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SNSで変わる広告

2016-03-06 07:30:00 | 経済フロントライン

2月20日 経済フロントライン


電通の調査による広告の市場規模(2014年)
全体で約6兆500億円
そのうちテレビ・ラジオ・新聞・雑誌は合わせて2兆9400億円
ネット広告は1兆500億円(10年前の150倍)。
特に情報が口コミという形で次々と広がるSNSの効果に注目する企業が増えている。

東京 多摩市にあるテーマパークではSNSによるPRで入場者が急増している。
これまで広告はテレビCMが中心で毎年1億円以上かけていた。
しかし最近は必ずしも客を十分に呼び込めず
入場者数は減少傾向にあった。
そこで去年 テレビCMを一切廃止。
若い女性にターゲットを絞って直接アピールするため
SNSを活用する戦略に切り替えたのである。
(サンリオエンターテイメント 宣伝部 真鍋和弘さん)
「テレビを見ているよりインターネットやスマホを触っている時間の方が長いという人が大勢いる。
 そういった方への情報発信
 我々の意図するところをどう伝えるか。」
考え出したのが自分に似せたオリジナルキャラクターを作れるサイト。
顔の輪郭や髪形など自由にパーツを組み合わせて作ることが出来る。
このサイトではフェイスブックやツイッターなどのSNSに投稿できる仕組みになっている。
これが大人気となり
わずか半年で延べ1900万人が利用した。
「ツイッターとかフェイスブックのアイコンにしたり
 親子で楽しんでやっている。」
さらにこのサイトの利用者はテーマパークに来場すると特典が得られるようになっている。
作った自分のキャラクターを機械に読み込ませると
画面に登場。
おなじみの人気キャラクターたちと共演することが出来る。
割引券を兼ねたオリジナルカードも発行できる。
来場した客がその様子をSNSN上で発信すればさらなるPRにつながる。
「インスタグラムとかブログに結構アップしている。」
「SNSを見て
 ここ行きたいなと思って友達を誘ってきたりする。」
こうした戦略で入場者の数は1年で25%増加した。
(サンリオエンターテイメント 宣伝部 真鍋和弘さん)
「個人が自分の感想・感覚を生で伝えることが出来る時代。
 そこの波に我々の情報も乗せていく。」
SNSの口コミが企業側の意図しないところで思わぬヒットにつながるケースも出ている。
それまで売れ筋商品ではなかったマジックハンド。
“コタツから出ずにリモコンが取れる”と店頭でうたったところ
これがツイッターに投稿され大反響となった。
リツイートの数が1万4000件を超えたのである。
(カインズホーム 須長貴之さん)
「SNSの反響ですね。
 非常に驚いています。」
都内にあるシーフードレストランはSNSで人気に火がついた。
訪れた客が撮影しているのは手づかみで食べる豪快な見た目の料理。
SNSにアップされた写真を見た人たちが
自分たちも体験してみたいと連日殺到している。
「友達がインスタグラムに上げていて
 行ってみたいなと思った。
 楽しいです。」
SNSによるPRを専門に手掛ける広告代理店も登場している。
企業から依頼を受けると
その企業の商品のことをSNSで発信しているファンを探す。
そうしたファンを商品をPRしてくれるアンバサダーと名付け協力を依頼する。
商品の情報を優先的に提供し
それをSNSで発信してもらう。
(アジャイルメディア・ネットワーク 上田怜史社長)
「ファンの方を通じて情報発信をする
 何か価値を一緒に作っていくことが非常に差別化のポイントになる。
 アンバサダーをビジネスパートナーとして活用する。
 一緒に活躍してもらうのがこれからの成長に欠かせない。」
ブロックで知られるおもちゃメーカー。
現在600人以上のアンバサダーを使ってPRに取り組んでいる。
少しでも活発に発信してもらおうとイベントを開いた。
新商品の情報を先行して提供。
商品の開発秘話なども紹介した。
アンバサダーの1人 中村真緒さん。
実はアンバサダーは金銭的な報酬をもらっていない。
それでも企業側から特別な情報を得られるため続けているという。
(アンバサダー 中村真緒さん)
「社員の人のリアルな話 仕事とかの。
 ブロックはこういうところにこだわっているという話を聞けて
 周りの人に実際にやってもらって
 楽しかったと言ってもらえればうれしい。」
企業から報酬を得ていないアンバサダーたちは否定的な情報を発信することもある。
しかし思ったことを率直に発信してもらうことも
かえって消費者の支持につながると企業は見ている。
(おもちゃメーカー カワダ 販売促進部 舘崎匡啓課長)
「商品のマイナス面を指摘してくれる方は本当にありがたい。
 生活者の生の声にお客様は興味を持つ。
 信頼がある。」
大きな効果を生んでいるSNS]によるPR。
しかしいったん悪い口コミが広がると企業に大きなダメージを与える。
専門家はSNSの時代 企業にはよりきめ細やかな対応が求められるという。
(広告専門誌「宣伝会議」 田中里沙編集室長)
「SNS広告をやると企業の人柄が伝わるようなコミュニケーションをやる。
 企業の姿勢を全面的に見られる。
 消費者が何か反応したときにもどんなタイミングで何を返すかが求められる。
 うまくいく面もあれば悪くなる面もあり
 緊張感のある広告の環境になっている。」


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