3月12日 経済フロントライン
都内で約40年にわたって営業している駄菓子屋。
仕入れから販売まですべてを夫婦2人で切り盛りしている。
しかし今は少子化の影響に加え
コンビニなどに押されているという。
(犬塚宏さん)
「2人の年金
ここの売り上げの利益
合わせてやっと食べていける。」
(妻 美佐子さん)
「続けていきたいと思っているがどうなるか
いつまでもつか。」
昔ながらの駄菓子屋が減ったと言われるなかで
思わぬところで駄菓子が人気を集めている。
都内にある居酒屋。
店内には100種類以上の駄菓子が並んでいる。
テーブルチャージ500円で取り放題。
当初は懐かしさを感じる40~50代の人をターゲットにしていたが
意外や意外
若い女性客が多く訪れるようになった。
「甘いものとしょっぱいものが交互に食べられるのでいいですね。」
「金額気にせず駄菓子を好きなだけ取れる。」
一方 本来のターゲットである子どもたちに駄菓子の魅力を伝えようという新たな試みも始まっている。
去年11月 お菓子の卸売業者が倉庫を利用して始めた巨大な駄菓子屋。
この売り場を考え出した菓子卸業 大町 社長の秋山秀行さん。
子どもたちに合わせたこだわりの売り場づくりを心がけている。
陳列は低い位置に。
小さな商品1つ1つに値札を付け
子どもたちが買い物しやすくしている。
「なんかびくりした。
いっぱいありすぎて。」
「いっぱい食べたい。」
秋山さんは去年 全国の駄菓子メーカーなどに呼び掛けて
その魅力を広く伝えようと団体を起ち上げた。
きっかけは駄菓子をアピールするために参加したフランスでのイベント「日本文化を紹介するフェスティバル」。
ラムネやガムなど日本の駄菓子に目を輝かせる現地の子どもたちに驚いたからである。
(菓子卸売業 大町 社長 秋山秀行さん)
「世界にこういう駄菓子はない。
『日本の駄菓子チョコレートはおいしい』と。
日本のお菓子の技術は世界最高水準
値段が最低水準
面白さは最高水準。」
さらに駄菓子の分野に新たに乗り出したところもある。
いもけんぴのメーカーである。
これまでの主な購買層は40代以上である。
子どもに食べてもらわないとこの先の需要が落ち込んでしまうと危機感をつのらせていた。
(菓子メーカー渋谷食品 社長 渋谷伸一さん)
「小さいころから食べたことがないものは大人になっても買わない。
駄菓子コーナーは特に子どもが買いに来る場所ですから。」
子どもが食べやすいよう様々な工夫を重ねている。
「今までは正方形に切っていた。
今回はへん平にした状態で。
やっぱりお子さんが食べるときに安全なサイズになったのかなと。」
メーカーでは4月からの試験販売を目指している。
(菓子メーカー渋谷食品 社長 渋谷伸一さん)
「駄菓子コーナーに残る商品として商品を作っていきたい。
新たな市場
新たな価格を自分たちで作っていく。」