ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

私のイチオシロゼシャンパンの正体は…

2016-12-10 17:11:32 | ワイン&酒
12月も1/3が過ぎ、飲み会やパーティーも多くなってきました。
クリスマスもあと2週間だし、クリスマスが終わると、すぐに年末年始。早い!

クリスマスや新年会などのパーティーでは、普段は安いスパークリングしか飲まない人も、ちょっと奮発し、シャンパーニュを選ぶこともあることでしょう。

シャンパーニュの選び方は色々あり、とにかくシャンパーニュであればいいという人もいれば、ブランドや銘柄名を指定する人もいるかと思います。

先日ご紹介しましたが、現在発売中の「東京カレンダー」1月号“私とシャンパンとつまみ”という企画で ロゼシャンパーニュを提案 させていただきました。

ご覧になっていない型のために、本日、その正体を明かしたいと思います。

そのシャンパーニュとは Champagne PIPER-HEIDSIECK Rose Sauvage NV



パイパー・エドシックは赤いエチケットが印象的なので、あ、知ってる!と思う方も多いでしょうか。

画像の右端が、今回の私のイチオシの「Rose Sauvage」

左端の赤いエチケットのボトルは、「Essentiel Cuvee Brut」。
この赤は、情熱、大胆さ、エネルギー、ピノ・ノワールを表現しているそうです。

そんなことから、パイパー・エドシックは、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞の公式シャンパーニュ・メゾンとして、レッドカーペットを華麗に彩っています。

創業は1785年で、シャンパーニュで最も古いメゾンのひとつです。
シャンパーニュは当時のフランスの宮廷を華やかに彩る飲み物として人気となり、「王妃にふさわしいシャンパーニュ」という思いでつくられたパイパー・エドシックのシャンパーニュは、あのマリー・アントワネット(1755~1793年)にも献上されたとか。

また、往年の名女優マリリン・モンロー(1926~1962年)は、朝起きた時の目覚めの1杯にパイパー・エドシックのシャンパーニュを飲んだと言われているそうです。

マリー・アントワネットといい、モンローといい、レッドカーペットといい、なんとも華やかなシャンパーニュですね。




さて、私が選んだ「ロゼ・ソヴァージュ NV」は、50~55%のピノ・ノワール、30~35%のシャルドネ、10~15%のピノ・ムニエからつくられています。

このロゼシャンパーニュの最大の特徴は、ピノ・ノワールの25%を赤ワインにして加えていること。
これだけの比率の赤ワインを加えると、シャンパーニュとしてのパランスを取るのが非常に難しいのですが、絶妙なバランスでおいしく飲めるのは、シェフ・ド・カーヴ(醸造長)であるレジス・カミュ氏(1994年入社)の熟練の業ですね。
また、リザーヴワインは10~15%使用しています。

レジス・カミュ氏は2002年にシェフ・ド・カーヴに就任したその年に、この「ロゼ・ソヴァージュ NV」の生産を手掛けています。
ロゼ・ソヴァージュは、カミュ氏にとって、非常に大切な珠玉のシャンパーニュなんでしょうね。
ですから、気に入った赤ワインができない年は、「ロゼ・ソヴァージュ NV」は生産しません

グラスに注ぐと、ロゼというよりも、赤ワインに近い濃いバラ色です。
泡のキメが細かく、しっとりと舌に絡み付きます。
香りは最初は控えめですが、だんだんと開き、ベリー類に加え、ほんのりと甘いスパイスが感じられます。
アタックはなめらかで、とろみがあるような果肉感があり、テクスチャーもしっとり。
フルーツの厚みと豊かな酸のバランスがよく、ワイン的に食と合わせて楽しめるシャンパーニュだと思います。



「東京カレンダー」では、中華の酢豚(あれば黒酢使用)とのマリアージュを提案しました。
シャンパーニュがしっとりしているので、合わせるフードも“しっとり系”にすると、よくなじみます。
外側がパリッとしてもいいですが、中がしっとりのものがオススメです。

飲む時は、細長いフルートグラスよりも、ボウルが細身で高さのある白ワイン用グラスの方が、このロゼシャンパーニュのこっくりとした味わい、豊かなフルーツ感を味わえると思います。

