読書。
『からくり民主主義』 橋秀実
を読んだ。
「からくり・民主主義」ではなくて、「からくり民主・主義」だそうです。
内容に関しては、巻末の村上春樹さんの解説によってすっきりしました。
ノンフィクションなんだけれど、各章に結論というものがない。
それが悪く言えば、著者の意見や考え方が無いように映るのだけれど、
よく言えば、白黒決めずにそのままのかたちで問題をあぶり出していて
真実性があるということになる、というところに、
もやもやがあるんですね、読んでいて。
そういう気持ちわるさを序盤から感じながら、
距離を置いた視点だなあ、だとか、考えちゃうんです。
だけれど、安易に結論や意見をおしつけるような手法というのは、
実はほんとうじゃなくて、著者のように、
深くなるまで深めていく、それも自然にあるがままを見て、
というやり方を経てこそ、言えることってでてくるのでしょう。
村上春樹さんが解説でそのようなことを書かれていて、
「ああ!」と思いました。
物書きとはかくありたいですね。
また、もう10年以上前の本だから、トピックが古いのです。
しかし、いまに繋がる「しがらんだ世界」がそこにはあるのでした。
そして、春樹さんがいうように、
それが「ぼくらが生きている困った世界」なのでした。
短気をおこさず、困ったものは困ったものだとして、
正統に弱りはててみる。
そういう姿勢だってあるんだよって、
この本で教えられたような気がします。
ぼくはけっこう、場合のよっては気の長いところがあるというか、
物事を留保しながら考えるところがある人なのですが、
著者の橋秀実さんほど徹底して、
弱っちゃうくらい困るまで、現実をありのまま見ることって、
たぶん耐えられないんですよ。
こういう橋さんの姿勢っていうのは、
声高にものを言って、主張を押し通そうとするような、
パワーで意のままにしようとする、
いま流行にみえる風潮とは正反対だなあと思いました。
『からくり民主主義』 橋秀実
を読んだ。
「からくり・民主主義」ではなくて、「からくり民主・主義」だそうです。
内容に関しては、巻末の村上春樹さんの解説によってすっきりしました。
ノンフィクションなんだけれど、各章に結論というものがない。
それが悪く言えば、著者の意見や考え方が無いように映るのだけれど、
よく言えば、白黒決めずにそのままのかたちで問題をあぶり出していて
真実性があるということになる、というところに、
もやもやがあるんですね、読んでいて。
そういう気持ちわるさを序盤から感じながら、
距離を置いた視点だなあ、だとか、考えちゃうんです。
だけれど、安易に結論や意見をおしつけるような手法というのは、
実はほんとうじゃなくて、著者のように、
深くなるまで深めていく、それも自然にあるがままを見て、
というやり方を経てこそ、言えることってでてくるのでしょう。
村上春樹さんが解説でそのようなことを書かれていて、
「ああ!」と思いました。
物書きとはかくありたいですね。
また、もう10年以上前の本だから、トピックが古いのです。
しかし、いまに繋がる「しがらんだ世界」がそこにはあるのでした。
そして、春樹さんがいうように、
それが「ぼくらが生きている困った世界」なのでした。
短気をおこさず、困ったものは困ったものだとして、
正統に弱りはててみる。
そういう姿勢だってあるんだよって、
この本で教えられたような気がします。
ぼくはけっこう、場合のよっては気の長いところがあるというか、
物事を留保しながら考えるところがある人なのですが、
著者の橋秀実さんほど徹底して、
弱っちゃうくらい困るまで、現実をありのまま見ることって、
たぶん耐えられないんですよ。
こういう橋さんの姿勢っていうのは、
声高にものを言って、主張を押し通そうとするような、
パワーで意のままにしようとする、
いま流行にみえる風潮とは正反対だなあと思いました。