岸田さん、しっかり検討して確固たる対策を打ち出して下さい:
先ず、結論を述べておこうと思うのだ。私は岸田総理には山積する当面の喫緊の課題の中から、どの事案を最優先事項にされるかだと思っている。検討されるならば慎重でも結構だが、瞬時の決断をお願いしたいのだ。スタートアップ担当大臣とやらを任命している時期かなと思っている。
NPBは26日と27日にオールスターゲームを開催すると言っていた。彼らは陽性者等が多数発生したジャイアンツの対ドラゴンズの試合を中止すると発表して「ジャイアンツに阿った決定だ。スワローズは監督まで罹患しても残った選手で試合をやって5連敗していたのに」と厳しい非難を浴びた。それかあらぬか、昨日になって原監督も罹患し、その数は選手以外も含めて73名と発表した。後難など恐れずに言えば「試合中止を正当化したかったのか」となる。
一方では大相撲は7だったか8部屋だったかが休場し、21名の関取が休場となって、審判部長までも休場という事態になったそうだ。土俵では「両力士不戦敗」などという前代未聞の事態が生じたと報じられていた。歌舞伎でも何名かのスター的役者が感染して興行を中止すると発表されていた。
目を海外に転じれば、アメリカのオレゴン州の感染対策がどうなっているのか知らないが、世界陸上に参加した我が国の有力な選手たちにも無念の感染者が出たそうだ。
私には何か言うべき知識も何もないが、昨日のように未だ政府が公認したとも思えない第7波の到来で19万人以上の感染者が出てしまったのが、感染力が強いので要注意と専門家が指摘したBA.5の為なのか、一般の人たちが「ただの風邪」と舐めた結果なのか、行動制限も何もなくして競技場や劇場等を満員にさせることを厭わず、「景気回復乃至は現状以上の悪化を食い止めたい」と、政府が目指した結果なのかどうかは解らない。あるいは全部が該当するのかも知れない。
ただ一つ言ってもそう見当違いではないのかも知れないと思うことがある。それは「大きな会場に沢山の観客を入れて、選手はロッカールームに、芸能人は楽屋にと言わば閉鎖された空間に集める形態を取っていることだ。野球でもサッカーでもドーム競技場があるし、映画・演劇・音楽の閉鎖空間に大勢が集まるのだ。観客はチャンとマスクを着用し、声を出さないという条件も課されてはいるが。
私にはこれらが感染の場なのかどうかは解らない。だが、NPBと相撲と歌舞伎からは纏まった数の感染者が出ている。「いや、そこでの感染者よりも家庭内感染の方が多い。だからこそ東京都では連日3万人以上もの感染者が出ている」と言われるかも知れない。さらに、発熱外来は予約で一杯の状態のためにPCR検査を受けられれば超ラッキーだ」などという声も聞いた。
私は「何処で、誰がどのように行動しているから集団感染の原因となっているのか不明だ。だから現時点では行動制限はしない」と言っていられる事態ではないと思っている。これまでに政府が出来たことは「緊急事態宣言発出」と「蔓延等防止何とか」で、それらが良かったのか、何処まで効果があったのか判然としていない気がする。だが、外食と外飲み業者から恨まれたのは確かだった。小池都知事が歌舞伎町を浄化された後では、新宿区の感染者が激減したのは間違いない。
要するに、如何なる手を何時、何処で打てば最も効果的かが、為政者の側で未だに把握できていないのではないかと思って見ている。その為だろうが、尾身茂氏を総理大臣の隣に立たせてCOVID対策を語らせて「政治家」のようにしてしまったのが、得策だったとも思えない。その結果なのか、岸田内閣になってからは尾身氏が表舞台に登場することなく、代わって国立感染研の脇田所長という研究者が専ら責任ある広報担当に如きになっておられる。
私は、安倍内閣以来の政府の方針が「未だ嘗て無かったCOVID-19に襲われたのだから、政治が先頭に立って有効な対策を打ち出せないから、専門家の意見を聞いてそれに従って対策を講じていこう」との姿勢に徹していた気がしている。その「未だ嘗て無かった」ものが3年も経ってしまったのだ。確かに後から後から変異株が現れて、それに対して後手となる対策を打ち出してきただけだ。だが、菅前首相はワクチン接種を強引にと言って良いほど強力に推進された。
私は岸田総理の優先事項のご判断に疑問を呈したいのだ。安倍晋三元総理の国葬を閣議決定されるのも重要なことだと解っている。元外務大臣の経験を活かされて外交面というか海外での会合に参加されるのも「岸田文雄内閣総理大臣ここにあり」と存在感を見せられるのも優先事項だろう。だが、そう努力しておられる間にも第7波は容赦なく襲ってきたし、物価は巧まずして大幅に上昇している、新自由主義を横目に見て。GXだったか担当相の任命が喫緊の課題とは思えないのだ。