ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ドイツワインの伝統と最旬―その1

2016-12-27 16:48:55 | ワイン&酒
先日、ディープなドイツワイン仲間の忘年会がありました。
持ち寄ったワインは、何コレ?というものから、超最新ワイン、唸らせてくれる伝統ワインまで、実に幅広く集まりました。

まずは、最旬ドイツワインから。



フランケン地方の新型ボックスポイテルのボトル入りです。
ボックスボイテルは、フランケン地方独特のフラスコ型のボトルのこと。
正面からはわかりにくいですが、新型ボトルは肩のラインが少し角ばっていて、横幅が若干短くなっています。



従来型のボックスポイテルは肩のラインがなだらかで丸みを帯びています



新型ボトルを横から見たところ。
ボトルを掴んだ時に手のひらにピタリと収まるデザインになっていて、私のような小さい手でも持ちやすかったです。
少し省スペースになりますので、実用的かと思います。



中身は超カジュアルな2016年の新酒。
お安いワインだそうで、このようなワインを最新ボトルに入れるのはどうなのか?と、賛否両論が起きているそうで…



Johanniter 2014 Landbau Kraemer (Franken)

画像がキレイに撮れていなくてすみませんが、こちらもフランケン地方の辛口白ワインで、ブドウ品種はヨハニター(Johanniter)
ヨハニター?なかなか耳にしませんよね?
うどんこ病などのカビ菌の耐性を持たせ、1968年に開発された、果皮が厚い交配品種(Piwi)(Riesling, Seyve-Villard, Ruländer, Gutedel)です。
リースリングを思わせるようなペトルロ香があり、飲むと、ザラりとしたタンニン分を感じます。厚い果皮から来ているのでしょう。
ブラインドで出され、リースリング?と感じたのは、親の影響があるからなのかも。



BERGRETTUNG Riesling trocken 2014 der klitzekleiner ring(Mosel)

ドイツらしからぬエチケットデザインです。
これもブラインドで飲んだのですが、酸が太く、ミネラルがザックリとして、品種も産地も謎でした。
そうしたら、まさかのモーゼル

der klitzekleiner ring (The Klitzekleine Ring)は、モーゼルのTraben-Trarbachという町を中心にした10のワイナリーが集まったコミュニティグループで、BERGRETTUNGという名前のリースリングワインをつくっています。2006年からのようです。

BERGRETTUNGとは、アルプスの救助サービスのドイツ名だそうで、だから十字のデザインなんですね。



Sylvaner Himmelslücke 2014 Stefan Vetter (Franken)

このワインを飲んだ時、シードルを思わせるリンゴの風味がありました。まさかシードル?
酸はあるけれど、雑味があり、余韻はブツンと切れます。


アルコール度数は10.5%と超ライト

若いビオの生産者で、自然酵母で発酵、木樽使用。
生産量は少なく、ワインの価格もお高め。生産者から入手してきたものだそうです。
非常にユニークですが、注目の一人。

ドイツの新しい流れ、いろいろありますね~




SAMTROT 2011 Weinmanufaktur Untertürkheim (Wurttemberg)

赤ワインに入り、またもやブラインド。
色は明るく、タッチは軽やか。ゆるふわ系ですね。塩味もやや感じます。シュペートブルグンダーっぽいけれど?
開けてみたら、ザムトロート。ピノ・ムニエの亜種。



ドイツでは、通常はミュラーレーベ(粉屋のブドウ、という意味)と呼ばれていますが、ヴュルテンベルクで植えられたものは突然変異種となり、ザムトロート(赤いベルベット)と呼ばれています。
ヴュルテンベルクでは珍しくないですが、日本市場では、まだマイナーかも。



ああ~、まだまだ先が長い…
続きは、また次回

コメント
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