日本の福島原発事故以降、多くの国は放射能汚染があるか否かに関わらず、福島やその周辺地域からの食料品の輸出への制限措置を導入した。これは日本の抗議を呼んだ。
日本の野田佳彦首相はWTOに対して、日本産の食品が放射能汚染されているという、間違った情報への対策について支援を要請した。
福島での事故から2ヵ月後すでに、日本は自国食品への制限措置への懸念を表明し始めた。経済的に困難な時期にあたり、日本にとってこのような措置はかなりの痛手となる。
ロシアの専門家フェシュン氏は、次のように指摘している。
「実際、日本からの輸入品の中に放射能汚染されているものはない。しかしながら福島での事故の後、静岡での緑茶収穫がセシウムが検出されたことによって、放棄されたことを指摘しておかなくてはならない。そして福島の周辺海域では、高い放射能汚染の魚が今でも水揚げされている。
つまり全体的な状況には異変がない一方で、特に魚などには放射能汚染物質が含まれている可能性があるのだ」
専門家は、このようにコメントしている。
これは日本の農業製品に制限を加えるために、海外の輸入業者によって格好の口実として使われる可能性がある。農業分野へのダメージは、日本の環太平洋パートナーシップへの参加にも悪影響を与える恐れがある。これは輸出業者にとっては関税の撤廃などで有利に働くものの、国内農業市場を開放することも意味している。
そして国から助成を受けている日本の農業分野は競争力を持っていない。日本政府は農業政策を抜本的に見直す必要がある。
フェシュン氏は時間と投資が必要だと指摘して、次のように語っている。
「環太平洋パートナーシップへの参加は、まだ公式には決まっていない。しかし日本経団連は、一貫して参加を支持している。ですから参加はほとんど決まったようなものだ。それは日本の大手メーカーにとっては有利だからだ。日本の中小企業は収入の大幅な削減に耐え忍ぶか、単に破産するかですが、その後者の可能性が高いだろう」
フェシュン氏は、このようにコメントしている。
日本は環太平洋パートナーシップへの参加に突き進んでいる。大企業は中小企業や農業分野における問題に注意を払おうともしない。日本政府の選択には悪か、最悪か、という二つしかないのだ。WTOへの支援要請も大きく状況を変えることはできないだろう。
3月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル