国連によると、21世紀が始まってから自然災害によって引き起こされた経済的損害は2兆5000億ドルだという。このような被害を最小限に食い止めるためには、国が民間と協力していくことが重要だと指摘されている。
今回、国連がまとめた報告書は56カ国をカバーしているが、それでも全ての被害がまとめられているわけでもない。
2012年だけでも地震や洪水、嵐など310以上の自然災害が発生し9000人以上が命を落とし、100万人以上が負傷した。
現在、主な被害は嵐と地震によるものとなっているが、未だまだ完全には認識されていないリスクもある。例えば巨大隕石の落下などだ。チェリャビンスクには小さな隕石が落ちたが、それが大きなものとなれば、その被害は想像できる。
グブキン名称石油ガス大学のロブセフ教授は、次のように指摘している。
「人類を脅かす脅威は主に、宇宙と地球内部のエネルギーだ。宇宙現象の代表的なものは隕石で、地表や水面に落下するものだ。水面に落下すれば大きな津波が伴う。地球内部のエネルギーの代表例は地震で、これも津波を引き起こす。
もしこれが人口密度の多い地域であれば、甚大な被害がもたらされる」
教授のコメントだ。
特にリスクが高いのは、複雑なインフラを有し、原子力発電所などを伴う現代都市だ。そのことは、日本の福島原発事故を見ても理解できる。
国連のパン・ギ・ムン事務総長は今回の報告書について、リスクを提言していく責任をもつのは各国の政府であはあるものの、投資銀行や保険会社などの民間との協力も重要であると強調した。新しい建物やインフラ施設の発展への投資の85%近くが民間によるものだからだ。
知的開発研究所のレジャベク所長は、現代科学によって自然災害のリスクを下げることができるものの、今のところそれに向けた努力がなされていないと指摘している。
「現代科学に理性が追いついていない。技術は体系的に発展するものではなく、身近な課題の解決に向けられている。技術自体はツールに過ぎません。今重要なのは、政治的意思を一つにすることですが、人類は驚くほどまとまりをもっていない。ですから今の技術でもって、対処できるような自然災害があったとしても、人類はそれを実行することができないのだ」このようにコメントしている。
専門家らは、自然災害リスクを下げるために2つの道を示している。一つは予測警報システムの発展であり、もう一つは災害に強いインフラ設備を作ることだ。
しかし民間ビジネスは今のところ、それらに多額の資金を投じる用意がない。その逆に安全性を犠牲にして費用を節約するような場合さえある。福島原発事故にしても、危険性が十分に認識されていなかったこと、そして経営陣が十分な支出を惜しんだために起こったものだと考えられている。
※プロのアナウンサーなら、もっと丁寧な喋りをしてほしいものだ
5月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
今回、国連がまとめた報告書は56カ国をカバーしているが、それでも全ての被害がまとめられているわけでもない。
2012年だけでも地震や洪水、嵐など310以上の自然災害が発生し9000人以上が命を落とし、100万人以上が負傷した。
現在、主な被害は嵐と地震によるものとなっているが、未だまだ完全には認識されていないリスクもある。例えば巨大隕石の落下などだ。チェリャビンスクには小さな隕石が落ちたが、それが大きなものとなれば、その被害は想像できる。
グブキン名称石油ガス大学のロブセフ教授は、次のように指摘している。
「人類を脅かす脅威は主に、宇宙と地球内部のエネルギーだ。宇宙現象の代表的なものは隕石で、地表や水面に落下するものだ。水面に落下すれば大きな津波が伴う。地球内部のエネルギーの代表例は地震で、これも津波を引き起こす。
もしこれが人口密度の多い地域であれば、甚大な被害がもたらされる」
教授のコメントだ。
特にリスクが高いのは、複雑なインフラを有し、原子力発電所などを伴う現代都市だ。そのことは、日本の福島原発事故を見ても理解できる。
国連のパン・ギ・ムン事務総長は今回の報告書について、リスクを提言していく責任をもつのは各国の政府であはあるものの、投資銀行や保険会社などの民間との協力も重要であると強調した。新しい建物やインフラ施設の発展への投資の85%近くが民間によるものだからだ。
知的開発研究所のレジャベク所長は、現代科学によって自然災害のリスクを下げることができるものの、今のところそれに向けた努力がなされていないと指摘している。
「現代科学に理性が追いついていない。技術は体系的に発展するものではなく、身近な課題の解決に向けられている。技術自体はツールに過ぎません。今重要なのは、政治的意思を一つにすることですが、人類は驚くほどまとまりをもっていない。ですから今の技術でもって、対処できるような自然災害があったとしても、人類はそれを実行することができないのだ」このようにコメントしている。
専門家らは、自然災害リスクを下げるために2つの道を示している。一つは予測警報システムの発展であり、もう一つは災害に強いインフラ設備を作ることだ。
しかし民間ビジネスは今のところ、それらに多額の資金を投じる用意がない。その逆に安全性を犠牲にして費用を節約するような場合さえある。福島原発事故にしても、危険性が十分に認識されていなかったこと、そして経営陣が十分な支出を惜しんだために起こったものだと考えられている。
※プロのアナウンサーなら、もっと丁寧な喋りをしてほしいものだ
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5月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル