読書。
『スノーグース』 ポール・ギャリコ 矢川澄子 訳
を読んだ。
ニューヨーク生まれで世界を旅した作家、
ポール・ギャリコの三つの短編を収録した本。
このなかでは表題作の「スノーグース」が
やっぱりいちばんかなという感想ですが、
あとのふたつ、「小さな奇蹟」「ルドミーラ」もよくないわけじゃない。
しかし、三つともそうではあるのだけれど、
あとのふたつのほうが、キリスト教的な色彩が濃いです。
もう、キリスト教は土着の宗教だ、
といってしまいたいくらい、生活の土台にキリスト教があって、
その価値観のうえで成り立つ短編でした。
「スノーグース」のほうが古い作品なのに、
まだ現代的でした。
三作品に共通しているのは、
報われないものを描いていること。
そして、報われないながらも、
その主人公たちの気持ちや心構えが清いがために、
彼らを主軸とする物語がうつくしい。
さらに、奇跡というスパイスを作者がふりかけて、
なにか、聖なるものごとへと物語を昇華させているふうでもあります。
日本人からすると、
キリスト教的すぎてうけつけない、
と毛嫌いしてしまう心象を持ったとしてもおかしくないかなあと思いました。
まあ、そうであっても、「聖性」というんですかね、
そういったものは、宗教の垣根を超えて、
読む者のこころにひしひしと伝わってくるのではないでしょうか。
『スノーグース』 ポール・ギャリコ 矢川澄子 訳
を読んだ。
ニューヨーク生まれで世界を旅した作家、
ポール・ギャリコの三つの短編を収録した本。
このなかでは表題作の「スノーグース」が
やっぱりいちばんかなという感想ですが、
あとのふたつ、「小さな奇蹟」「ルドミーラ」もよくないわけじゃない。
しかし、三つともそうではあるのだけれど、
あとのふたつのほうが、キリスト教的な色彩が濃いです。
もう、キリスト教は土着の宗教だ、
といってしまいたいくらい、生活の土台にキリスト教があって、
その価値観のうえで成り立つ短編でした。
「スノーグース」のほうが古い作品なのに、
まだ現代的でした。
三作品に共通しているのは、
報われないものを描いていること。
そして、報われないながらも、
その主人公たちの気持ちや心構えが清いがために、
彼らを主軸とする物語がうつくしい。
さらに、奇跡というスパイスを作者がふりかけて、
なにか、聖なるものごとへと物語を昇華させているふうでもあります。
日本人からすると、
キリスト教的すぎてうけつけない、
と毛嫌いしてしまう心象を持ったとしてもおかしくないかなあと思いました。
まあ、そうであっても、「聖性」というんですかね、
そういったものは、宗教の垣根を超えて、
読む者のこころにひしひしと伝わってくるのではないでしょうか。