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京町家をまもるために

2016-03-13 07:30:00 | 報道/ニュース

2月24日 おはよう日本


京都の街並みに溶け込んだ歴史ある住宅 京町家。
IT企業を経営するアメリカ人のサイモン・バウマーさん。
去年 京都に移り住み
築約100年の京町家を購入した。
庭などを通じて季節を感じられるところが気に入っているという。
(サイモン・バウマーさん)
「毎日 過ごす部屋を変えていて
 それぞれ素敵な体験ができます。
 冬はこたつ部屋で暖まったり
 春や夏は窓をあげたりして外の天気を楽しんだりしています。」
バウマーさんにこの町家を販売した不動産会社。
京都ブームを受けて外国人が購入したり
観光客向けの旅館にしたりと需要が増加。
町家を改修した物件が良く売れているという。
(不動産会社 西村直己専務)
「問い合わせは台湾とかシンガポールとかアメリカとかいろいろありますけど 
 『お金は10億円ぐらいあります』という方も来られる場合もあります。」
こうした熱い視線が注がれる一方
チャンスを生かせずに消えていく京町家も。
京都市中心部にあった京町家の邸宅。
料亭として使われていたが
去年取り壊され
ホテルが建設中である。
さらにそのすぐ近くにあった明治時代の京町家。
維持費や固定資産税の負担などを理由に去年売却され
マンションが建設される予定である。
いまも毎年600~700軒ほどの京町家が活用されずに取り壊されているとみられている。
こうした状況を変えたいと活動している人がいる。
京町家の保存と再生に取り組んでいるNPO法人の小島冨佐江理事長。
嫁いだ先が京町家だったことをきっかけに
24年前から活動を始めた。
(NPO法人 京町家再生研究会 小島冨佐江理事長)
「京都が京都であるためには
 私はこういう町家というか木造の文化は絶対に継承しないといけないと思う。」
気付いたときには京町家がとり壊されていく。
そうしたケースを何度も見てきた。
(NPO法人 京町家再生研究会 小島冨佐江理事長)
「水面下で売却の話が動いているものは全く出てこない。
 ある日突然京町家をつぶしていることがあるので
 愛着のある建物が壊れていくのはとてもショッキングな話。」
こうしたなか小島さんたちは京町家の所有者にその価値を再認識してもらう取り組みに力を入れている。
去年から改修工事が行われている京町家の長屋。
昭和14年に建てられ
5世帯が入居できるが高齢化などで空き部屋が増えていた。
大家の女性は隣に計画されたマンションの業者から打診を受けて
土地ごと売却することも一時考えたという。
ところが小島さんが知り合いだったこの大家の女性からたまたま相談を受けて建物を見たところ
土間のある構造など京町家の特徴が残っていることがわかった。
(NPO法人 京町家再生研究会 小島冨佐江理事長)
「最初見たときは
 取り壊すのはもったいないという言い方をした気がします。
 町中の戦前の昭和初期の住宅として良いものだと思いました。」
小島さんたちは京都ブームの中で京町家の需要があるとアドバイス。
大家の女性は改修して再び貸し出すことを決めた。
「昭和初期の建物でタイルとか建具とか『値打ちがある』と言われたので
 値打ちがあるものであれば
 住みたいという人がいるなら
 直して貸すだけ貸した方がいいかなと。」
その後 東京の夫婦など2世帯の入居が新たに決定。
ほかの部屋でも入居に向けた話し合いが進むなど
小島さんたちの活動が実を結びつつある。
(NPO法人 京町家再生研究会 小島冨佐江理事長)
「古いものをあかんから捨て去るのではなく
 丁寧にメンテナンスしながら新しい方々に引き継ぐ。
 その引き継ぎ役を私たちがしているのをみんなが持てば
 もう少し町の中は変わってくるのではないかと思う。」
京都の街並みを形作ってきた京町家。
どう引き継いでいくのか模索が続いている。



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