このロゼは色も美しく、幅広いフードに合わせられるので、クリスマスやウエディングなどの華やかなシチュエーションによく似合います。日本のお正月料理(甘辛い味付けのもの)にも合いますので、年末年始に1本用意しておくと、かなりお役立ちです。
価格もいい感じにこなれています。

※輸入元希望小売価格 7,000円(税抜)



パイパー・エドシックの他のキュヴェも簡単に紹介しましょう。


左)PIPER-HEIDSIECK Essentiel Cuvee Brut  右)Brut Vintage 2006

エッセンシエル・キュヴェ・ブリュットは、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのブレンドで、ドサージュ7g/Lのブリュット。
Essentiel Cuveeは、フランスのグランメゾンやホテル限定のキュヴェだそうです。
最も生産量の多いのが、通常キュヴェの「PIPER-HEIDSIECK Brut」(今回はありません)。
エッセンシエルは、100以上のクリュ(区画)のブドウからつくられ、ボトルにナンバリングを打った特別なキュヴェで、セラーで3年以上寝かせています。このボトルは2008年をベースに11&のリザーヴワインを加え、2009年4月にボトリング。デゴルジュマンは2012年10月。
カスタードやブリオッシュを思わせるようなリッチでこっくりとした味わいなのに、酸がしっかりしています。これも食事とともに楽しみたいタイプです。
※輸入元希望小売価格 6,300円(税抜)

ブリュット ヴィンテージ 2006は、シャルドネ51%、ピノ・ノワール49%のブレンド。
2006年は雹が降り、雨が多かったものの、シャルドネがよく熟して良い出来だったので、初めてシャルドネの方を多く使ってブレンドしたそうです。
熟成は最低6年。2006年ですから、もう10年前です。
香りがエレガントで、花を思わせ、ふわふわっと軽く香ります。
味わいも軽やかでエレガントですが、酸の厚みがあり、骨格がカッチリとして、思ったよりもストラクチャーがしっかりとしています。ブドウに力があるからなんでしょうね。
これもワイン的なので、乾杯用というよりは、洗練された料理に合わせたいです。
チーズに合わせてじっくり、ゆっくり、というのもいかもしれません。
10年モノなのにお手頃プライスなので、2006年が記念の方にオススメです。
※輸入元希望小売価格 7,800円(税抜)



PIPER-HEIDSIECK Rare 2002

レアは非常に古典的なプレステージ・キュヴェで、シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%。
熟成は最低8年。
1976年が初ヴィンテージですが、それを含めて、8回しかつくられていません。
まさに、レア!

色はやや濃いめのイエローで、アロマはエキゾチック。バニラの風味もあります。
アタックは厚みがあり、太い!味わいも厚みがあり、深いコクがあります。余韻がとても長く、痺れます。これも完全に食中酒です。ねっとりした食材が合いそうで、例えば、生の帆立など。そのまま食べるのではなく、火を入れず、なにかしらの手を加える感じで。



とにかくボトルが美しいので、特に女性に喜ばれそうです。



なんと、金属の飾りは取り外すことができ、“ティアラ”になります
勇気がある方は、ぜひ、頭上に乗せて楽しんでください(笑)

このレアは、さすがにいいお値段します。
※輸入元希望小売価格 22,000円(税抜)



4つのキュヴェを飲み比べましたが、レアは特別な例外として、
パイパー・エドシックはかなりお買い得なシャンパーニュ だと改めて感じました。
実を採るなら、パイパー・エドシックはオススメで、満足度が高いと思います。

シャンパーニュ選びに迷った時、パイパー・エドシックは賢い選択のひとつ です

※輸入元:日本リカー株式会社



Ned Goodwin MW パイパー・エドシック アンバサダー(Asia-Pacific)

ロンドン生まれ、オーストリア育ち、日本にも長年在住していたネッド・グッドウィンMW(マスター・オブ・ワイン)が、今回、パイパー・エドシックのプレゼンテーションをしてくれました。
ネッドは日本に長くいたので、日本語はペラペラです。
現在は日本を離れていますが、以前は試飲会などでよく姿を見かけました。
好きな言葉は「一期一会」だそうです
Thanks Ned!

コメント
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