Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

悪口キャラの不思議。

2020-06-23 22:57:50 | 考えの切れ端
「なんでそんなに悪口を言うのよ?」っていいたくなる人っている。
それなりに付き合いが深くとも、
毎度会うたびに四方八方に悪口を飛ばしているのに接すると、
つきあいでうなずいたり笑ってやったりするのにもそのうち疲れてきて顔がひきつってくる。

で、自分では「毒舌キャラなのだ」と
そのポジションに居心地の良さを感じているのですよ、悪口の多い人。

悪口を言うことで、
自分が他者から悪く言われたりすることの予防線を張っているんじゃないかと思えるときがある。
「自分が悪口を言ったから、自分も何か言われました」と。
悪口は、自分の肉や骨を切らせないためのフェイクなのではないか。

自分がおかしいことをしたときに悪口を言われるのを回避するため、
または、自分はちょっと奇矯なところがあるのだけれどそこに目をつけさせないため、
悪口キャラ(毒舌キャラ)でいることで、
吐きだす言葉自体や、悪口という攻撃的ベクトルに他者の目を向けさせて
自分本体に手を触れられないようにする。

自分が攻撃されるときに、
「悪口を言っているからその反撃としてなのだ」
という理由が欲しいのだろうと思えるときがあります。
「けっして自分が変なんじゃないし、
自然なときの自分はどこもはみだしていない。
そんな自分が他者から何かを言われるのは自分が悪口を言うからだ」という予防線。
自信のない毒舌キャラ。

裏を返せば、
「自分は変だし、自然なときの自分はどこかにはみだしている。
だから、いつ誰かからいじられたり悪く言われたりするかわからない。
だから、カモフラージュとして、そしてある種のフェイント的な役割を期待して、
悪口を連発するんだ。それも先手で」
ということになる。

……ということなんですが、
すべての悪口キャラに当てはまるかどうかは……、
おそらく最大公約数的なものではありませんが、
まるでこういうタイプの人がいないわけでもないでしょう。

また、たとえば、
「先に言った方が勝ち!」
っていう場面ってあって、
これはこれでけっこうありふれているし、
マウントを取りにくる人は使用頻度の高い戦法だと思う。
今回考えてみたところの「悪口」の使い方も、
「先に言った方が勝ち!」なんですよね。
少なくとも、当人にはそう思えて、先手を打てれば気持ちは安泰です。

これって、ぜんぜん、良いことじゃないのだけれど、
どうしてこういうことになるかといえば、
負けたくないからです。
負けたらどうなるかが怖いからです。
負けたらもうずっと敗者のレッテルを貼られて、
敗北者の階層に落とされて這い出られないと信じているからです。
そして、そう思わせるだけの社会でもあるからじゃないですか。

こういうふうに考えてみると、
悪口ってくだらないな、という感覚がいちだんと強くなりました。

風刺や批判とかとはまた別なんですが、
風刺の体でいて悪口のものもありますよね。
じゃれあいだとか、ほんとうに頭に来てだとかで
悪く言ったりすることは僕にもあります。
でも無益な悪口はないほうがいいなあ。

あなたは、どうでしょうか?
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