みどりの野原

野原の便り

4月9日 吉野川源流 水源地の森

2007年04月09日 | Weblog
去年、筏場から谷筋が違う源流を訪ね、その時から念願だった三之公川
沿いの「吉野川源流 水源地の森」を今回案内してもらえることになった。

メンバーは9人 遠方の泊まり組と朝、合流する。

紀ノ川となって海に流れ込む吉野川の源流はここ川上村に端を発する。
川上村は95%が森、残り5%のほとんどが道路だという。

来る途中にはダムもいくつかあり、川の様子は異様であった。
川原は砂浜のようで、砂の中を一筋の水が流れている。
土砂採取場になっているところもある。

ガイドさんの説明によると、室町のころ原始林は盛んに伐られ、禿山に
なったところへスギなどを植林されたという。
森の7割は人工林、3割が天然林。便利が悪かったり、岩場や尾根筋など、
条件の悪い所に天然林は残っている。

それが20年前からパルプ用材として伐られ、禿山になったところから土砂
が川に流れこんでいるらしい。
 
          伐られた森                流れ込む土砂
そのために河床が5~6メートル上がっているとのこと。

天然林の内749ヘクタールを川上村が購入し、「水源地の森」として保全
しておられる。

途中に立ち寄ったトイレはオガクズ利用のバイオトイレ。
用が済みボタンを押すとオガクズが攪拌される。
きちんと管理することで、汚水を川に流さないように工夫されている。

車から降り、山の神の社に手を合わせ、ツボカビ対策で、山にばい菌を
持ち込まないように、靴の裏にアルコールをスプレーして山に入る。

ヒル除けには、塩水をスプレーし、石鹸も嫌うとのことで靴下に塗りつ
けるとよいとのことでみんな念入りにやっている。

私は以前に2回ヒルにかまれたことがある。
1回はかゆみが半年続き、もう1回は黄色いTシャツの脇腹が、直径10
センチの血染めの日の丸が出来てびっくりした。
あと1回は、かまれる直前に気がつき、それもノドについていたので、
大騒ぎして、今も友達の間では語り草になっている。

木に所有者の名の入った、杉の人工林を抜け、谷へ降り、だんだんと川を
さかのぼっていく。
   
         木の橋を渡る                大石ごろごろ
このあたりは、大岩ゴロゴロの川、水も澄んで時々水が流れ落ちたり渕
になったり変化に富んでいる。さきほどの砂浜とは全く違う風景だ。
  
         滝                   苔むす石
大きな草本は見られなかったが、
小さなネコノメメソウの仲間やユリワサビ、セントウソウ、チャルメル
ソウの仲間などの小さな草本が花を咲かせていた。
  
     イワボタン         コツボゴケ           ユリワサビ

アブラチャンやコバノミツバツツジ、ツバキの花が咲いていた。


そして、ここはコケや地衣の宝庫だった。

コケや地衣が木や草と共存し、豊かな森を織り成しているようだ。
岩の上にはコケがマット状に生え、そこには小さな生きものが隠れ家に
したり、木の種が芽吹いたりできる場所になる。

          苔マット

菌類は倒れた木を分解し、また新しい命の元となり、命の循環ができる。
「土は人間には作れません」と言われた。

コケの名前などは難しいが、乾いたコケにスプレーで水を吹き付けると、
みるみるいきいきとした様子になるのは新鮮だった。

トチの大木、シオジの森など、他では見れないような天然林を楽しんだ。
 
           トチ                  トガサワラ

水は澄んでいて、「硬度150?ぐらいで水割りに最高です」との説明に、
ペットボトルに水を入れておみやげにした。



コメント
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