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日本国憲法改正が招きかねない脅威(2)

2013-04-14 | ラジオ

イヴァノフ氏はこれについて疑いようもないとして、次のように語っている。
「9条の改正が行なわれても、修正箇所は日本の軍事力が集団的防衛権を行使すること、そして国連の行なう国際平和維持活動へ参加することに限定さ れるだろうと思われる。
例えば条文からは日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争 を解決する手段としては、永久にこれを放棄するという部分は消えないだろう。
それでも日本の軍事力が強化されること自体は、中国には挑戦として受け止められるにちがいない。これは太平洋戦争の時代の、日本帝国の軍隊の記憶が 云々ということでは全くない。
中国はアメリカとの軍事協力の強化のもとに、日本が軍事的な可能性を強化する目的は、中国の抑止であろうと考えるだろう。
このことは中国を刺激し、より 活発に軍事力を拡大しなければならないと奮い立たせる逆効果を招きかねない。また中国と領土論争を持つベトナムやフィリピンなどの国々も、自国の防衛能力を活 発化させることになるだろう」
イヴァノフ氏の発言だ。

イヴァノフ氏は、東アジアにおける軍拡競争は日本国憲法9条改正を招きかねないものの、これはたいへん不快な事実には、これだけにとどまらないのではないかと懸念を表 す。
より危険なのは、この地域の様々な民族の意識が変わることだろう。長年、アメリカの核の傘の下にいる状態に慣れてきた日本人は、自国の軍事力に手応えを感じることで、中国の要求から尖閣諸島を守るためでも、また北朝鮮の脅威から身を守るためでも、その軍事力を行使しようという誘惑に打ち勝つこ とができなくなるのではないだろうか。
同様の国防意識の解放は他の民族において起こりうる。言葉を変えて言いますと、武器の行使を阻害してきたバリアが目立っ て脆弱になってきているといえる。このためアジア太平洋地域での戦争の危険性は、より現実味を帯び始めた。

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4月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル