10月、イタリアのシチリアからワイナリー3社の代表者が来日し、プレゼンテーションが行なわれました。
いずれも、シチリア東部 エトナの生産者で、未輸入です。
左より)ジャン=フランコさん(La Flora/Gaglio)、ジーナさん(Cantine Russo)、
マウリッツオさん(La Gelsomina)
Cantine Russo
ルッソは来日したジーナさんの曾祖父が1880年代に始め、1955年より父のフランチェスコさんがボトリングを始めましたた。今はジーナさんの弟がワインメーカーで、ジーナさんが販売を担当。
標高が高く、高い場所では700~1000m。
エトナの土着ブドウのみを使ったワイン造りを行なっています。
MON PIT 2014 Spumante Brut Blanc de Blancs Metodo Classico VSQ Cantine Russo
まず紹介してくれたスプマンテは、カリッカンテとカタラット(どちらも地場の白ブドウ)を使い、瓶内二次発酵20~36カ月のブラン・ド・ブラン。
こっくりした味わいの厚みのあるふくよかなスプマンテでした。乾杯用というよりは、食中酒として楽しむのが良さそうです。
日本未輸入ですが、現地価格で30ユーロ。
“モンピット”は火口の意味だそうです。というのも、エトナ山の火口に近い畑で、すぐ隣に溶岩の流れる道があり、いつまたエトナが噴火するかわからないのだとか!
LUCE DI LAVA Etna Rosso 2013 Cantine Russo
地ブドウのネレッロ・マスカレーぜ80% 、ネレッロ・カプッチョ20%からつくられたDOエトナ・ロッソで、2、3年使用のオークのバリック樽で12カ月熟成後、さらにステンレスタンクで12カ月、瓶内熟成6カ月。時間がかかっています。
色は淡いルビー色で、やわらかなアタック、なめらかなタンニン、キレイな酸がスーッと流れるよう。エレガントで、ジューシーさがにじむような赤ワインで、果肉感もありました。アルコール13.5%。
畑は標高700~1000mにあり、火山性土壌。LAVAは溶岩が流れた場所だそうです。
La Gelsomina
ジェルソミーナは1986年にエトナの東側に設立されたワイナリーで、地場ブドウのネッレロ・マスカレーゼを中心に4つの異なるワインをつくっています。
Etana Spumante Brut 2013 La Gelsomina
このスプマンテは、黒ブドウのネッレロ・マスカレーゼとネッレロ・カプッチョを使った白のスパークリングで、つまり、ブラン・ド・ノワール。瓶内熟成22カ月。DOCワインです。
アロマが繊細で、口当たりもソフトでデリケート。若くてしなやかで、フルーツ感は豊かで、しっとり感があります。
瓶内熟成を30カ月までしたかったそうですが、フレッシュ感をしっかり持たせたいということで、22カ月に止めたそうです。まだ2年目の生産なので本数は少なく、1350本のみ。
Rosso da Pesce IGT TERRE SICILIANE 2015 La Gelsomina
2015年はネッレロ・マスカレーゼ100%。マセレーションの期間が短いため(30~40時間)に色が薄く、ロゼワインのようですが、赤ワインだそうです。
ロゼでもなく、赤でもなく、ロゼより重く赤より軽いワインとして、エトナで50年前につくられていたワインで、木のオープン発酵槽を使います。いい年はネッレロ・マスカレーゼ100%で仕込むということですから、2015年はいい年だったようですね。
アロマが華やかです。温度が低すぎない方が、香りも味わいもふっくらと広がります。まろやかでコクがあり、飲みごたえがあります。これはおいしい!
