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品種改良で花粉症対スギ

2016-03-09 07:30:00 | 報道/ニュース

2月23日 おはよう日本


スギから花粉を出さなくしようという驚きの研究。
花粉症の原因をもとから絶つ。
群馬県榛東村。
山々に囲まれた畑に植えられているのはスギの苗木である。
花粉がほとんど出ないよう品種改良された花粉症対策スギ。
一般的なスギの1%以下しか花粉を出さない。
苗木農家の松下好さん(59)は
花粉症対策スギの苗木をどうすれば一度にたくさん育てることが出来るのか
苦労を重ねてきた。
松下さんが取り組んでいるのが農業用ハウスでの栽培である。
冬の間も安定した栽培ができる。
さらに専用のポットを使うことで
これまでの7倍以上の苗を一度に育てることができるようになった。
出荷までの期間を1年短縮できる。
(松下好さん)
「花粉の飛ばない少ないスギが増えて
 皆さんが苦労している花粉症も和らぐのではないかという期待を持っている。」
しかし全国にあるスギは約112億本。
一昨年植え替えられた花粉対策スギはわずか250万本にとどまる。
こうしたなか注目されているのが国の森林総合研究所で進められている研究である。
プロジェクトのリーダーを務める窪野高徳さんはいまあるスギから花粉を出さなくするという研究を進めている。
(森林総合研究所 窪野高徳さん)
「自然界に存在する菌を使って
 花粉の飛散を抑えることができないかと考えた。」
注目したのがスギ黒点病。
スギの雄花が枯れる病気である。
窪野さんたちは病気のもとととなる菌を2年かけて解明。
菌の名前はシドウィア・ジャポニカ。
菌の培養方法などに3年を費やした。
金を使って開発した液体をスギに散布。
すると3か月後
(森林総合研究所 窪野高徳さん)
「雄花が枯れてしまうので花粉が飛ばない。
 雄花だけ枯らしている。」
スギ花粉の出どころは黄色く熟した雄花。
しかし液体をかけたスギは雄花だけが枯れて真っ黒になり花粉を出さなくなった。
なぜ花粉が出なくなったのか。
液体の散布によってスギの雄花に付着したシドウィア・ジャポニカ。
しばらく経つとその菌が寄生し
中の花粉の養分を吸収する。
やがて雄花そのものが枯れ
花粉の飛散を防ぐという仕組みである。
これまでの実験では8割の雄花に感染し花粉が出なくなった。
しかし実用化に向けては課題もある。
農薬として実際に散布するには
環境や人体への影響を徹底的に検証することが欠かせない。
さらにどうやったらスギ林全体に効果的に散布できるのか
具体的な方法を見つける必要がある。
(森林総合研究所 窪野高徳さん)
「スギの大木は高いところにも雄花がついている。
 なかなか人ではまくことができない。
 いま無人ヘリコプターを使って
 どう散布したら効率よく菌が感染するか試験をしている。
 少しでも早く実用化できるよう頑張っていきたいと思っています。」

 

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