Fish On The Boat

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『面白いほどスッキリわかる!「ローマ史」集中講義』

2013-05-12 00:00:29 | 読書。
読書。
『面白いほどスッキリわかる!「ローマ史」集中講義』 長谷川岳男
を読んだ。

駆け足で辿りながらも、要点にはページを割いて説明してくれる
ローマ帝国の歴史本です。

なぜローマ帝国は繁栄したのか、なぜ領土を拡大し続けたのか、
ローマ人とはどういう考えや感覚を共有する人たちだったか、
などが要点です。
どういう戦争をして、どう領土を得ていったかだとか、
皇帝がどう変わっていったかというところが駆け足。

もともと、前の職場の上司に、塩野七生さんの『ローマ人の物語』を
すすめられたのがきっかけとなって買いました。
『ローマ人の物語』のほうは何巻かある長編だというので、
気持ちがくじけてこっちを選んだわけです。
皇帝やコンスルの中には個性が強かったり、まさに英雄だという人がいたり、
また、カルタゴのハンニバルとの戦いが興味をそそったりと、
細かく楽しむには『ローマ人の物語』のほうが適っていそうです。
なんでも、同性愛で女装癖のある皇帝もいたとか…。

しかしながら感じたことは、ローマ人の血なまぐささでしょうか。
昔の中国とか、昔の日本でもそうだと思いますが、
残酷なんですよね。
根っこのしっかりとした宗教に縛られる前の人間って、
こうなるのかなぁと思ったりもしました。
宗教がなければ、人間ってこういう野蛮なものなんだよと
考えられないこともなく…。
無宗教でもモラルがあって、感謝を忘れず楽しく救われて生きる
みたいな世界はいったい何千年後にやってくるのかなと思ったりもし、
それとも滅ぶのが先かなと寂しい気持ちにもなりました。

カエサルたち、共和政から帝政への移行期の動乱の時代っていうのは
やっぱり面白く、たぶん、中国の三国志なんかが好きな人は、
こっちの歴史物語も好きになるのではないかな。
クレオパトラの実物はいったいどんな人だったか、永遠の謎だけれど、
またこの本を読んで気になったところでした。
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