La Flora / Gaglio
ラ・フローラ/ガリオは、今のオーナーの祖父が1910年にエトナに設立した会社で、2カ所の畑を所有しています。
まずひとつは、海の近くの標高400mの場所にある、シチリア北東部の小さな古いDOCマメルティーノ。もうひとつは、島の中央北部のパレルモにあります。
FLORA Bianco DOC Mamertino 2014 La Flora/Gaglio
このワインは、ワイン名がFROLAで、地ブドウのグリッロ60%、カタラット20%、インゾリア20%からつくられている白ワインです。ステンレスタンクのみで醸造され、MLF(マロラクティック発酵)も行なわれています。
アタックはふわっとやさしいですが、味わいは透明感があり、少し塩味を感じます。軽く、明るく、繊細。ミネラルウォーター的なニュアンスがあり、とてもナチュラル。色々な食と合わせやすそう。
Don Tindaro DOC Mamertino Rosso 2012 La Flora/Gaglio
地場ブドウのノチェーラ60%、ネロ・ダヴォラ40%からの赤ワインで、こちらもステンレスタンクのみ。MLFもステンレスタンクです。熟成はステンレスタンク12カ月、瓶熟8カ月。
標高400mの丘陵地で、海に近いため、海の風を受けてうま味&塩味が感じられるワインになっているそうですが、飲んでみると、たしかに!
色は濃く、アタックはなめらか。しっとりとしたテクスチャーで、深みのあるフルボディ。これはおいしい!アルコール度数は14.5%ありますが、アルコールの高さは感じません。
今回ご紹介くださったワインは、生産量の少ないスプマンテは25~30ユーロと、かなりの高級ラインでしたが、ほかのスティルワインに関してはアンダー10ユーロ~から10ユーロ台。
いずれにしても、上質なクオリティワインの生産者です。
現在のワイントレンドのひとつに、“ローカルなブドウ品種のワイン”がありますが、これらシチリアの3社のワインは、いずれもシチリアの地場ブドウでつくられ、ローカルなオリジナリティがあります。
シチリアワインは、ネロ・ダヴォラの名前が知られていますが、他にも色々と魅力的な地ブドウがありますから、それらのワインにも要注目です。
皆さん、ありがとうございました!
※取材協力:ソロイタリア
いずれも、シチリア東部 エトナの生産者で、未輸入です。
左より)ジャン=フランコさん(La Flora/Gaglio)、ジーナさん(Cantine Russo)、
マウリッツオさん(La Gelsomina)
Cantine Russo
ルッソは来日したジーナさんの曾祖父が1880年代に始め、1955年より父のフランチェスコさんがボトリングを始めましたた。今はジーナさんの弟がワインメーカーで、ジーナさんが販売を担当。
標高が高く、高い場所では700~1000m。
エトナの土着ブドウのみを使ったワイン造りを行なっています。
MON PIT 2014 Spumante Brut Blanc de Blancs Metodo Classico VSQ Cantine Russo
まず紹介してくれたスプマンテは、カリッカンテとカタラット(どちらも地場の白ブドウ)を使い、瓶内二次発酵20~36カ月のブラン・ド・ブラン。
こっくりした味わいの厚みのあるふくよかなスプマンテでした。乾杯用というよりは、食中酒として楽しむのが良さそうです。
日本未輸入ですが、現地価格で30ユーロ。
“モンピット”は火口の意味だそうです。というのも、エトナ山の火口に近い畑で、すぐ隣に溶岩の流れる道があり、いつまたエトナが噴火するかわからないのだとか!
