読書。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹
を読んだ。
傑作でした。
『1Q84』や『女のいない男たち』をまだ読んでいないので、
最近の村上春樹作品がどのようなものかは知らなかったのです。
そんなわけで、中盤以降にガツンときました。面白かった。
その心を掴まれた中盤以降の、その前の部分も、
そこまでいくために築き上げていったものですし、
構築のされ方が興味深く、そしてまた面白く読めました。
ここからちょっとネタバレみたいになります。
人と人との繋がりは、傷や痛みなどによってこそのもので、
そういうのこそ真の調和なんじゃないかっていうところ、しびれた。
どすん、と深いところにまでもっていかれましたです。
これはクライマックスのシーンです。
また、僕が思うに、
今作の深いところのテーマになっているのが、
「無意識の意識化」なのではないか、と。
前記の人と人との繋がりの考察においても、
主人公たちの無意識の意識化によってでてきたものでもあって、
無意識の意識化っていうのが、本作品の根底にあるベース音みたいな感じかな、と思いました。
こういうところは、ユング派心理学の河合隼雄さんと交友のあった村上さんだからこその
深みなのではと思わせられるところです。
無意識の深いところでは、人間みなつながっている、
みたいなのがユング派心理学で言われることだと思いましたが、
そういった概念、イメージに近いものも、この作品の中にはでてきます。
しかし、性夢のシーンがうまいですよね。
いやいや、そこか!って思うかもしれないですが、
興奮させられる描写でしたよね。
ま、とにもかくにも、
素晴らしい、力のある作品でした。僕が言うこともないけれど。
どうなんでしょう、みんなこういう春樹さんの作品を読んで、
「自分だ!」みたいに思うから売れるのかなぁ。
また、無意識の意識化っていうものも、「ねじまき鳥」や「世界の終りと…」
あたりからも感じられると思うのだけれど、そこはブレないで
同じことを深度を深めたりしながらやっているように見受けられる。
それって、探求に値する深いテーマ、ということもあるのでしょうけれど、
そういう「色」を読者は求めていて、それにまだ飽きられていないから
続けているっていうことはないんでしょうかね。
少し前に放送された、NHKのスイッチっていう対談番組で、GLAYのTAKUROさんが、
そういうようなことをおっしゃっていたので、「!」と思ったんです。
TAKUROさんは、Jpopの同じようなコード進行だとかは、それをみんな求めているから
やり続けるみたいな感じの話だった。
閑話休題。
春樹さんは力が落ちないですね。
リスペクト。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹
を読んだ。
傑作でした。
『1Q84』や『女のいない男たち』をまだ読んでいないので、
最近の村上春樹作品がどのようなものかは知らなかったのです。
そんなわけで、中盤以降にガツンときました。面白かった。
その心を掴まれた中盤以降の、その前の部分も、
そこまでいくために築き上げていったものですし、
構築のされ方が興味深く、そしてまた面白く読めました。
ここからちょっとネタバレみたいになります。
人と人との繋がりは、傷や痛みなどによってこそのもので、
そういうのこそ真の調和なんじゃないかっていうところ、しびれた。
どすん、と深いところにまでもっていかれましたです。
これはクライマックスのシーンです。
また、僕が思うに、
今作の深いところのテーマになっているのが、
「無意識の意識化」なのではないか、と。
前記の人と人との繋がりの考察においても、
主人公たちの無意識の意識化によってでてきたものでもあって、
無意識の意識化っていうのが、本作品の根底にあるベース音みたいな感じかな、と思いました。
こういうところは、ユング派心理学の河合隼雄さんと交友のあった村上さんだからこその
深みなのではと思わせられるところです。
無意識の深いところでは、人間みなつながっている、
みたいなのがユング派心理学で言われることだと思いましたが、
そういった概念、イメージに近いものも、この作品の中にはでてきます。
しかし、性夢のシーンがうまいですよね。
いやいや、そこか!って思うかもしれないですが、
興奮させられる描写でしたよね。
ま、とにもかくにも、
素晴らしい、力のある作品でした。僕が言うこともないけれど。
どうなんでしょう、みんなこういう春樹さんの作品を読んで、
「自分だ!」みたいに思うから売れるのかなぁ。
また、無意識の意識化っていうものも、「ねじまき鳥」や「世界の終りと…」
あたりからも感じられると思うのだけれど、そこはブレないで
同じことを深度を深めたりしながらやっているように見受けられる。
それって、探求に値する深いテーマ、ということもあるのでしょうけれど、
そういう「色」を読者は求めていて、それにまだ飽きられていないから
続けているっていうことはないんでしょうかね。
少し前に放送された、NHKのスイッチっていう対談番組で、GLAYのTAKUROさんが、
そういうようなことをおっしゃっていたので、「!」と思ったんです。
TAKUROさんは、Jpopの同じようなコード進行だとかは、それをみんな求めているから
やり続けるみたいな感じの話だった。
閑話休題。
春樹さんは力が落ちないですね。
リスペクト。