1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

アメリカ発の金融危機は全世界の努力によって立て直される

2009-03-14 | ラジオ
ノーベル賞受賞者で世界銀行の元主任エコノミスト、現在はコロンビア
大学の教授を務めているジョゼフ・スティグリッツ氏は、ニューヨ
ークで実業界の代表者らを前に発言し、現在の金融危機はいわゆるma
de in U.S.Aのラベルが付いていると述べた。
またジョゼフ・スティグリッツ氏は我々アメリカは、国家の経済介入を減
らす哲学を輸出し有害な債権を輸出し、我々の不況を輸出しているの
だ、と述べた。
スティグリッツ氏は
アメリカの金融システムはその役割を果たさなかった。はじめこの金融
システムは貯蓄を動員して投資に回し、リスクを避けることを見込んで
いたが、はじめの段階で挫折してしまった。
何故ならアメリカには貯蓄が無いからだ。
つまり金融システムは住宅を買う余裕の無い人、必要の無い人に投資
し、それはリスクを避ける助けになるどころか、リスクを生み出す結果とな
ったのだ、と述べた。

さらに欠陥の在るアメリカの金融システムは、根本から改革される必要
がある。金融システムの問題はアメリカ型を採用した、現代の資本主義
の抱えるより深い問題の兆候であると指摘した。

2月24日アメリカのFRBのベン・バーナンキ議長は連邦議会で、かなりの
確立で今年中にも国内の景気後退が終わり、2011年には安定した成長
に戻っていくとの経済予測を発表したが、スティグリッツ氏は余りにも楽
観的すぎると批判した。
上辺だけではない、より深い改革が行われないうちは景気後退からの脱
出が、先送りされるリスク残っているとのことだ。
上辺だけの改革というのは、アメリカのオバマ大統領が先日発表した危
機対策を意味しているのだろう。
ただ同氏はオバマ大統領の景気刺激策自体は肯定的に見ている。

アメリカが根本から変革する必要性を訴える、スティグリッツ氏の見解には
左派のエコノミストで有名であるボリス・カガルンスキー氏も同調している。
しかしオバマ大統領の危機対策案に付いては、より慎重な立場を示し次の
様にコメントしている。
「実際にはこのオバマ大統領の危機対策案は、アメリカ社会の新たな運営
方式やアプローチに慣れさせるための、移行プログラム以上のものでは無
いと思う。
何故ならアメリカは近い将来根本的に変革され、アメリカ国民にとって馴染
みの自由な市場、減税、民間主導型といった原則は全て過去のものとなり
つつあるからだ。
ですからこの打開策がアメリカ製の万能薬だと考えたり、ロシアもお手本に
しようなどと言うのは甚だ可笑しなことだ。
何故ならアメリカ方式は、当のアメリカ国内ですらすでに機能しておらず、ロ
シアにおいては尚更だからだ」
ロシアの左派のエコノミスト、ボリス・カガルンスキー氏はこの様に述べてい
る。

今回ジョゼフ・スティグリッツ氏が最も言いたかったことは、アメリカが独力で
は危機を脱することが出来ないと言うことだ。
世界金融危機がmade in U.S.Aだというのはきついジョークだが、その危機は
世界の国々が努力して、はじめて打ち勝つことが出来るのだという確信もある
のだろう。

ロンドンでは4月にG20サミットが開催されるが、そういった意味で第一歩が踏
み出される舞台となることだろう。

アメリカが隠し続ける金融危機の真実

ベンジャミン・フルフォード
青春出版社


このアイテムの詳細を見る

2月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル