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インド 通勤名物“列車バンド”

2016-03-03 07:30:00 | 報道/ニュース

2月20日 おはよう日本


庶民の足として親しまれているインドの鉄道。
朝の通勤時間は乗客があふれ出るほどの混雑ぶりである。
その通勤列車で名物となっているのがいわゆる“列車バンド”。
首都ニューデリーと近郊を1時間半で結ぶ路線では約60組のバンドが自主的に活動している。
60年以上続く伝統である。
他人を敬うことの大切さや神への感謝を歌ったヒンズー教の民謡を演奏する。
こうした演奏が見られるのは主に地元の利用者が多い郊外を走る列車に限られている。
乗客は大音量の音楽を迷惑がるどころか一緒に盛り上がる。
(乗客)
「新しい路線もあるけど
 歌が聴きたくてこの列車に乗ります。」
「朝 ここで音楽を聴き神に祈れば1日が上手くいく気がします。」
混み合った社内でも床に座ってゲームに興じたり
たばこを吸う人の姿が見られる。
列車の遅れも頻繁におきる。
いらいらしがちな乗客の気持ちを音楽で和らげようという取り組みである。
通勤列車で30年間歌い続けてきた サトビール・シンさん(52)。
12人のメンバーとともに毎朝 車内で民謡を披露している。
♪ 悪いことをするとばちがあたる
  人に迷惑を変かけてはいけない
サトビールさんは約1時間の演奏を終えるとそのまま職場に向かう。
本業は家電製品のセールスマンである。
乗客のために歌うことが元気の源だという。
(サトビールさん)
「外回りの営業は普通40歳までですが
 私は52歳でまだ現役です。
 列車で歌うことがエネルギーになり
 新鮮な気持ちにしてくれるのです。」
しかしそんな列車バンドにも時代の波が押し寄せている。
スマートフォンに見入って
音楽に耳を傾けてくれない人が増えている。
(サトビールさん)
「最近 若者たちはほとんど歌に参加してくれません。」
どうしたら自分の音楽を聴いてもらえるのか。
サトビールさんは自宅にバンドのメンバーを集め
新たな取り組みを始めた。
目をつけたのが国民によく知られているインド映画。
映画の中で流れる歌に
民謡の歌詞を合わせて歌おうというのである。
♪ 親の面倒を見ることは
  この世で最も大切なことだ
伝統的な民謡の歌詞がインド人ならだれでも知っているメロディーに乗って流れる。
知り合いの家での集まりで演奏し
反応も確かめた。
準備した新しい民謡を披露する朝が来た。
(サトビールさん)
「皆さん!
 通勤時間を有意義に過ごしましょう。
 そしてこの歌の文化を守っていきましょう。」
♪ 清らかな心で神に祈れば
  神は必ず助けてくれる
乗客たちの反応はまずまずだった。
(サトビールさん)
「歌は聴く人の心に届かなければ意味がありません。
 乗客が気にいる音楽を作りたいです。
 私はこの活動に誇りを持っています。」
長年 朝の通勤列車で心をいやしてきた“列車バンド”。
インド伝統の民謡は時代とともに形を変え
きょうも車内で響いている。

 

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「理系の料理レシピ」

2016-03-03 07:30:00 | 報道/ニュース

2月20日 おはよう日本


玉ねぎ(2分の1個 ±50g)
チュープ生姜(1cm)
ニンジンは高さ2~3cmの円柱形に切る etc.
料理レシピは分量がしっかり書かれている。
このレシピを作った五藤隆介さん(35)。
自宅でインターネット向けの日記ブログを書いて生計を立てているプロのブロガーである。
本格的に料理に取り組んだのは1年半前
妊娠した奥さんのつわりがひどくなったのがきっかけだった。
しかし始めた当初
大学は工学部に進んだ理系男子の五藤さんにとって
料理のレシピ本はよく理解できないあいまいな表現ばかりだった。
(五藤隆介さん)
「“塩こしょう適量”
 “一口大に切る”とか
 知識が足りなさ過ぎて何が書いてあるのかわからない。
 料理のレシピに書いてあることって英語より難しかった。」
ならば工業製品を作るようなきっちりした手順書ならぬレシピを自分で作ればいいのではないか。
五藤さんが最初に取り組んだのは家庭の味の定番「肉じゃが」。
まずは材料の計量からである。
(五藤隆介さん)
「2個って書いてあるけど
 2個って結構大きさが違うと思う。
 それって味違ってしまわないのってビビッていた。」
材料の重さを1つ1つ測って記録。
個数ではなく重さの数値にこだわった。
そして切り方。
すべて一口大に切るが五藤さんは“一口大”がよくわからない。
(五藤隆介さん)
「客観的な数字っていったらいいですかね。
 “大きめ”っていわれても全然わからない。
 5㎝と言われれば人類みんな5㎝は一緒なので。」
そこで登場したのが定規。
五藤さんの料理には必需品である。
じゃがいもは切って1つ1つの辺を測定。
バランスの良い味には3㎝角がいいとわかった。
牛肉は5㎝に
これが五藤さんの肉じゃがのベストの一口大である。
何度も実験を繰り返し
いつでも同じ味。
誰が作っても失敗しない肉じゃがのレシピを完成させた。
“センスがなくてもできる肉じゃが”。
五藤さんが完成させた肉じゃがのレシピ
調理の過程がコンピュータープログラムのようなフローチャートで記されている。
材料を入れて強火で煮込み
アクが出ると「はい」の方向に戻り強火のままアクを取り除く。
アクが出亡くなればそのまま進行して20分煮込む。
(五藤隆介さん)
「実験の感じがけっこう好きで
 それによっておいしいのができるとより満足度は高い。
 上達できている真っ最中で楽しい。」
五藤さんがこれまで作った料理は700種類以上。
それらの料理を紹介したブログは1日約2,000人が読み
料理が苦手な人たちだけでなく料理が得意な人も注目している。
五藤さんが始めた料理は料理上手な奥さんにも好評である。
夫婦の会話も弾み
食卓は3人家族の憩いの場になっている。
(妻 晴菜さん)
「一緒にお料理できるから料理の話が通じるのが楽しいのと
 子どものご飯を私が担当して
 大人のご飯は旦那が作るのですごく楽。」
五藤さんの料理レシピは各地の理系男子を料理に取り込んでいる。
大阪で開かれた講演会。
集まった30人のうち3分の2が男性である。
(参加者)
「ブログを購読していて興味があった。
 計測して失敗して改善してっていうところがすごいなって思ったし
 勉強にもなった。」
(五藤隆介さん)
「全然できない人もこうすれば思ったより簡単にできますよ
 ということが言えればというふうに思う。」



 

 

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