日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

アニメで発信 福島のいま

2016-03-04 07:30:00 | 経済フロントライン

2月20日 おはよう日本


福島県が全国18の都道府県を対象にインターネットで行ったアンケート結果
福島について「関心がない」「どちらでもない」が4割にのぼった。
被災地である福島県に対する関心が薄れ
震災が風化しているのではないかと県は強い危機感を抱いている。
また農業や漁業の復興の遅れについても
県はその理由の1つに
原発事故の風評被害が払しょくできていないためとしている。
そこでこうした課題を克服しようと目をつけたのが
“クールジャパン”の代名詞にもなっているアニメである。
2月15日 完成披露試写会が開かれた。
「未来への手紙 この道の途中から」と題されたこのアニメ。
4通目の手紙 カツオカンバック
(ウミネコ)
「腹減ったな。」
「確かにずいぶんこの辺も復興しましたね。」
「そうね。」
この短編はウミネコを主人公にして
多くの人に支えられながら漁業が復興していく様子をコミカルに描いている。
(ウミネコ)
「近海の漁場はまだ漁はできないけど
 こうして地元の漁師さんといろんな県の漁師さんたちに支えられて
 小名浜の復興は進んでいるのよ。」
今回作られたのは実話をもとにした約2分の短編アニメ10本。
故郷を離れる人がいるなかで
福島にとどまり生きることを選んだ女性の気持ちを淡々と描いたものもある。
ここにはわたし1人きり。
みんなどこかへ逃げてしまったのだろうか。
まるで色を失ったようなこの世界で
私は何が正しいのかわからなくなっていく。
それぞれに正しい選択をしたのだろうか。
いや 正しい選択って何だろう。
状況が変われば選択の是非はどちらにも変わる。
ただその時はそれがいいと思って選択したんじゃないのかな。
何が正しいのか
答えを探し続けることしか
今はまだできないのだと思う。
アニメの政策を指揮したのは福島県出身のクリエイティブディレクター 箭内道彦さん。
県の情報発信についてアドバイスを行ってきた。
箭内さんは
震災から5年が経とうとする福島にとって大切なことは
より多くの人に関心や共感を持ってもらうことだと考えている。
(福島県クリエイティブディレクター 箭内道彦さん)
「福島に無関心な人にも伝えなければいけない。
 否定的な思いを持っている方にもちゃんとわかってもらわなければいけない。
 大きな声で叫べばその分たくさんの人の胸に届くかというと
 そういうことじゃない。
 丁寧に丁寧にチャーミングにコミュニケーションをすることが
 今すごく大事だと思う。」
箭内さんに協力を依頼した福島県の内堀雅雄知事。
国内外のイベントで食品の安全・安心や観光のPRをするなか
難しさを感じることもあったという。
(福島県 内堀雅雄知事)
「風評・風化を防止するために一番いいのは対面。
 実際に顔を見て話をするとかなり効果がある。
 ただやはり多くの方に届けるための手段・工夫をしなければいけない。
 そのときにアドバイスをいただいたのは
 アニメがあるじゃないかということだった。」
試写会にはネットでこのアニメに対する口コミを広げてもらおうと
ブログを書いているブロガー30人を招いた。
(参加したブロガー)
「10作品は1つ1つがそれぞれの思いがあって
 私たちがそれを受け取ることで
 福島の今後につなげていくことができたらと感じた。」
「復興に向けて私も陰ながら応援していきたいと思った。」
福島県は今回のアニメをネットで無料配信。
今後英語版も制作し世界に発信していく考えである。
(福島県クリエイティブディレクター 箭内道彦さん)
「これを見た人たちが何か誤解していたものが理解に変わったり
 自分の立ち位置
 思いに気が付いたり
 いろんな人がいろんな動きを始めることができたら
 それがこのアニメーションにとっての最大の展開。」


 

コメント