みどりの野原

野原の便り

4月13日 御所薬事研究所 見本園

2007年04月13日 | Weblog
御所薬事研究所は、このあたりに多い製薬業界の技術的な指導や、新しい
製剤を開発するための基礎研究をしている県の施設だ。
毎年春、秋に見本園の一般公開が行われている。

奈良は歴史が古い分、薬との関わりも古い。
日本書紀には、推古天皇が大宇陀地方で「薬狩り」をされたという記述が
あるそうだ。

主に中国から入ってきた医薬術は、寺院などで施薬として病に苦しむ人々
を救済していた。

中国から輸入する生薬は高価なため、国内に自生するもので、利用できる
もの、代用になるものが探され研究された。

一般にはお茶という形で広まり、身近な薬草や天然物を利用しようと知識
経験が蓄積され、民間薬となった。

こうして大和では優良な品種が確立された。
大峰山で秘伝の処方で作られたのが「陀羅尼助」だ。

また、全国の薬を必要とする人々に薬を販売して廻る産業が興り、
「置きぐすり」という独特の形態が生まれた。

薬事研究所の資料室には、
正倉院の御物として納められている60種の薬が展示してある。
その中には植物だけではなく、虫・鉱物・動物などもある。

これは、聖武天皇が崩御された756年、光明皇后が天皇遺愛の薬を献納され
たもので、必要な時には使われたようだ。
その目録が「盧舎那仏種々薬帳」だ。

  
 「盧舎那仏種々薬帳」に記された生薬         なつかしい薬袋

大和で作られた薬の数々の薬袋も展示されている。
有名な「陀羅尼助」はじめ、昔家にもあったような気がする「六神丸」、
聞いたような気がするものや、聞いたこともない薬の昔なつかしい薬袋たち。

薬用植物見本園には多くの漢方薬に使われる植物が植えてある。
それらを見ると、あたりにある植物はみんな薬になるんではないかと思うぐ
らいだ。

今花が咲いているものはアケビ・アマドコロ・ボタン・カリン・カラタチ・
テンダイウヤク・ミツガシワ・ムレスズメ・エンゴサクなど。
 
   アケビ(生薬名 木通)            ボタン(生薬名 牡丹皮)


     ミツガシワ(生薬名 睡菜葉)

生薬名は、利用部位につけた名前で、
たとえば、アケビは茎を生薬とし、生薬名は「木通=モクツウ」
アマドコロは根を生薬とし、生薬名は「イズイ」など。

ハトムギ・甘茶・エンメイソウ・ウコンのお茶とカリン酒の試飲が出来、
トウキの浴用剤をおみやげにもらった。

        トウキ(大和当帰)

ハランの花がさいていた。いつも気がつくともう実になっていて、なか
なか花が見れないので。

          ハランの花

薬事研究所近くに、白龍神社の社があり、サイカチの保護樹があった。
白い龍が棲むとしてお祭りされている。県の保護樹になっているので、
枝を切ったりする時は県の許可がいるらしい。
トゲトゲは少ないように見えた。可愛い若葉がたくさん出ていて年寄り
ながら、まだまだ元気。
  
      白龍神社のサイカチ      すぐ近くのサイカチ




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする