先週、ニューヨークワインセミナー が都内で開催されました。
テーマは2つ。
ひとつは、世界の中のワイン市場としてのNY、もうひとつはワイン産地としてのNY。
それを語るのは、NY最大のワインショップ「Astor Wine & Spirits」のバイヤー、
みさき・レイノソさん。

みさきさんは、NYの大学卒業後、飲食、ワインの分野でさまざまな経験を積み重ね、2013年2月より、売り場面積1000m2を誇るアスターのバイヤーとして活躍されています。

まずは、ワイン市場としてのNY。
日本の東京を中心としたワインマーケットと似ているのか?どう違うのか?興味あるところです。
まず、NYはアメリカNo.1の都市で、NYから始まったトレンドが他の地域に波及していくという点で、日本の首都・東京とよく似ています。
しかし、NYは多様な人種、バックグラウンドの人が集まるダイナミックな都市。
ワインの需要も多く、それに対する供給も多いようです。
NYに集まるワインとしては、地元アメリカワインはもちろん、南米、フランス、イタリア、スペインをはじめとしたヨーロッパ産地、ギリシャ、トルコなど、非常に多彩で、すべての産地のワインが集まるようです。
その中でのトップはフランスで、2位がイタリア、この2国で70~80%になり、アメリカ、チリ、アルゼンチン…といった産地が30%前後。
トレンドを見ても、フランスはボルドー、シャンパーニュの人気が高く、イタリアはピエモンテ州が安定しているといいます。
ただし、名前ではないバリューなワインを求める傾向も強くあります。
例えば、昔は高いレストランでスーツ姿のソムリエが高いワインを勧めるスタイルが多く見られたのに、今は、カジュアルダイニングやピザ屋でもワインが充実し、Tシャツにジーンズ姿のソムリエや、次代を先取りするヒップスターソムリエが客の好みのものを尋ねるスタイルに移行しているようです。
押しつけがなくなっているので、客は自分好みのバリューなワインを気軽に楽しめます。
カジュアルな場で飲めるようになってきてることもあり、NYでは、ワインは若い世代にも身近なものになり、若い飲み手が育ってきているといいます。
昔は背伸びしないと飲めないものでしたが、今は身近で、生活の一部になってきています。
日本でも、ワインバル人気で、若い世代もワインに触れる機会が多くなってきていると思いますが、どういったワインを飲んでいるか?その中身が違いそうな気がします。飲み放題ワインかもしれませんし、ね。

さて、先述した、フランス、イタリア人気以外のNYのワイントレンドとしては、
フランスのジュラが来て、もう終わった、
ロゼワインは、3、4年前から来てブレイクしたが、業界関係者がもう飽きてきている、
ポルトガル、トルコ、クロアチア、ハンガリー、オーストリアなど、今まで話題になっていなかった国、
地元NY州のワイン、
これまでにないアメリカワイン(アイダホのリースリング、メイン州、ヴァージニア州等、
ビオワインは終わり、自然派だからというチョイスはない、
オレンジワインは3、4年前に来たが、一般の人には難しい、
ジョージア(旧グルジア)、東ヨーロッパが、今、来ている(ただし東欧の価格は高くても20ドルまで)、
ネイティブなブドウのワイン(オーストリアのグリュナー・フェルトリナー、フランスのピノドニス、ガメイ、トゥルソー、スペインのメンシア等々、
と、なかなか面白い様相です。
さらに、同じトレンドの中でも、最初は安いワインがウケたけれど、だんだんと価格の高いものにシフトしていく動きがあるようで、これはよくある流れでしょう。
ただ、NYのワイントレンドサイクルは非常に短く、次から次へと変わっていくそうです。
これはニューヨーカーの気質なのでしょうか、他の人のマネはしたくない、誰かが言ったから、というのはなく、自分の味覚を信じ、これまでにないもの、新しいものへと、どんどん移っていくのだそうです。
一方、日本のマーケットは、何かがヒットすると、柳の下のドジョウを狙い、底が見えなくなるまで掘り下げ、同じもの、似たようなものを次々と出していく傾向があるように思います。
ニューヨーカーが“移り気”気質なら、日本人は、“執着&粘着気質”かもしれません。
日本は、ひとつのトレンドが、比較的長いスパンで留まりがちかも?
常に新しいもの、どこにでもなかったものを探し求めるNYの動きは、日本人には追いつけませんし、そもそも追いつく気もないかもしれません。
ですが、このNY的なトレンドの捉え方を理解しておくと、ビジネス的ないいヒントが見つけられるのではないかと思います。

ちなみに、トレンドではなく、シーズンごとのNYのワイン傾向があるそうで、
春は10ドル以内の白かロゼ、
夏は安い白かロゼ、(春よりも安そう?)
秋は赤ワインで、9月はヴァルポリチェッラ(伊ヴェネト)、10~11月はアマローネ(伊ヴェネト)、
クリスマスギフトには、生まれ年のヴィンテージポートかマデイラなどを探す人が多い。
季節的な傾向は、日本でも似たような感じかもしれませんが、クリスマスシーズンのヴィンテージポートやマデイラは聞かないですね。
日本では、生まれ年や記念年のワインを探す人はいますが、ポートやマデイラは、なかなか手を出さない分野でもありますからね。
でも、これはなかなかいいヒントだと思います。ポートやマデイラの方が、古くても意外とお値打ちな価格で購入できますから、大事な方への贈り物候補として覚えておくといいでしょう。
長くなりましたので、ワイン産地としてのNYは次回に → コチラ


テーマは2つ。
ひとつは、世界の中のワイン市場としてのNY、もうひとつはワイン産地としてのNY。
それを語るのは、NY最大のワインショップ「Astor Wine & Spirits」のバイヤー、
みさき・レイノソさん。

みさきさんは、NYの大学卒業後、飲食、ワインの分野でさまざまな経験を積み重ね、2013年2月より、売り場面積1000m2を誇るアスターのバイヤーとして活躍されています。

まずは、ワイン市場としてのNY。
日本の東京を中心としたワインマーケットと似ているのか?どう違うのか?興味あるところです。
まず、NYはアメリカNo.1の都市で、NYから始まったトレンドが他の地域に波及していくという点で、日本の首都・東京とよく似ています。
しかし、NYは多様な人種、バックグラウンドの人が集まるダイナミックな都市。
ワインの需要も多く、それに対する供給も多いようです。
NYに集まるワインとしては、地元アメリカワインはもちろん、南米、フランス、イタリア、スペインをはじめとしたヨーロッパ産地、ギリシャ、トルコなど、非常に多彩で、すべての産地のワインが集まるようです。
その中でのトップはフランスで、2位がイタリア、この2国で70~80%になり、アメリカ、チリ、アルゼンチン…といった産地が30%前後。
トレンドを見ても、フランスはボルドー、シャンパーニュの人気が高く、イタリアはピエモンテ州が安定しているといいます。
ただし、名前ではないバリューなワインを求める傾向も強くあります。
例えば、昔は高いレストランでスーツ姿のソムリエが高いワインを勧めるスタイルが多く見られたのに、今は、カジュアルダイニングやピザ屋でもワインが充実し、Tシャツにジーンズ姿のソムリエや、次代を先取りするヒップスターソムリエが客の好みのものを尋ねるスタイルに移行しているようです。
押しつけがなくなっているので、客は自分好みのバリューなワインを気軽に楽しめます。
カジュアルな場で飲めるようになってきてることもあり、NYでは、ワインは若い世代にも身近なものになり、若い飲み手が育ってきているといいます。
昔は背伸びしないと飲めないものでしたが、今は身近で、生活の一部になってきています。
日本でも、ワインバル人気で、若い世代もワインに触れる機会が多くなってきていると思いますが、どういったワインを飲んでいるか?その中身が違いそうな気がします。飲み放題ワインかもしれませんし、ね。

さて、先述した、フランス、イタリア人気以外のNYのワイントレンドとしては、
フランスのジュラが来て、もう終わった、
ロゼワインは、3、4年前から来てブレイクしたが、業界関係者がもう飽きてきている、
ポルトガル、トルコ、クロアチア、ハンガリー、オーストリアなど、今まで話題になっていなかった国、
地元NY州のワイン、
これまでにないアメリカワイン(アイダホのリースリング、メイン州、ヴァージニア州等、
ビオワインは終わり、自然派だからというチョイスはない、
オレンジワインは3、4年前に来たが、一般の人には難しい、
ジョージア(旧グルジア)、東ヨーロッパが、今、来ている(ただし東欧の価格は高くても20ドルまで)、
ネイティブなブドウのワイン(オーストリアのグリュナー・フェルトリナー、フランスのピノドニス、ガメイ、トゥルソー、スペインのメンシア等々、
と、なかなか面白い様相です。
さらに、同じトレンドの中でも、最初は安いワインがウケたけれど、だんだんと価格の高いものにシフトしていく動きがあるようで、これはよくある流れでしょう。
ただ、NYのワイントレンドサイクルは非常に短く、次から次へと変わっていくそうです。
これはニューヨーカーの気質なのでしょうか、他の人のマネはしたくない、誰かが言ったから、というのはなく、自分の味覚を信じ、これまでにないもの、新しいものへと、どんどん移っていくのだそうです。
一方、日本のマーケットは、何かがヒットすると、柳の下のドジョウを狙い、底が見えなくなるまで掘り下げ、同じもの、似たようなものを次々と出していく傾向があるように思います。
ニューヨーカーが“移り気”気質なら、日本人は、“執着&粘着気質”かもしれません。
日本は、ひとつのトレンドが、比較的長いスパンで留まりがちかも?
常に新しいもの、どこにでもなかったものを探し求めるNYの動きは、日本人には追いつけませんし、そもそも追いつく気もないかもしれません。
ですが、このNY的なトレンドの捉え方を理解しておくと、ビジネス的ないいヒントが見つけられるのではないかと思います。

ちなみに、トレンドではなく、シーズンごとのNYのワイン傾向があるそうで、
春は10ドル以内の白かロゼ、
夏は安い白かロゼ、(春よりも安そう?)
秋は赤ワインで、9月はヴァルポリチェッラ(伊ヴェネト)、10~11月はアマローネ(伊ヴェネト)、
クリスマスギフトには、生まれ年のヴィンテージポートかマデイラなどを探す人が多い。
季節的な傾向は、日本でも似たような感じかもしれませんが、クリスマスシーズンのヴィンテージポートやマデイラは聞かないですね。
日本では、生まれ年や記念年のワインを探す人はいますが、ポートやマデイラは、なかなか手を出さない分野でもありますからね。
でも、これはなかなかいいヒントだと思います。ポートやマデイラの方が、古くても意外とお値打ちな価格で購入できますから、大事な方への贈り物候補として覚えておくといいでしょう。
長くなりましたので、ワイン産地としてのNYは次回に → コチラ


