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預金補償のレベル向上を準備するロシア政府

2013-06-17 | ラジオ
ロシア政府は預金補償の水準を引き上げる準備をしている。専門家らは2003年から効力を発している現行法に然るべき修正が講じられれば、預金者にとってのリスクが引き下げられ、銀行の安定性を高める事ができるだろうと考えている。
政府委員会は、そうしたイニシアチブに対し、すでに肯定的な評価を与えた。
イニシアチブ作成者達は、銀行預金の最大補償額を70万ルーブルから100万ルーブルに引き上げようと提案している。これはドルに換算すると2万3千ドルから3万3千ドルに引き上げるということになる。
そうなれば国の預金保険システムに参加している民間の銀行が倒産した場合、預金者たちは100万ルーブルまでの範囲で、日本円で約300万円までの範囲で自分のお金を受け取ることができる。

ロシアの声記者は、ロシア銀行連盟のガレギン・トスニャン連盟長に意見を聞いてみた。
「補償のレベルを上げようと提案する人達の考えは全く根拠のあるものだ。なぜならば、そうすることによって預金者の信頼を高めることとなり、金融市場での競争を拡大することが出来るからだ。補償の程度が高まれば高まるほど、預金者市場の多様化に繋がる」
連盟長の意見だ。

その一方でイニシアチブに反対の人たちは、預金者に対する補償のレベルを上げる必要はないと考えている。
預金者の大部分は、50万から60万ルーブル、約150万円から180万円以上の金額を預けてはいけないからだ。これまでの補償額である70万ルーブル、約210万円で、ロシアの銀行にお金を預けている人達の98,5%の貯金を完全に戻すことができ、補償額を100万ルーブル、300万円に引き上げても残りの人達にとって大きな意味はない。
なぜならば、そうした人達は、預金を低利回りの金融商品と見ており、不動産や他の高利回りの商品への投資をよしとするからだ。

ロシア銀行連盟のトスニャン連盟長はまた、補償のレベルを上げれば、悪徳銀行家に投機の口実を与える事になると専門家らは懸念していると指摘し、さらに次のように続けている。
「補償のレベルを上げた場合、一連の冒険主義的な銀行がそれを利用し、顧客を引き付けるため金利を上げる可能性があると主張する、そうした反対派の異議を考慮しないわけには行かない。
しかしこれに対し、もし銀行が預金者に示す金利が市場の平均よりも高ければ、議会は補償制度への拠出額を多くするという解毒剤的法律を作ることもできる。そうした差異化をすれば、顧客を引き付けるためだけに非現実的な金利を示そうという誘惑を銀行から奪うことができるだろう」
連盟長の発言だ。

とはいえ何と言っても預金補償レベルの向上は、銀行制度に対する国民の信頼を向上させる助けとはなる。まして銀行口座に100万ルーブルを持っているようなロシア人の数は、ますます急速に増えているからだ。現在、ロシアの銀行における預金総額は、昨年に比べ何と5倍に増えている。

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6月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル