改変を条件にすると言えば良かったのに」などと言いたくなる。だが「あのような事件を起こして逮捕者が1名(後に4名となったが)出ては、廃部されても仕方がないか」と半ば絶望していたOBもいた。

あの3万数千の署名を集めて大学当局に提出した組織からは、下記のような通知があったので引用しておこう。

日本大学アメリカンフットボール部廃部撤回の署名にご賛同くださった皆様、お世話になっております。 本日、日本大学にて臨時理事会が開かれ、「廃部」が決定したとの報道がありました。 報道によりますと、学生に不利益が生じないようサポートすること、また本年内に部を廃部としつつ、年明けに新体制を構築し、来年度に向け体制を立て直して部を新しく作り直すという考えであることが伝えられています。 これは確かに「廃部」ではありますが、作り直すことを前提としており、皆様からの署名も一定の効果があったと想像しております。(以下略)

これによれば、何らかの形で再編成されると読めるが、一度奈落の底に突き落とされた現在の部員たちが、新しいアメリカンフットボール部でこれまでのような精神状態で活動する気になれるのだろうかと、部外者としても心配になってしまうのだ。また、今回のような連帯責任を問うとか一罰百戒のような方式が最善の処置だったのかは未だ納得できていない。

さらに言えば、色々と問題を起こしていた他の大学(の運動部)もこの先例が出て来ては、何らかの手を打たねばならない局面に追い込まれるのではないのか。

本日は取り上げたい話題が複数あったが、先ずここから着手することにした次第だ。