☆環境問題としての対処・ 「地球温暖化」が様々な形でクローズアップされ世界的に環境問題が大きく議論されるように成ってきた。
・新しいビジネスチャンスとして、カーボンマネージメントが取上げられている。 ヨーロッパでは「自然との共生」が大きなテーマとなり、自然との触れ合いを感じる、マラソン、トライアスロンが近年盛んになっている。昨年末にドイツのトライアスロンに参加した人がこの様な「自然と触れ合うスポーツ」に対する国民の意識の高さに驚いていた。日本は島国であり、情報に欠ける部分が多いのかもしれない。
・‘08/1/28(クローズアップ現代NHK)ダボス会議 排出ガス規制 等。
・今こそ、この議論を様々な視点から考える必要があると思うが、しかし、世界的合意になるまでには相当の時間が掛かるだろう。
・現状日本の中古車輸出は使用済みの自動車を輸出して、「排出ガスは自分の所だけ綺麗にして、世界の他の国へ産廃物を撒き散らしている」のと同じである。
☆曲がり角に来た自動車産業
・新車販売の飽和と低迷。限りある資源として石化燃料の枯欠。必然的に自動車は大型化から小型化へと変わる需要動向。「新車台数増=売上増」と言う考え方を大きく変える必要がある。規模の縮小、発想を変えざるを得ない自動車メーカー、「新車中心」の考えから「中古車の世界的流通までを考えた車造り」
・車両の耐用年数長期化に伴う中古車流通段階への対応。使用年数の長期化は中古車流通の過程で何回も商品化の機会が生じる。従って、商品化しやすい車、商品化用の部用品の供給が必要となって来る。(殆んどが中古車業者、モーター屋等の手を経る)
・シート、ドアートリム、リヤーパーセル、(オーディオスピーカーの取り外し、日焼けによる交換)等、商品化のポイント部位について作業し易い車造りや、安価な補修部品の供給が必要である。(一部シートの端布れ付きは既に一部採用している車種も有る)
・最近の車両は一頃の車に比べて防錆性能は格段と向上した。これが車両の使用年数を長期化させている一因ともなっている。「中古車の流通までを考えた車造り」は「資源の活用」になる。
・中古車流通面で海外輸出(特に難販車)は、見過ごしに出来ない市場である。中古車需要の多い発展途上国は購買力も乏しく補修部品として第二純正的な物や中古部品の供給が必要である。
・海外流通を考えた左ハンドル改造の容易な車造り。(現状では難しいことではあるが)
・廃棄物処理規制とリサイクルへの対応を考えるとき世界的な視野で考える。(国内の産廃物自動車が海外へ出ることを防ぐ)
・日本のハイヤー・タクシー車はLPG燃料としているが、下取車のLPG残留ガスとLPGボンベの処理が解体上大きなネックになっている。ボンベ、ベーパーライザー等は走行キロに関係なく、下取り時にも殆んど痛んでいない。ボンベメーカーは新品を生産するだけでこの問題には無関心である。「ボンベのガソリンタンクとの共用化を考える」ような発想の転換が必要である。
☆地球環境の維持
・自動車と都市再開発による高層ビル群が地球温暖化の最大の要因となっている。
・これ等の防止には「用途地区の変更」による高層化の制限や禁止をすべきである。 経済成長の一番の要因は用途地区の変更による土地価格の値上がりにある。不必要な道路造りもこの一環であり、土地を主体にした「有効需要拡大」の方策を考え直す必要がある。
・石化燃料を使わない自動車へのシフト、ハイブリッド化
・自動車製造技術と品質向上による耐用年数の長期化=発展途上国、経済力の弱い国の自動車需要に対する流通の円滑化=地球資源の効果的利用
☆終わりに
さて、冒頭のテーマを見て「何で2070年なの?」と言う質問をお持ちになるだろう。これと言った理由は無い。自動車が出来て100年に喃々としているが、余り世界規模で考えられた事は無いようだ。それで、現状の様に世界では様々な使われ方をして、需要に応じた流通をしている。又、日本の都市再開発は一体何個の部屋や住居を作ったらいいのか?際限なく開発をするのではなく、上限を決めて考えるべきでは無いだろうか?昨今は第二次大戦後、焼け野原から立ち直った東京都心は再開発ブームで銀座のように街並みが大きく変わっている。再開発されたビルに入ったテナントも供給過剰に依る競争激化と高家賃で経営状態は一様に苦しいようである。地震等の災害が起きない限り、ビルの耐用年数は60年程度(実際には車と同様に耐用年数は長期化していると思う)であろう。いずれにしてもこれから先2070年頃には今と同じ様なビルの建て替えで都市再開発のブームが起こると思われる。そんな漠然とした2070年である。
EUも現在の連帯から如何いう形(通貨統一、通行区分統一等)に進化していくか解らないが、発展途上国に於ける交通手段としての自動車の必要性は益々大きくなる。そして、それは新車だけでなく使用期間の長期化と経済的な理由で中古車市場の広がりをもたらし、世界的に保有台数は倍増して行くだろう。「通行区分」の問題はドーバー海峡横断道路建設の初期に参画した人や色々な人に聞いてみたが、こう言う問題には、「余り気付かなかった」ようである。急速にグローバル化する世界の中で、ロジステイックは極めて重要な位置を占める。船舶、航空機、鉄道、はそれぞれ大枠での「世界統一ルール」は決まっている。輸送機関としての「自動車」の役割は大きく、地球規模の「安全と繁栄」のためには「通行区分の世界統一」が必要だと思う。「60年後の世界に於ける日本」を考える時、この様な視点を変えた川下から川上を見る議論も必要だと思う。
P,S 最後にブログを見てくれた昔のスタッフから幾つかのメールを頂いている。其の中の一つを紹介しよう。
ご無沙汰しております
久しぶりに懐かしい写真を見せていただきました。
あれからずいぶんと月日がたちました。
大きく変化した業界もあれば相変わらずの業界もあり、皆それぞれに生き残りをかけているようです。
オークションも最近は輸出向けの商いが多くなりました。
程度が悪い黒色セダンが信じられないような価格で取引されることがあります。たぶん輸出用でしょう。
左ハンドル設定で海外販売されている車種は、輸出向けに取引されることが多いようです。
左ハンドル改造も今では中国のプラスチック加工業者が豪華な写真入りカタログに堂々と左ハンドル改造パーツ(インスト、スイッチ、ダクト等々)を掲載し、安価(セット6万~)でパーツを販売しています。
当社でも左ハンドル改造パーツについて問い合わせを受けており、現在サンプル品を輸入し検討中です。
中東向けの車両は日本で仕入れた右ハンドル車を一旦中国又は韓国で改造し、中東へ送っていました。
しかし、それでは手間がかかるため、日本で改造してダイレクトに中東に送る事を考える業者が出てきました。
打合せのため出かけると、国内改造業者はなんとメーカー系の会社でした。
懐かしい古びた工場の片隅で左ハンドルに改造しています。
メーカー系の会社が輸出用車両の改造をするなんて、世の中ずいぶんと変わったものです。
左ハンドル改造やら輸出向け中古車なんて、考え方は社長の下で働いていた頃と何ら変わりはありませんね。
変わるのは企業のポジションだけで、中古車ビジネスの基本は変わらないまま推移していくような気がしてます。
お体に気を付けてお過ごしください。 S,Oより。