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目指せ海上保安官! 転職者たちの決意

2016-03-08 07:30:00 | 報道/ニュース

2月23日 おはよう日本


北九州 門司区にある海上保安学校文字分校。
さまざまな職業から海上保安官に転職した人を訓練する全国ただ1つの施設である。
鍛錬に励む30代~50代の男たちは海上保安官に転職した研修生である。
1月13日 今年の新入生は32人。
前の仕事はトラックの運転手や高校教師とさまざまである。
筆記や体力などの厳しい選考を経て採用された。
これから半年間の訓練に臨む。
朝6時半 気温0度。
学校創設以来 毎朝行われる伝統のトレーニング。
体と精神を鍛える10分間である。
「何 寒そうにしてるんじゃ お前ら!
 助けに来た海上保安官が寒そうにしとってや
 こいつらなら大丈夫だって思ってもらえるんか!
 そこをしっかり考えろ。」
この厳しい世界にあえて飛び込む人たちには特別な決意がある。
神久剛さん(35) 元は宮城県の民放の技術職だった。
5年前の東日本震災ではテレビ局内で現地からの中継をつなぐ仕事などを担当。
助けを求める被災者を画面越しに伝えるだけの自分にもどかしさを感じたという。
(神久剛さん)
「伝えるという仕事自体もとても重要なことだと思っていたけど
 困っている人に手をさしのべられない状況だったので
 歯がゆい感じになった。」
津波の濁流にのまれる街を目の当たりにし
災害などの現場で自身の手で命を救いたいと海上保安官を目指した。
(神久剛さん)
「助けられる命があるならば1つでも多く手を届けたい。」
専門性を生かして貢献したいと飛び込んだ人もいる。
調理師の資格を持つ湯浅陽水さん(39)。
以前は陸上自衛隊で調理を担当。
順調に階級は上がったものの
5年ほど前からデスクワークが中心になった。
今回 あくまでも現場にこだわりたいと巡視船内では調理を希望した。
それでもいざとなれば救助に当たるため体の鍛錬は欠かせない。
(湯浅陽水さん)
「船の中だと食事だけが楽しみになるので
 乗組員を心身ともに支えていきたい。」
訓練後 湯浅さんが配属される船の調理現場。
緊張が高まる尖閣諸島をめぐる問題などを受け
新たな巡視船の配備が決まり増員されたのである。
遠く神奈川県に残してきた妻と息子に胸を張れる仕事がしたい。
それが湯浅さんの転職のもう1つの理由である。
(湯浅陽水さん)
「大きくなった時に
 自分の親がこういった仕事をしていることに誇りを持ってもらえればうれしいと思う。」
研修生は海上での取り締まりや航海に必要な法律を学んだうえで
即戦力として現場に送り込まれる。
研修生たちにはまたそれぞれの社会経験をもとに組織に新しい風を吹いこんでくれることも期待されている。
(海上保安学校門司分校 滝優人教務課長)
「家族がいる研修生もいます。
 1日でも早く現場に一人前の海上保安官として赴任させたい。」
新しい道で初心を学ぶ男たち。
“日本の海を守る”
この思いを胸に6か月の研修に挑む。

 

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