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“18歳選挙権” スウェーデン 高い投票率の背景は

2016-03-01 07:30:00 | 報道/ニュース

2月17日 おはよう日本


選挙権を受ける年齢は世界では約9割の国と地域がすでに18歳以上となっている。
なかでも1970年代に引き下げて“18歳以上”とした北欧のスウェーデンでは
総選挙での若者の投票率が毎回約80%にのぼる。
人口約980万人のスウェーデン。
首都ストックホルムの中央議会では
全国から約350人の高校生が参加し
現役の閣僚と国が抱える課題について議論している。
(高校生)
「高校を卒業せず社会に出る若者が経ている傾向をどう捉えていますか。」
(高校・知識向上担当相)
「質問ありがとうございます。
 義務教育もそうですが高校を卒業することは重要です。」
高校生たちに政治に対する興味を持ってもらおうと
20年ほど前から毎年行われている。
会議の議事録が政府に提出されるなど
議論の結果は実際の政策に反映される。
(高校生)
「私たちは政治家ではありませんが
 政治に影響を与えられたらうれしいです。「
議会に参加した高校生たち。
ストックホルム郊外のこの学校では
今ヨーロッパを揺るがす難民をめぐる問題について話し合いを重ねてきた。
(コネリア・ニルソンさん)
「性犯罪に対しては刑罰をもっと厳しくすべきです。」
コネリアさん(16)はなかでも去年の夏ごろから相次いでいる難民や移民による性犯罪に
もっと真剣に向き合わねばならないと考えていた。
国の政策に直結する課題について積極的に議論することで
コネリアさんは自分の意見がより明確になったという。
(コネリアさん)
「それぞれが思ったことを自由に発言できるのは大切なことだと思います。」
選挙権の年齢が引き下げられた1970年代当時 
スウェーデンでは高い失業率など低迷する経済が社会問題となっていた。
そこで若者の柔軟な発想を生かして社会を活性化しようとした。
政治の教育は小学校のときからすでに始まっている。
小学6年生の社会科の教科書で
自分の意見を社会に訴える手段として示されているのが
集会やデモを行う
新聞を発行する
ことなどである。
意見を持つだけでなく
どう社会に反映させるかが大事だと強調されている。
コネリアさんは家族と小さい時から社会問題について話をしてきた。
その時よく見ていたのはスウェーデンの国営放送の子ども向けニュース。
社会問題について子どもたちが意見を述べ合う番組である。
最近のニュースでは難民問題が取り上げられていた。
(スウェーデン国営放送)
橋を超えて多くの難民たちが避難してきています
「難民たちは自分の国が戦争状態で考える暇もなく逃げてきたのに
 入国できないなんておかしいわ。」
小さいころは両親の意見を聞く一方だったコネリアさん。
しかし日常的に話し合いをするうちに今では自分の意見をしっかりと言うようになってきた。
(コネリアさんの父親)
「難民の男性がスウェーデン人女性に暴力をふるって大きく注目されたけど
 スウェーデン人男性だって同じことをすることがあるよね。」
(コネリアさん)
「難民だからという理由で注目された点が問題ね。」
(コネリアさんの母親)
「小さい頃から学校や家で学ぶことで
 大人になってから他人のことや社会全体のことも考えられるようになるのです。」

スウェーデンでは教育を受けるだけではない。
若者向けの施設は国内に1,500か所ある。
国などから配分される予算の使い道を
若者たちが自分自身で決めたうえで施設内の設備を導入した。
こうした身近なところで
自分たちの意見が社会に反映されるという経験をしている。
若者たちは選挙で1票を投じれば自分たちの思いが実現すると感じていて
だからこそ政治に関心を持ち続けることが出来る。
スウェーデンの教育者は法律で中立を保たなければならないと定められている。
コネリアさんが通っている高校の社会科の教師たち。
スウェーデンでは政治に対して自分の意見を表明することを大切にしている。
教師も自らの政治的な立場を示すことが認められる。
その一方で様々な意見を紹介することでバランスをとりながら
生徒たちから活発な意見を引き出そうとしている。
(高校の社会科教師)
「私は支持する政党を示すこともありますが
 必ずほかの政党の意見も紹介して中立を保っています。
 教師として意見を表明することを恐れすぎてはいけないと思います。」
若手の政治家を学校に招待して生徒と討論する授業は
全国ほぼすべての中学や高校で行われている。
中央議会で議席を持つすべての政党から政治家を招くことで中立を保っている。




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