TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

ガロアの理論の思い出

2014年12月28日 12時21分09秒 | 数学

学生時代のこと。代数学の講義に期待を寄せていた。ガロアの理論が分かりたい、
ということである。
しかし、当時は大学紛争の盛んな頃、私たちの大学の校舎も一部学生たちによって
バリケード封鎖されてしまった。
大学三年生のことだった。授業が行われなかったので、学生たちは自学する者たちと
バイトにあけくれる者たちに分かれたと思う。自学する学生たちの中で、自主的に
読書会を始めようということになった。いわゆる「自主ゼミ」であった。

この読書会は2年生のころからあった。その延長がガロアの理論学習会となった。
しかも教材として使う本は洋書。英語で書かれていたものだった。当時、専門書が
1000円ほどする中で、洋書はその3倍ほどしたと思う。ラーメン一杯80円の時代。
学生の一人が本を提供し、それをコピーしてみんなで読みあった。形式は輪番で一人が
講師役をし、本の内容を説明したり補足し、周りの学生が質問して進んでいった。
10人ほどが参加し、その中からは学者になっていった者もいた。

 しばらくして封鎖された大学の校舎は機動隊によって封鎖が解除され、
また普通の生活に戻った。3年生の代数学の講義では先生の好意により、ガロア
理論が取り上げられ、自主ゼミに参加した学生が先生に代わって発表し、先生が
最後にまとめるといった講義形式になった。私も一度だけ発表の機会をもらった。
講義に使ったレジメはガリ版印刷で、その多くは私が印刷したと記憶している。

 今では懐かしい想い出となった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする