人類が宝石に注ぐ情熱を過大評価し過ぎるということはない。稀少なカラーダイヤモンド、すなわち色付きのダイヤモンドには、人は大枚をはたくことも惜しまない。
ですが今、カラーダイヤモンドは、かつてより手の届くものになりつつある。
ロシアの学者たちが、普通の婚礼用ダイヤモンドを様々な色で彩色する方法を見つけたのだ。
まるで手品のような技だ。見慣れた透明のダイヤモンドが、見る見るカラーダイヤモンドに変貌していくのだ。ですが絵の具の類が使われるわけではない。必要なのはただ、知識と先端技術のみだ。
石そのものが重要であることはいうまでもない。ダイヤモンドに含まれる主な不純物は窒素ですが、その窒素が僅かしか含まれていないもののみが彩色に適するのだ。
組成を知るために、まずは赤外線分光器にかけられる。その後、適正と判断されれば石はラボラトリーに持ち込まれる。そこで圧力をかけられ、ダイヤモンドの構造が変えられ、混合物が加えられる。
すなわち天然の環境で、ダイヤモンドが変色していく過程を人工的に再現するのだ。違いはただひとつ、自然環境下では数百万年が掛かるプロセスを、ラボラトリーでは3日で行うという点のみだ。ダイヤモンドを変色させるために、1500度という高熱が用いられる。また燃焼室が真空であることも絶対条件だ。
モスクワ鉄合金研究所、上級学術研究員ソローキン氏は次のように語っている。
「ダイヤモンドは熱力学的に不安定であると考えられている。真空で加熱するのでなければ、すぐに燃え尽きてしまうのだ」
ソローキン氏は、このように語っている。
ダイヤモンドは様々な色に彩色できる。例えば緑色がほしければ石から炭素を除去し、黄色がほしければ窒素を添加し、水色がほしければ水素を加える。こうして出来たカラーダイヤモンドも、1000ドルを下ることはないだろう。
ですがそれでも天然のものよりは格段に安いのだ。同じくモスクワ鉄合金研究所・超硬合金研究室の室長ニコライ・ポルーシン氏は次のように語っている。
「数年前、東南アジアのとある取引所で、1カラット程度の水色のダイヤモンドに1000万ドルの値がついた」
室長の言葉だ。
色を変えてもダイヤモンドの硬度、すなわち硬さと品質は損なわれない。目利きの宝石商でも、専門の道具なしには、人工か天然か判別は出来ない。国旗、すなわちナショナルフラッグを模して彩色でもすれば話は別だ。
これは、いささか突飛なことを言うようだが、専門家諸たちは遅かれ早かれ、そうした試みもなされるだろうと語っている。
※相変わらず男性Wアナウンサーによるリズム感のない喋りは聴いてて疲れる
6月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
ですが今、カラーダイヤモンドは、かつてより手の届くものになりつつある。
ロシアの学者たちが、普通の婚礼用ダイヤモンドを様々な色で彩色する方法を見つけたのだ。
まるで手品のような技だ。見慣れた透明のダイヤモンドが、見る見るカラーダイヤモンドに変貌していくのだ。ですが絵の具の類が使われるわけではない。必要なのはただ、知識と先端技術のみだ。
石そのものが重要であることはいうまでもない。ダイヤモンドに含まれる主な不純物は窒素ですが、その窒素が僅かしか含まれていないもののみが彩色に適するのだ。
組成を知るために、まずは赤外線分光器にかけられる。その後、適正と判断されれば石はラボラトリーに持ち込まれる。そこで圧力をかけられ、ダイヤモンドの構造が変えられ、混合物が加えられる。
すなわち天然の環境で、ダイヤモンドが変色していく過程を人工的に再現するのだ。違いはただひとつ、自然環境下では数百万年が掛かるプロセスを、ラボラトリーでは3日で行うという点のみだ。ダイヤモンドを変色させるために、1500度という高熱が用いられる。また燃焼室が真空であることも絶対条件だ。
モスクワ鉄合金研究所、上級学術研究員ソローキン氏は次のように語っている。
「ダイヤモンドは熱力学的に不安定であると考えられている。真空で加熱するのでなければ、すぐに燃え尽きてしまうのだ」
ソローキン氏は、このように語っている。
ダイヤモンドは様々な色に彩色できる。例えば緑色がほしければ石から炭素を除去し、黄色がほしければ窒素を添加し、水色がほしければ水素を加える。こうして出来たカラーダイヤモンドも、1000ドルを下ることはないだろう。
ですがそれでも天然のものよりは格段に安いのだ。同じくモスクワ鉄合金研究所・超硬合金研究室の室長ニコライ・ポルーシン氏は次のように語っている。
「数年前、東南アジアのとある取引所で、1カラット程度の水色のダイヤモンドに1000万ドルの値がついた」
室長の言葉だ。
色を変えてもダイヤモンドの硬度、すなわち硬さと品質は損なわれない。目利きの宝石商でも、専門の道具なしには、人工か天然か判別は出来ない。国旗、すなわちナショナルフラッグを模して彩色でもすれば話は別だ。
これは、いささか突飛なことを言うようだが、専門家諸たちは遅かれ早かれ、そうした試みもなされるだろうと語っている。
※相変わらず男性Wアナウンサーによるリズム感のない喋りは聴いてて疲れる
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