LUCE DI LAVA Etna Rosso 2013 Cantine Russo
地ブドウのネレッロ・マスカレーぜ80% 、ネレッロ・カプッチョ20%からつくられたDOエトナ・ロッソで、2、3年使用のオークのバリック樽で12カ月熟成後、さらにステンレスタンクで12カ月、瓶内熟成6カ月。時間がかかっています。
色は淡いルビー色で、やわらかなアタック、なめらかなタンニン、キレイな酸がスーッと流れるよう。エレガントで、ジューシーさがにじむような赤ワインで、果肉感もありました。アルコール13.5%。
畑は標高700~1000mにあり、火山性土壌。LAVAは溶岩が流れた場所だそうです。
La Gelsomina
ジェルソミーナは1986年にエトナの東側に設立されたワイナリーで、地場ブドウのネッレロ・マスカレーゼを中心に4つの異なるワインをつくっています。
Etana Spumante Brut 2013 La Gelsomina
このスプマンテは、黒ブドウのネッレロ・マスカレーゼとネッレロ・カプッチョを使った白のスパークリングで、つまり、ブラン・ド・ノワール。瓶内熟成22カ月。DOCワインです。
アロマが繊細で、口当たりもソフトでデリケート。若くてしなやかで、フルーツ感は豊かで、しっとり感があります。
瓶内熟成を30カ月までしたかったそうですが、フレッシュ感をしっかり持たせたいということで、22カ月に止めたそうです。まだ2年目の生産なので本数は少なく、1350本のみ。
Rosso da Pesce IGT TERRE SICILIANE 2015 La Gelsomina
2015年はネッレロ・マスカレーゼ100%。マセレーションの期間が短いため(30~40時間)に色が薄く、ロゼワインのようですが、赤ワインだそうです。
ロゼでもなく、赤でもなく、ロゼより重く赤より軽いワインとして、エトナで50年前につくられていたワインで、木のオープン発酵槽を使います。いい年はネッレロ・マスカレーゼ100%で仕込むということですから、2015年はいい年だったようですね。
アロマが華やかです。温度が低すぎない方が、香りも味わいもふっくらと広がります。まろやかでコクがあり、飲みごたえがあります。これはおいしい!
La Flora / Gaglio
ラ・フローラ/ガリオは、今のオーナーの祖父が1910年にエトナに設立した会社で、2カ所の畑を所有しています。
まずひとつは、海の近くの標高400mの場所にある、シチリア北東部の小さな古いDOCマメルティーノ。もうひとつは、島の中央北部のパレルモにあります。
FLORA Bianco DOC Mamertino 2014 La Flora/Gaglio
このワインは、ワイン名がFROLAで、地ブドウのグリッロ60%、カタラット20%、インゾリア20%からつくられている白ワインです。ステンレスタンクのみで醸造され、MLF(マロラクティック発酵)も行なわれています。
アタックはふわっとやさしいですが、味わいは透明感があり、少し塩味を感じます。軽く、明るく、繊細。ミネラルウォーター的なニュアンスがあり、とてもナチュラル。色々な食と合わせやすそう。
Don Tindaro DOC Mamertino Rosso 2012 La Flora/Gaglio
地場ブドウのノチェーラ60%、ネロ・ダヴォラ40%からの赤ワインで、こちらもステンレスタンクのみ。MLFもステンレスタンクです。熟成はステンレスタンク12カ月、瓶熟8カ月。
標高400mの丘陵地で、海に近いため、海の風を受けてうま味&塩味が感じられるワインになっているそうですが、飲んでみると、たしかに!
色は濃く、アタックはなめらか。しっとりとしたテクスチャーで、深みのあるフルボディ。これはおいしい!アルコール度数は14.5%ありますが、アルコールの高さは感じません。
今回ご紹介くださったワインは、生産量の少ないスプマンテは25~30ユーロと、かなりの高級ラインでしたが、ほかのスティルワインに関してはアンダー10ユーロ~から10ユーロ台。
いずれにしても、上質なクオリティワインの生産者です。
現在のワイントレンドのひとつに、“ローカルなブドウ品種のワイン”がありますが、これらシチリアの3社のワインは、いずれもシチリアの地場ブドウでつくられ、ローカルなオリジナリティがあります。
シチリアワインは、ネロ・ダヴォラの名前が知られていますが、他にも色々と魅力的な地ブドウがありますから、それらのワインにも要注目です。
皆さん、ありがとうございました!
※取材協力:ソロイタリア