☆自動車の国際基準の統一
自動車認証基準、EUと統一 25日にEPA交渉開始で合意 日本車輸入増と警戒も SankeiBiz2013.3.22 07:00より。
・政府が自動車の安全や環境性能の認証基準を欧州連合(EU)などと統一する方向で検討に入ったことが21日、分かった。日本とEUは25日に東京で首脳会談を開き、経済連携協定(EPA)交渉の開始で正式合意するが、日本側は焦点の自動車分野で市場開放に取り組み、EU側に関税撤廃を求める。
・日本国内で乗用車を販売するには一部輸入車種を除き書類とサンプル車両の審査で認証基準を満たす必要がある。
・欧州企業は現在、自国と日本の双方で審査を受ける必要があるが、基準を共通化すれば自国で認証を受けた車種は日本の審査を受けなくても販売できるようになる。
・EU側にはEPAで現行10%の輸入車関税が撤廃されれば、日本車の輸入が増えるとの警戒が強い。
☆国際的な車両型式認証の相互認証制度、実現に向け前進
レスポンス2013年3月20日(水) 14時15分より
・国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第159回会合がジュネーブで開催され、日本が2016年の創設を目指して提案した「国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)」が、実現に向けて大きく進展した。
・IWVTAは、自動車に関する認証の相互承認を、これまでの装置単位から、車両単位へ発展する制度。制度が実現すれば、1カ国で車両認証を取得した自動車は、IWVTAに加盟している世界各国で受け入れられ、自動車メーカーなどは業務削減によるコスト低減が図れる。
・会合では1958年協定について、IWVTAの実現に必要な改正を行うための改正案(素案)がまとめられ、今後、日本がIWVTAの実現に必要な安全・環境基準の整備を主導して進めていくことを提案し、了承された。
・また、衝突被害軽減ブレーキなど、急速に普及が進む先進安全自動車(ASV)技術について情報表示や操作方法の簡素化と統一などを通じた安全性向上を図るためのガイドラインを、日本が主体となって取りまとめ、了承された。
・チャイルドシートに関する安全基準についても、日本で実施されている試験方法と整合をとるための基準改正を日本が提案し、満場一致で採択された。
・今後、日本が中心となってIWVTAの実現を含む自動車基準の国際調和、認証の相互承認が推進され、アジアの新興国を含む世界各国で、安全・安心な車社会の実現に向け環境整備が進むことが見込まれる。
☆衆議員予算委員会で“TPP”問題の審議
上記のようなニュースが飛び込んできた。TPP問題は農業が中心で議論されているが、関税問題の本当に大きい問題は「自動車」だと思う。上記のような組織で自動車基準が議論されていることは恥ずかしながら現職時代から全然知らなかった。予算委員会でハンドル問題を甘利大臣が発言されたが大臣もこう言う会議があるのはご存じだろうか?Wikipediaにも載って居ない会議だ。「安全基準」と言うと「道路運送法保安基準」が中心の問題に成り、主管は元運輸省現国土交通省だ。「次世代自動車」のパブリックオピニオンは経済産業省が集めている。前回のパブリックオピニオンで纏められたのは、確か小型EVだと思うが、現行の保安基準との適合性等疑問が多かった。一体、現行保安基準との整合性はどうなるんだろう?又、「道路交通法」は警察庁が主管となるが、これとの整合性は、どうなるのだろう?と言う疑問が湧いてきた。僕が現役時代に運輸省には随分と足を運んだ。又、通産省にも。通産省の自動車課は人数も少なく殆どの人が自動車流通、特に中古車問題は解らない人が多く、良くレクチャーさせられた。上記のニュースを見て「一体この国際会議に参加するのは、どこの役所に成るのだろう?」とンターネットで調べて見た。http://www.mlit.go.jp/common/000993000.pdf 国土交通省のサイトである。良く出ていた。確かに1958年から国連の中で議論されて居る様だ。然し、内容は自動車の安全面、公害問題が中心で今の時代には適さないだろう。TPPで議論される関税問題は全然考慮されて居ない。国連とTPPと参加国も違うし如何調整を付けて行くのだろう。発展途上国は、先ず初めに、自動車を使う環境整備が必要だ。これは「道路と通行区分」が第一だ。日本の保安基準がいくら優れていても国際競争が激しくなった時メーカーはコスト削減が必須条件に成る。何か、関税問題、型式認証基準問題(新車だけでない、中古車の問題)、国連、TPP参加国、役所の主管体制等余りにも問題が大きすぎる。「左側通行の日本」が中心に成って日本の整備された道路運送法の保安基準を基準に会議を進めても「右側通行の国」はどんな反響を示すのか?非常に興味がある。
☆自動車メーカーは合理化が必須
線香花火の様に持て囃された韓国の現代自動車も経営が揺らいで来たようだ。それぞれの国の経済力格差が自動車需要を齎し無理に価格の安い車を売ろうとして価格競争になる。やがて自動車産業の整理淘汰が国際的に一層具体的に合併、提携と言う形で進むだろう。勿論、燃料問題が大きな要素に成ることは間違いない。此の為に、今のメーカーは、プラットホームの共用化とか、部分品の共用化とかコスト削減に動いている。然し、左ハンドル、右ハンドルを統一すると言う様な議論は聞いたことが無い。自動車は、世界各国規模で必要なものである。自動車メーカーが無駄な競争を止めて、国際的により安全と安価に傾注した車造りが大事だと思う。