3月3日 キャッチ!
1年を通して強い日差しが降り注ぐアメリカ西海岸ロサンゼルス。
ベニスビーチの近くに最近話題の店がある。
POKEの専門店である。
開店から1年余 連日大勢の客でにぎわっている。
(店主 デール・リアキさん)
「開店以来 驚くほど繁盛していてお客さんがいっぱい来てくれます。
みんなポケが好きなのよ。」
この店の1番人気は“ポケ丼”。
1食日本円で1,000~1,400円。
ハンバーガーなどが700~800円なのに比べて割高だが
低カロリーで栄養価が高く
野菜も多く摂れて
健康的だと好評である。
生のマグロやサケなどの切り身を
タマネギやキュウリ、海草などにしょうゆをベースとしたオリジナルのたれを混ぜて
ごはんの上にのせる。
あとはお好みに応じてアボカドやゴマをトッピングして出来上がり。
お客の多くは近隣のIT企業で働くビジネスマンたち。
脂肪分の多いハンバーガーなどを敬遠する健康志向の若者である。
ふだんから日本食をよく食べるという。
(客)
「新鮮だし健康的だよ。
アボカドやサーモンも入っているのがいいね。」
「これまではファーストフードだったけど
今は健康的なものを食べています。」
いまこうしたポケ料理を提供する店がロサンゼルスを中心に急速に増えている。
この1年で数十件の店が新たにオープン。
地元の新聞や情報誌などで特集が組まれるほど注目されている。
どの店も「うちこそが元祖だ」と主張しているが
その中でも有力な店のオーナーは
ハワイで食べたポケ料理がヒントになっているという。
実はこのポケはもともとはハワイの伝統料理である。
ポケはハワイの言葉で「切り身」を意味する。
昔から生の魚を食べるハワイの食文化に
日系の移民が持ち込んだ
しょうゆやどんぶりなどの文化が融合して生まれたと言われている。
ハワイのポケは魚屋や惣菜屋にズラリと並ぶ庶民的な料理である。
地元の人たちには子どものころから慣れ親しんだ
いわばハワイのソウルフードである。
(店主 レナード・カムさん)
「ポケはハワイ語であることからも
ポケはハワイの文化であり
“アロハの心”に通じるものがあります。
ポケはハワイの人たちの人生
ハワイそのものなんです。」
そんなハワイのポケがセレブが集うハリウッドにも流れている。
去年開店した店は
まるでパリの高級洋菓子店のような
白を基調としたおしゃれな雰囲気。
地元の客だけでなく世界各地からの観光客などで連日にぎわっている。
この店のオーナーは日系人のジュリアン・フクエさん。
実家はロサンゼルスのすし屋で
かつては自身もすしを握っていたということだが
ここ数年のポケブームに乗って新しい店に勝負をかけている。
競合店が増えるなか
他店との違いを出すために
ごはんのうま味を引き立てるお酢を少し加えている。
お寿司よりも気軽に食べてもらえるポケを
ロサンゼルスの新たな名物にしたいという。
(店主 ジュリアン・フクエさん)
「今のところ順調で多くの人たちが来てくれます。
こんなに順調にいくなんて開店当初は予想もしなかったよ。」
ロサンゼルスで注目されるハワイ生まれのポケ。
健康に良いおいしものを食べたいという人たちの支持を得て
人気が高まっている。