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アジアで水戦争は起こるか

2012-04-23 | ラジオ
アメリカ国家情報長官室は、世界の様々な地域における淡水問題の現状に関する報告書を発表した。
報告書では今後10年間に水を巡る、大規模な戦争が勃発する危険性は少ないものの、予測される水不足を背景に、戦争が起こるリスクは高まるだろうと述べられている。
水不足が最も深刻化する恐れがあるのは、南アジア、中東、北アフリカだ。  
人間の生活や産業が必要とする水の量は毎年増加している。一方で淡水資源の保有量は増加ではなく、むしろ減少している。気候変動により、一つの地域では大規模な洪水に苦しみ、別の地域では激しい干ばつに見舞われるという現象が強まっている。  

ロシア戦略研究センターのヴォロホニスキー専門家は、淡水資源の問題は環境のみならず政治的問題でもあると述べ、次のように語っている。
「依然として全ての国に統一した、水の利用に関する規則書は存在していない。国連欧州経済委員会の越境水路、および国際的な湖や沼の保護並びに利用に関する条約は、地域的な意味を持つ文書であり、もっとも広い範囲に共通した規則が規定されているだけだ。
加えてこの条約には国際論争を解決するためのメカニズムもない。紛争の例は数多くある。
国家情報長官室の報告書では、そのうちの多くがアジア地域で発生していると指摘されている」
専門家は、このように話している。  

水資源を巡る争いはすでに始まっている。ヴォロホニスキー専門家は、少なくとも未解決の紛争の多くは、水利用の問題に横たわっていると指摘し、次のように述べている。
「これは中東の紛争でもある。イスラエルはシリアにゴラン高原を返還しておらず、パレスチナの独立承認も望んではいない。何故なら理由の一つとして、これらの地域にはイスラエルに淡水を供給している大部分の水流があるからだ。
またカシミールを巡るインドとパキスタンの紛争は、水紛争の中で最も長期化しており激化したものだ。
問題はパキスタンに水を供給する、大部分の水流の源がカシミールにあることだ。またインドは別の国々の活発な活動の犠牲となっている。
これは中国の新疆ウイグル自治区の灌水のために、ブラフマプトラ川の流れを変える計画に関連している」
専門家は、このように話している。  

アジアの大きな河川の多くは、チベット高原を水源地域としているため、 中国は河川の流れを変えることで隣国に圧力をかけようとしている。  
ヴォロホニスキー専門家は、今後数十年間に起こり得る水資源を巡る大規模な紛争を回避するためには、すでに現在、全ての国に共通する水利用に関する条約の作成を開始する必要があるとの考えを表している。

相変らず女性アナウンサーの声が出ていない

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3月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
コメント (2)
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