車で五条へ。2重マスクの3人連れ。
先ずはJR五條駅へ向かう上り坂。
吉野川の「河岸段丘」の地形が見られると息子。へえ~。
河岸段丘がよくわかる場所があるというのがここ。
なるほど住宅のところが崖になっている。
JR五條駅を見てから、先ほど見えていた煙突の場所へ。
少し街道を入ると「五新」の文字が。
ここは「五條酒造」創業大正13年という造り酒屋
「五新」は清酒の銘柄だった。
煙突がよく見える場所まで行ってみる。煙突は何か惹かれる。
五條酒造から続く旧街道を西へ。
「栄湯」と書かれている。銭湯のようだが、板の戸は閉まっている。もうやっていないのかな?
軽トラが止まって廃材をおろしはじめたのはここのご主人のようだ。
「4時から入れます」とのこと。ああよかった。まだ営業してた。
古い銭湯大好きの娘は「入りたい!でも時間がない!」と残念がる。
場所を変えると栄湯の煙突とドーム屋根が少し見えた。
五條にあった銭湯は次々廃業され「栄湯」は「五條唯一の銭湯」らしい。
次の機会に入りに来たい。
レトロ タバコ屋があったり・・
ちょっと路地を入った所。ここへ私を連れて来たかったという。
「桜井戸(桜泉)」 お~。いい雰囲気。
井戸ではない。湧き水の長~い長方形のマス(水槽)
金剛山からの伏流水が湧き出しているのか?
水槽の端にはお地蔵様や石塔が。まるでお風呂に浸かっているみたい。
水は澄んでいて、赤い小さいフナ?金魚?も泳いでいた。
水槽の上の石垣の祠。祀られているのは弘法大師?
ここにも弘法大師の伝説があるという。
水槽の中の水面を見ても湧き出しているような水流は感じない。
でも、ここから流れ出ている水量だけ湧き出しているということだ。
洗い物をする水場としても使われていたのだろうか?
屋根の瓦は桜模様。
「本陣」の交差点に出る。
交差点近くの桜井寺にかつて天誅組の本陣が置かれていたのが名の由来とか。
昔、ここを起点に紀州街道・河内街道・伊勢街道・下街道・西吉野街道(十津川街道)があった。
今も、それをなぞるように、ここから四方に国道が伸びている。R24・R168・R310
少し離れて旧街道が残っている。
旅客が行き交う街道と吉野川の水運で、交通の要衝として栄えた五條市。
本陣はその中心である。五條は宿場町、商業の町として発展した。
重要文化財「栗山家住宅」(内部非公開)
慶長12年(1607)築。
建築年代が明らかな民家では日本最古なのだそうだ。
空海の開基と伝わる「講御堂」 「御霊神社」など見どころは多い。
いよいよ「新町通り」へ。
江戸時代の景観を残す町並みは「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。
後で行ったの「まちなみ伝承館」で聞いた説明によると、
この町並みは関ヶ原の功績によって二見城に入った「松倉豊後守重政」が城下町として創設。
「諸役を免除して」多くの商人を集め賑わいを作ったという。
ここでは名君だったが、後に赴いた島原では重税やキリシタンを弾圧した領主だったとか。
新町通り 江戸時代の街並みの中に、近代建築も混じる。
「フォトスタジオ桜井」元、五条信用組合 昭和10年(1935)の建築
新町通り この時期なのかほとんど人通りはない。
政治家 木村篤太郎氏の生家で江戸時代の米穀商の町家を観光案内所にした「まちや館」に立ち寄る。
お弁当を食べようと吉野川の堤防に上がる。
広い堤防。向かい側の河川敷でバーベキューをしている小さい子供連れの家族がいるだけ。
天気もいいし気持ちがいい~。
おにぎりを食べようとしていたら・・・
上からトビが急降下してきて、息子の持っていたおにぎりを掴もうとして取り損ねて・・
手に引っかき傷を残して飛び去った。
「トビに注意」とか書いてあるのは見たことがあるが、襲われたのは初めて。
真横に降りたトビは、大きい!人間の大きさぐらいだった。
(翼を広げると150~160㎝はあるらしい) びっくりした~。大きい傷でなくてよかった。
おにぎりを隠しながら、そそくさと食べる。せっかくのんびりと食べようと思っていたのに。
午後は新町通りに戻り「まちなみ伝承館」に入る。
いろいろ説明してくださったが、
昭和34年(1959)台風15号 伊勢湾台風の時の水位の表示が鴨居の上にあり驚いた。
川の広い景観はゆったりしていいなと思うが、台風の時は怖いな。
「ジオラマ工房」に立ち寄る。
鉄道好きの息子と娘。店主さんとあれやこれやと話も弾む。
・・で、二人ともミニの模型をお買い上げ。うれしそうな顔。
「幻の五新鉄道」の残った高架橋を見に行く。(前にも見に来た)
昭和12年(1937)、五條ー和歌山県新宮を結ぶ計画で始まった「五新鉄道」の工事は、太平洋戦争やその後の経済情勢の変化で、ついに実現されず中止になった
「五新鉄道」の名残の橋脚
道路を隔てた向こう側にも残っていた。
「金剛 ハロ号」と言われる蒸気機関車の展示
山本本家 江戸時代から続く造り酒屋 煙突2本
新町通りにお店があった。
午後3時、五條の町を後にする。まだまだ見どころを残す。