*日本には、町内会、自治会など、地域の管理組合がありますね。マンションには、区分所有者で構成さ‛れるHome Owners’ Association (HOA) があります。言葉の感覚が違うので、ちょっと説明してみます。日本語で言うと、“多世帯住宅”は、色々な形態があって、コンドミニアム(日本で言う、個人が所有しているアパート・マンショん)、タウンホーム・タウンハウス、duplex/triplex (一軒の建物の中に、2-3つい分かれているもの)など。 HOAは、マンションの一戸一戸を所有する区分所有者で構成される法人で、マンションの共用部分の管理、維持保全、日常的な業務などを円滑に行うために設立されているのです。
私は、10年前に“コンドミニアム”を購入。86件のコンプレックス。コンドミニアムの個人の所有権は、壁から壁。それ以外は、共有部分。HOAの管理組合は、区分所有者の投票で当選した5人で形成されていて。管理組合が、HOAマネージメント会社を雇って、共用部分の管理、維持保全、日常的な業務―具体的に言うと、リサイクル・ゴミの処理、植木・緑地の維持、修理などの手配などをしているわけです。また、彼らのもうひとつの仕事は、住民が、規則やガイドラインを守って暮らしているかの点検。これが、“グレーエリア”(白黒が曖昧)で、問題になることが、しばしば。
昨年まで、私は、管理組合の投票には、関わっていなかったのですが。何でって、候補者を個人的に知らなかったので、投票するにも判断ができないので。前回は、その時の管理組合のメンバーに不満を持った住民がグループになって、再選挙を要求。その以前に、当時の管理組合の一人とコミュニケーションを取る機会があったので、私は、初めて、投票。元の管理組合のメンバーを投票することに (新しい候補者には、認識がなかったので)。投票率は、住民の53%。その中で、85%の人が新しいグループに投票したので、新管理組合ができたわけです。
そして、HOAマネージメント会社。私の経験によると、管理会社の人とは、あまり良い経験がない。管理会社は、規則の執行人なので、住民からの文句が出たら、規則に従って、対応しなければならないのが仕事の一つ。プールの鍵をくれとか、簡単なリクエストは、良い対応をしてくれたけど、問題が混み合ってくると、頭の良い判断・コミュニケーションができていなかった。新規に違った管理会社を見つけるけることが、今の管理組合のひとつの目標で、先月から、管理会社が交代。
多世帯住宅は、他人との共同生活。文句を言う人もいれば、ガイドラインに従わない人もいる。アメリカは、訴訟が多いので、契約書が日本に比べると、かなり細かく書かれている。購入時の書類は、100ページ以上あったのでは。かといって、みんながみんな、全部読んで、理解しているとは限らない。私もそのうちの一人で、他の人の理解の度合いは、まちまち。そのような中での共同生活。管理組合の人も、そう。話をしてみると、彼らの規則の理解の度合いは、まちまちのようだ。
そんな中で、たとえば、植木。規則によれば、“個人の所有物は、共有地に‘格納’してはいけない”鉢植えの植木が、階段の下の空いているスペース、バルコニー周囲の緑地などに置かれている。その中で、私のところに“すぐに撤去するように”との忠告が来る。それは、誰かが文句を言ったので、うちだけに送られて来たのか? 新しい管理会社に変わったので、彼らが、植木を出している所有者全員に忠告をしたのか?管理会社に、“共有地の定義”を聞いたけど、答えは高校生のようなもの。これは、民法と地方自治体の混じったもの。本当に、契約・定義を理解しているのか? 連絡を取って、返事がこない。ので、2回もフォローアップしたけど、それでも返事がこない。多分、厄介がられて、避けられているのだろう。日本社会では、考えられないカストマーサービス。
今まで、あまり気にかけていなかった多世帯住宅の意味と暮らし。私みたいに気にかけてない人が住民の大半だと思う。これって、規則と政略の駆け引き。今回の経験が、ネガティブの結果ではなく、良い学ぶ機会になればいいんですけど。